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株式会社ハテナブック

第13回「キャリア教育推進連携表彰」で優秀賞を受賞!富山県立上市高校とハッピー上市会のアツい地域力。

(PR TIMES STORY) 2024年12月26日(木)17時23分配信 PR TIMES


(職業を知る会の様子)


文部科学省と経済産業省が共同でキャリア教育の取組を表彰する第13回「キャリア教育推進連携表彰」で、富山県立上市高校とハッピー上市会が一体となって進めてきたキャリア教育が富山県内の公立学校としては初の優秀賞を受賞しました。ハッピー上市会副会長の松井健彰(松井エネルギーモータース株式会社代表取締役)さん、上市高等学校校長の前原五輪雄さんのお二人に、上市町の地域活性化起業人(株式会社ハテナブック)の本間が受賞の背景をお伺いしました。


□富山県立上市高等学校

https://www.kamiichi-h.tym.ed.jp/


□ハッピー上市会

https://kamiichi-job.net/info/11626


(2024年12月17日に開催された記者会見の様子。左から松井健彰ハッピー上市会副会長、小柴順子同会長、前原五輪雄上市高校校長、小竹敏弘上市町副町長)


―ハッピー上市会について教えてください。


松井(ハッピー上市会副会長):


ハッピー上市会は町の少子高齢化や人口減少、地域社会のコミュニティー機能低下など地域の諸課題に向き合い、町の各団体等がそれぞれの得意分野を生かしながら、一緒にまちづくりについて話し合い、共有できる場を提供していく団体です。 


毎月定例会議を開催し事前に案内したテーマに基づいて、関心のある個人、団体が参加し議論を行っています。毎回、参加者は少しずつ異なりますが10年以上に渡り毎月1回の会議を欠かさず開催しており、会議の回数は2024年12月で132回目となります。


(ハッピー上市会の様子)


―10年以上も続いているのですか?


松井(ハッピー上市会副会長):


はい、11年目となります。もともとは少人数で開催していましたが、上市高校と町役場の幹部職員が加わった2018年頃からは、地域での教育が頻繁に議題に上がるようになりました。様々な業種の町内企業(製造業、サービス業、福祉系事業所、IT系企業、建設業、金融機関等)をはじめ、毎回の参加者が20〜30名程度に増えてきたのもこの頃です。

ここ数回は、誰でも気軽に参加可能で、プレゼンや議論もできるとの評判を聞きつけて、参加者が40名を超える状況となっており、とてもうれしく思っています。


産官学が連携して地域全体で主体的に教育を考える土壌が育ったことで、様々な企画が生まれました。



―上市高校についても教えてください。


前原(上市高校校長):


生徒数347人の上市高校は、最終的に3分の2超の卒業生が県内就職する総合学科で様々な業種の県内中小企業への人材輩出に貢献しています。しかしながらせっかく就職しても早期に退職してしまう生徒が少なからずおり、ハッピー上市会に相談しました。


在学中にしっかりと職業観を育むこと、地域に愛着を持つこと、自分に適したあるいはやりたい仕事に就くことを目的に、インターンシップに加え、数年前からは@「職場見学」やA「職業を知る会」、さらには本年度から県内県立高校では初の実際に対価を得て働くB「キャリバイト」を開始しました。キャリア教育に協力する企業は年々増加し、例えばA「職業を知る会」には当初の20社から今では30社へと拡大してきています。多くの地域企業が協力してくれるおかげで、生徒は多様な価値観、多彩な職種に触れる機会を得ています。


(職場見学の様子)


(職業を知る会の様子)


―生徒にはどんな影響がありましたか?


前原(上市高校校長):


一例ですがB「キャリバイト」に参加した引っ込み思案な生徒が、自信を持って学校生活を送れるように変わったことや、他には保護者の勤務先にキャリバイトとして参加したところ、保護者がいきいきと働く姿を間近で見て、より介護職への意欲が高まったという生徒もいました。こうした声はハッピー上市会でも共有され、地域全体で教育を考えるという上市高校ならではのキャリア教育に磨きをかけていると思います。同時に地域の力がどんどん高まっていくように感じています。


(キャリバイトの様子)


多様化する社会において学校だけで職業観を育成することは難しく、生徒が就職先を選ぶ基準は給与と福利厚生の条件が良い会社となっていました。職業観が十分に育たず社会に出てしまうと、やり甲斐や、やりたい仕事がわからないため、労働条件の食い違いや人間関係のトラブルが少しあっただけで、早期離職をする生徒が出ていました。


ハッピー上市会の協力でこれまで十分に提示できなかった「働く意義」や「働く人の声」などが聞けるようになったことは非常にありがたく思っています。「楽しそうに仕事をしていた」、「仕事にプライドをもっていた」など、生徒は仕事に対するイメージを肌感覚で得られるようになってきています。こうした経験を重ねると生徒の意識は大きく変化します。生徒の事前学習の質問と事後学習の感想とでは記述量に明確な差があり、教室では学ぶことができない効果があると確信しています。


(職場見学の様子)


また、進学希望者にあっても@「職場見学」やA「職業を知る会」に参加した企業へ就職を希望する生徒が出てくるなど、地域と学校の相互に嬉しい効果が生じてきています。


―良い話ばかりに聞こえますが、高校側への負担はいかがですか?


