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下請け企業からの脱却。 “カラス対策”だけでなく、高齢化社会や地域景観美化に貢献するごみステーション「ダスポン」が誕生するまで

(PR TIMES STORY) 2023年09月22日(金)11時34分配信 PR TIMES

株式会社ナカノはステンレス製品の加工・製作・販売を行うメーカーです。横にスライドする扉を採用し足元から大きな開口を持たせることで女性や高齢者の方にもごみを持ち上げずに簡単にゴミ出しができる「ダスポン」シリーズを開発し、2018年にGOOD DESIGN AWARD を受賞しました。個人宅向けのサイズバリエーションシリーズも販売し、宅配ボックスや趣味用品入れなどの高機能ボックスとしても利用できます。

本ストーリーでは下請けから脱却を図り、自社ブランド「DUSPON」の誕生秘話をお伝えします。


株式会社ナカノは1967年、現・YKKの製造ラインの保守メンテを生業として創業


1967年、先代の故・中野保夫が立ち上げた中野鉄工(現・株式会社ナカノ)では当時の事業として、地元にある吉田工業(現・YKK)の製造ラインの保守・メンテナンスを生業とし創業しました。


創業当時は、24時間稼働している工場が顧客でしたので、夜中に電話がかかってくることも多くあり、先代はいつ電話がかかってきてもいいように、大好きなお酒を飲まずいつでも行けるように真摯に向き合っていました。そうした姿勢から信頼を勝ち取り、数年もすると工場で製作する図面を頂くようになり設計など依頼される仕事も次第に増えていきました。

「どんな依頼にも真剣に向き合い、妥協せずに仕事をする」これが当社の創業精神でもある先代の信条でした。

隣町の町内会長からの相談をきっかけに新型ゴミステーションを起案


平成7年、顧客でもある隣町の町内会長から町内のごみ捨て場について相談を受けました。

当時のゴミステーションは素材が鉄(スチール)製で、錆が発生すると数年ごとに塗装したりするメンテナンスが必要な製品が一般的でした。塗装の塗り直しで維持費用もかさむことから、錆びにくく塗装がいらないステンレス素材に目をつけごみを散らかす“カラス対策”も開発のテーマの1つとなりました。


先代の社長がドラフターに向かい約1か月かけてオールステンレス製のゴミステーション10案も製図し、その中のパイプシャッター式のゴミステーションが本採用される事になりました。当時、鉄素材より5倍くらい高価なステンレス材を採用したごみステーションは珍しく、鉄の加工とは違う付加価値の高いTIG溶接(タングステン-不活性ガス溶接)で行う必要がありました。溶接の後処理に関してもまったく違う仕上げをしなければならないので、社内でも悪戦苦闘の日々でした。そんな試行錯誤の中、第1号機は依頼された町内会に無事に設置させて頂く事が出来ました。

設置によりカラス対策は万全に。富山県内で注文が広がった


ごみステーションに入ったごみ袋をカラスがつついても破けず、“カラス対策”は万全となりごみが散らかり汚される事はなくなりました。カラスに荒らされない!という噂が広まりこのごみステーションは大きな話題となり、地元の新聞などに取材記事として掲載され、富山県内を中心に注文が広がっていきました。これが「DUSPON」の始まりとなります。


2013年、先代が「DUSPON」の次なる開発に取り組んでいる中、突然の病に倒れました。その後、現・代表取締役社長の中野隆志が先代の思いや熱意を引き継ぎました。



かねてより「下請けの問題」解決に向けてDUSPONの製造・販売を行ってきましたが、少子化・高齢化、地域景観の美化などの時代背景を捉えた商品開発および徹底した見直しが必要であると考え、まず第一歩として様々なごみミステーションを調査するために、知り合いの社長がやっている地元のごみ収集会社に1週間働かせてもらえるようお願いしました。

