プレスリリース
江戸時代から続いてきた静岡のわさび農家。台風・豪雨での被災を復興し、日本の味を守りたい
「わさび田復興プロジェクト」推進責任者、小澤達彦です。 私は150年以上続くわさび専業農家「やましち」の六代目になります。また、わさびの育苗の会社として静岡で初めて立ち上げた会社「ユートレマ株式会社」の代表でもあります。わさび栽培発祥の地、静岡の企業として、日々わさびづくりのノウハウを研鑽しながら、食文化発展への取り組み等多方面に渡り活動を拡げています。
わさびと聞くと、「ツーンとした辛いイメージ!」など、時には罰ゲームなどにも使われ、楽しんでいただいているシーンもよくありますよね。私どもがお伝えしていきたいのは、日本の代表的なスパイスの代表格である本わさびの文化です。
本わさびは「爽」「華」「繊細」「痛快」「贅沢」等、食の場で独特な存在感を発揮します。また、緊張感、調和、静寂、繊細さといった日本人独特の精神をあらわしてくれます。四季を愛でる日本の心。わさびが表現する淡い香りは、旬の食に違和感なく溶け込むことができます。
(被災前のわさび田)
世界農業遺産にも認定されたわさび田が、台風で破壊されました
「静岡水わさびの伝統栽培」は現在、世界農業遺産にも認定されています。先祖がわさび栽培を始めた当時、わさび田の開墾は記念に石碑を立てるほどの一大事業でした。
わさび田の堤防や壁は岩を組んでつくります。城の塁壁を築くように、山の奥深く、先人達は人力で山を削り、岩を砕き、運び、築き上げてきたものです。
一目みただけで感じる風格と雰囲気がそこには確かにあります。血、汗、力、知恵、人そして自然が良質なわさび作りを磨き上げてきました。
ユートレマ株式会社の母体となっているのは、わさび専業農家「やましち」で、 150年以上続く歴史と、地域最大級の規模を持っています。当時わさびといえば産業の少ない山間地を潤す作物として、ちょうど注目され始めた頃でした。
先々代も自分の土地に適した、わさび田・品種を探し出すまでにはかなり試行錯誤を繰り返したそうですが、やがてわさび栽培の第一人者としてその指導のため、全国を廻りました。その間にも品種改良は続けられ、ついには昭和5年に、静岡を代表する名産品として「やましちのわさび」を皇室がお買い上げいただくまでになりました。
その、わさびを生産し続けてきた「わさび田」が、2022年9月の台風の被災により、大きな打撃を受けてしまいました。先達たちが積み重ねてきた歴史を背負い、これからの未来に向けて今後とも邁進していく所存ですので、ご協力、何卒よろしくお願いいたします。
台風被害の詳細
2022年9月23日の台風により、静岡市内では広域的に浸水被害が、静岡市清水区においては数日間の断水被害に見舞われました。静岡市の山間地では台風の直後、局所的に線状降水帯にかかったこともあり、過去の記録にないほどの雨量でした。わさび田のある安倍川に通ずる沢も、普段はほぼ干上がっていた状態だったのですが、10m以上の高さがある堤防を越えて水や土砂が入ってきてしまい、農林道も大きな被害を受けました。
(崩壊したわさび田)
(崩壊したわさび田)
(洪水翌日の沢沿いの道。この後これ以上に水と土砂が入りました)
(わさび田に行くための車道も崩壊)
今回のプロジェクトの目的
この度はそのわさび田復興支援のご助力を賜りたくプロジェクトを始めさせていただいた次第です。
【今回被災した農場の面積と比率】
今回の洪水により弊社の農場全体の6割が被災しました。大きな農場が2つありそれぞれサッカーのフィールド1面位の大きさです。片方は全体的に壊滅しており完全復旧には1億円以上必要です。もう片方はサッカーフィールドで言うと幸い2割程度の被害でした。今回はこちらを修復させたくご助力賜りたく考えております。
プロジェクト概要
わさび栽培を主とする農業生産法人ユートレマ株式会社株式会社(本社:静岡県静岡市、代表:小澤 達彦)は、2022年9月下旬に台風・局所豪雨により被災・壊滅した「わさび田の復興」を行うための運営資金をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて募集を開始しました。
募集期間は2022年12月16日(金)から2023年1月31日(火)で、募集金額は200万円を目指します。
150年の歴史をつなぎたい!わさび田復興プロジェクト!」クラウドファンディング