前原(上市高校校長):

こうした取組みを高校だけで実現することはまず不可能です。ハッピー上市会には参加前の各企業への声かけや企画内容の説明など高校側ではとてもできない部分を担っていただいており、また上市町役場には会議用スペースやマイクロバス等の提供をお願いしています。高校側には生徒のニーズ把握や参加される各企業との連絡調整を行う業務があるものの、負担は大きく軽減されており、ハッピー上市会のご協力に言葉で言い表せないほど感謝しています。


―地域への波及効果があれば教えてください。


松井(ハッピー上市会副会長):


2024年7月には本事業に深く関わっている企業、役場、高校の代表者によるパネルディスカッションが開催され、産官学連携によるキャリア教育の活動状況等を報告したところ、約120名の参加者から示唆に富んだ内容であったと高く評価されました。


(2024年7月31日に開催されたパネルディスカッションの様子)


富山県議会においては、教育長からハッピー上市会の支援のもと行われているA「職業を知る会」などについて感謝の意を示すとともに、上市高校の例も参考にして高校生のキャリア教育の充実に努めたい旨の答弁がなされています。


なお、富山県では高校再編が今後の大きな課題となっている中、上市町としては、こうした取組みを産官学連携でしっかりと行っている特色を広く内外にアピールするため、学校名を「(仮称)富山県立キャリア教育高等学校」とするよう、2024年7月に富山県知事や富山県教育委員会に対して要望しています。


(富山県知事に要望書を提出した時の様子)


また富山県下の全自治体での中小企業振興条例制定の運動を展開している富山県中小企業家同友会では、「条例制定≠ノよって地域の産官学が一堂に会して議論する振興会議が設置されることが何より大切」と認識されていますが、上市町はその振興条例が存在しないまま、振興会議と同趣旨のハッピー上市会が活発に運営されていることを稀有な事例として高く評価されています。


上市町役場からは、行政ではなく企業が主体となって運営されていることが大きな特徴であり、それ故に町の課題に対する意見や提案をしっかりもらえる貴重な場となっているとお聞きしています。


それまで役場と上市高校との接点は過去にはほとんどありませんでしたが、ハッピー上市会の活動がきっかけとなり、高校が望むこと、町が望むことのマッチングもできるようになり@AB以外にも企画が生まれるようになりました。最近では、高齢者のスマホ教室を開催しましたが、高校生がスマホサポーターとしてマンツーマンで講師を務めました。参加者はもちろんのこと県の担当部署にも高く評価され、県政テレビ番組でもこの取組みが広く紹介されました。


(スマホサーポーターの様子)


―今後の展望について聞かせてください。


前原(上市高校校長)


2024年12月5日には、次年度を見据え「君はなぜ学ぶのか起業体験プログラムの紹介」と題し、中川直洋氏(公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト、総務省地域力創造アドバイザー)の講演会を開催しました。アンケートを見ると、講義前に起業に「興味があった」「少しあった」という回答は合計20%でしたが、講義後には起業に「興味がでた」「少しでた」の合計が76%と大きく変化しました。生徒からは「起業したくてもやり方がずっとわかりませんでした。しかし、今回の講演で起業の可能性ややること、できることの幅の広さを知ることができました。自分の未来が少し明確になったような気がします」「自分の夢を実現してみたいと思った」という感想が寄せられました。


今後はさらに社会人として必要な資格取得に向けた取組みやアントレプレナーシップ教育などにも果敢に挑戦し、これからの時代にリーダーシップを取れる力が育つような環境を整えていきたいと考えています。最近では上市高校公式インスタグラムを開設しました。今後は生徒が中心となって上市高校の魅力を発信していきますので、ご覧いただけますと嬉しく思います。


上市高校公式インスタグラム


松井(ハッピー上市会副会長):


上市高校の生徒さんの3分の2超の卒業生が県内就職されるという話を聞くうちに、これは上市町だけではなくて、富山県に根付く人材育成をキャリア教育として支えているということを数年前からとても強く感じています。


ハッピー上市会は、元々は富山県中小企業家同友会の上市町の会員8名ほどで始まった会ですが、今後も富山県の未来を支えているんだという、強い気持ちを持って活動を続けていけたらと思います。ハッピー上市会にはどなたでも参加いただけます。毎月第4木曜の18時半から上市町役場4階大ホールで原則開催していますので、興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、是非お問い合わせください。

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