製品の見直しに着手。600カ所以上の現場を周り、ユースケースを徹底調査した


600か所以上のごみ集積場を周り、形状や機能を調査記録し、徹底的に分析しました。大きくは手前に開くタイプと上下に扉を開けるものが多くありましたが、いずれの形状も女性や高齢者がゴミ袋を出すには負担が大きく危ない形状に思えました。実際に週3回ごみ出しをして気付いたことがありました。ゴミ出しには重い扉を持ち上げ、ごみ袋を持ち上げて空いているスペースに置かなくていけないのですが、この動作をご高齢者の方が週3日もやり続けていくのは困難になるのでは…と真っ先に感じた事と、回収業者の方もごみを回収する際、ごみステーションによっては屈んだ中腰の状態でごみステーションの中に体を入れながらごみを取り出している…後で聞いたのですが、回収業者の方の悩みは腰痛だそうです。日々、痛めている腰と闘いながら仕事をしているのです。


こうしたデータや実体験を基に「女性や高齢者でも誰でも入れやすく、回収業者の方にも優しいごみステーションは創れないか」「ごみステーションというイメージを変え、街の景観を損なわない、調和する商品を開発できないか」と考えるようになりました。


社内検討や実験と試作を繰り返すこと2年半。試作機を6台製作し、ようやく形になったのは2018年でした。

「スライドダスポン」の完成。GOOD DESIGN AWARD受賞と、コロナ禍での事業成長に寄与


完成した商品はスライドダスポンと命名されました。スライドと名がつくように、扉が横にスライドして開閉できる商品です。ゆるくカーブしたL字型のスライド扉は、女性や高齢者の方でもわずかな力でスムーズに開け閉めする事が可能で、タイプによってはソフトクローズ機構があるため、扉を閉める数センチ手前でゆっくりと減速し閉じるので手を挟むことなく、静かに優しく閉じ切りますので騒音が出る心配もありません。また、スライド扉にすることで、庫内の投入口が広がり、ゴミ袋を持ち上げなくても入れることができます。これにより回収業者の方も体を乗り上げかがめる姿勢をとる事もなく、楽にゴミ袋を回収することが可能になります。

この年、GOOD DESGIN AWARDにエントリーしたところ見事受賞することもできました。これをいい機会と捉え販売先も全国展開に切り替え、合わせてコロナ禍で必要とされるようになった宅配ボックスとしても利用できるシリーズも充実させ販売。非接触での受け取り、置き配としての需要が大きくあり2021年以降には販売台数が前年比262%に向上できました。


また、7月19〜20日の賃貸住宅フェア2023では、業界初のスマートキー搭載ゴミステーションを初展示いたしました。捨てられたものから個人情報が洩れ、悪用につながる現代。専用カードや暗証番号で施錠ができるので入居者や回収業者の方だけが開けられるので、安心してつかっていただけます。また、専用カードや暗証番号での開錠となるので「アパート・マンションのごみ捨て問題」解決に寄与できます。強固なセキュリティ性を持ったごみステーションがあなたのプライバシーをスマートに守ります。



【商品情報・プロジェクト情報URLなど】

商品名 :Intelligent DUSPON HIGH SLIM(インテリジェントダスポン ハイスリム)

販売開始日 :2023年9月8日

素材・カラー:ステンレスモデル 12色、黒ZAMモデル12色

容量 :500Lと600Lの2サイズ

価格 :ステンレスモデル 406,780円(税込)〜

黒ZAMモデル 365,860円(税込)〜

特徴 :当社が独自開発した“横スライド式”ゴミステーション「ダスポン」シリーズの新商品。

ダスポンが持つ機能性とデザイン性はそのままに、収納物を守る新たな機能「スマートロック」を搭載。専用カード、暗証番号で開けるのでごみからの個人情報流出を防ぎ、入居者のプライバシー保護に絶大な効果を発揮します。美しさと実用性、そして堅牢性を高めた「新時代のダスポン」が、入居者の安全な暮らしを守ります。

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