プレスリリース
認知行動療法の専門機関「CBTメンタルサポート」が性加害者向けのオンラインカウンセリングセンターを開設へ。社会問題である性加害・性犯罪の再犯防止へ取り組む
国内最大級の認知行動療法コミュニティが性犯罪再犯防止に挑む
2024年8月末〜9月初旬にかけて、痴漢、盗撮、不同意わいせつ等の性犯罪・性加害の再犯防止を目的としたカウンセリング機関「オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンター」の開設を予定しております。
母体の株式会社CBTメンタルサポートは認知行動療法の専門家を養成するための国内最大級のオンラインコミュニティ「認知行動療法の学校」や認知行動療法を専門とした相談機関「認知行動療法カウンセリングセンター」を全国5ヵ所にて運営しております。
今回は株式会社CBTメンタルサポート代表取締役の岡村優希に今回の取り組みについての思いを聞いてみました。
性加害者向けの対応機関が少ない現状を打破。「オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンター」開設へ
ーー全国5ヵ所でカウンセリングルームを展開されていますが、今回なぜ新たに「オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンター」を設立しようとしているのですか?
岡村:性加害行為などの性犯罪は被害者の一生に深刻な影響を与える社会的問題の一つです。そのため、今後被害者を増やさないためにも加害者の再犯予防を目的としたカウンセリングによる再犯予防プログラムは必要不可欠であると考えています。
しかし、本国では性加害者向けのカウンセリングを実施している機関には限りがあり充分な対応はできていません。こういった現状を打破するためにも、弊社が新たに性加害・性犯罪の再犯予防を目的とした「オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンター」を開設することといたしました。
ーー何故対面ではなくオンラインでの開設を選ばれたのですか?
岡村:既に、認知行動療法カウンセリングセンターでも性加害の方に対するカウンセリングは行っていますが、全国でそういった支援を受けることができる場所は限定的であり、オンラインで受けたいといった多数のお問い合わせを頂いていることから、オンラインでの開設をさせて頂くことになりました。
また、性加害者の方は場合によっては、パソコンやスマートフォンが警察に押収されている場合もあるため、お電話での対応も実施いたします。
再犯リスク回避と生活改善、オンラインカウンセリングの詳細について
ーーオンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターでは、具体的にどのようなプログラムやサービスを提供される予定ですか?
岡村:プログラムの全体的な構造としては認知行動療法の理論を用いて行っています。性加害と一言で言っても、それぞれの事情や繰り返される要因は異なります。もう二度とやらないという意思の力だけでは、うまくいかないこともあるため、まずは個別の犯行に至ったパターンをしっかりと分析します。
その上で、再犯しやすくなる状況や場所などといった再犯の危険リスクを把握します。再犯の危険リスクとは、例えば駅でスマホを用いて盗撮を繰り返してしまう人の場合、「駅に近づくこと」や「スマホを持っていること」が再犯の危険リスクに当たります。
その後は再犯の危険リスクに近づかない生活習慣に改善すると共に、犯行に至った考え方や行動を調整していきます。また、「分かっちゃいるけどやめられない」といった反射的な行動を調整するためのトレーニングも行います。
ーープログラム実施者はどのような方ですか?
岡村:臨床心理士、もしくは公認心理師の資格を有しており、弊社が規定する専門家講習を受講した後、模擬面接による試験を通過し認定を受けた支援者が実施します。更に弊社では弁護士や医師などの専門家との連携も行っております。
性加害防止、オンラインでも対面と変わらない成果を目指して
ーーオンラインで性加害の支援を受ける際の利点や、対面との違いについて教えてください。
岡村:オンラインで受けて頂く際の利点としては、どこからでもご参加頂けるという事になります。また、交通費や移動にかかる拘束時間などといった負担を減らすことができます。対面との違いについては、物理的に距離が離れている事もあり、非言語的な情報が限定的になる事です。電話で実施する場合はなおさら表情なども見えないといった点は対面での実施と大きく異なる点となります。
ただ、プログラムの実施については、対面とオンラインでそれほどの差は感じられず、対面と変わりない成果は出せると思います。私はこれまで、オンラインカウンセリングにおける書籍も執筆した経験があり、それらの経験を活かしてオンラインでも安心してカウンセリングができるような環境作りに取り組んでいきたいと考えています。
ーーオンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターを開設する事に対する懸念事項などはありますか?
岡村:性加害や性犯罪というのは加害者自身だけではなく、被害者や両家族、知人、職場や学校など様々な場所や人に多くの影響を及ぼします。そのため、カウンセリングの際もその部分を考慮した上で、再犯防止は勿論のこと、関係者へのセラピーやサポートも重要になってくると考えています。
再犯防止ができているかというのは数年単位かけて追跡して把握していく必要があります。そのため、長期に渡って支援を続けていくことのできる枠組みを作ることが必要であり、懸念点でもあります。
衝動を抑えられない人への早期対応が新たな被害者を防ぐ
ーー最後に一言メッセージをお願いします
岡村:既に性犯罪や性加害をしてしまった人だけでなく、犯罪まではいかないにしろ、衝動が抑えられなかったり、加害に近い行為を行っている場合には早期対応する事で新たな被害者を生むことを防ぐことができます。そういった予防のためにも今後こういったカウンセリングが世の中に普及していく事を切に願います。
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◎代表プロフィール
岡村 優希 (おかむら ゆうき)
臨床心理士、公認心理師、認定行動療法士
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役社長
広島県出身。広島の私設相談室や医療機関で、うつ症状・不安症・強迫症などに苦しむ方々に認知行動療法を提供してきました。その後、滋賀県の認知行動療法専門機関や医療機関で、さまざまな困りごとを抱える方々に対して認知行動療法の支援を行い、長浜市ひきこもり支援員としてひきこもり相談や滋賀県スクールカウンセラーとして児童思春期臨床にも携わりました。そして、2022年より株式会社CBTメンタルサポートの代表取締役として、認知行動療法の専門家養成やカウンセリングルームの運営を行っております。
執筆書籍:「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版(共著)
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房(共著)
雑誌掲載:「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
テレビ出演:読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆認知行動療法カウンセリングセンター広島店
https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
◆認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店
https://okinawa.cbt-mental.co.jp/
◆認知行動療法カウンセリングセンター山口店
https://yamaguchi.cbt-mental.co.jp/
◆認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店
https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
◆認知行動療法カウンセリングセンター大阪店
https://osaka.cbt-mental.co.jp/
◆株式会社CBTメンタルサポート
◆オンラインコミュニティ「認知行動療法の学校」
https://community.camp-fire.jp/projects/view/590151