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武田薬品工業株式会社

デジタル人財を社内育成するリスキリングが本格始動 武田薬品が目指すビジネスとデジタルの融合

(PR TIMES STORY) 2022年10月26日(水)09時51分配信 PR TIMES


社会的・地政学的・経済的な変化など、事業を取り巻くマクロ環境が大きく変わる中で、いま、あらゆる産業においてビジネスのやり方にも革新性が求められています。


デジタルの活用で革新的なイノベーションを実現するデジタル・トランスフォメーション(DX)や、不確実性が高まる社会において、企業の「稼ぐ力」と社会の持続可能性「サステナビリティ」を同期させ、中長期的な企業価値を創造するためのサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)*など、変革のための戦略も広く語られ、それにあわせて、革新を担う人財の育成を目的とした、リスキリングやアップスキリングという言葉を頻繁に聞くようになりました。

*経済産業省発表の「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」による解説を引用


世界80の国と地域でグローバルに事業を展開するタケダでは、「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という企業としての存在意義(パーパス)を実現するために、データとデジタルの力を最大限に活用し、いま以上に信頼されるバイオ医薬品企業として変革を続けるべく、それを支える人財の育成に力を入れています。


タケダの企業理念の中で、データ&デジタルは、イノベーションを起こす源であり、事業戦略(ステークホルダーへの約束)を下支えする、欠かせない存在として位置づけられている


タケダでは、従業員によるデータとデジタルを活用する力を高める取り組みがグローバル規模で全社的に行われており、国内でも数々のプロジェクトが進行中です。その中で、10月から本格始動したのは、国内事業部門でのリスキリングの取り組み「データ・デジタル&テクノロジー(DD&T)アカデミー」です。


この画期的なプロジェクトを統括する高橋俊春さんと、実際のプログラム運営を担当する森田和也さんにお話を聞きます。


データ・デジタル&テクノロジー部 デジタルアクセラレーション ヘッドの高橋 俊春

6か月間のデジタルブートキャンプ「DD&Tアカデミー」のコンセプト

――高橋さん、「DD&Tアカデミー」の目的と特長を教えてください。どんな点が画期的なのでしょうか?


高橋:タケダが国内で、さらにグローバルでも成長していくためには、データとテクノロジーでイノベーションを推進することが不可欠です。その実現には、人財への投資を行い、組織としてデータとテクノロジー活用の素養を育むことが何よりも重要と考えています。デジタル人財の拡充には、社内育成や、外部からの採用のほか、コンサルタントなど外部人財との協働など様々な手法があると思いますが、今回は社内育成に力を入れたものとなります。「DD&Tアカデミー」の最大の特徴は、自ら手を挙げて選出された従業員が、元の所属部門を離れて、6か月間にわたりデジタル人財へのリスキリングに集中することで、短期での成果実現を目指す点です。実施する会社側も、参加する従業員も、かなり本気度が高いプロジェクトとして、社内でも高い注目を集めています。


――参加者のみなさんは、もともとはITやデジタルの専門家ではないですよね。タケダの方針として、デジタル人財の内製化を図るということですか?


高橋:プログラムの参加者は医薬情報担当者(MR)や、マーケティング、流通などの業務に携わってきた人たちがほとんどです。もちろんこれまでもデジタルツールを活用したり親しんだりしてきた人たちですが、ITやデジタル部門での勤務経験があるわけではありません。その点ではデジタル人財の社内育成と言えるでしょうね。


私たちが目指すのは、製薬業界や武田薬品での勤務経験から豊富な知識と経験、人脈を併せ持つ優秀な自社人財を、デジタルに強く、デジタルを戦略的に活用できる人財としてリスキリング、アップスキリングすることで、ビジネスとデジタルの融合を果たすことです。


彼らが製薬業界の知識を持ったデジタル人財として活躍することで、社外で連携するデジタルの専門家や、キャリア人財として武田薬品に入社する高度なスキルを持ったデジタル人財とスムーズにコミュニケーションを行い、協業することで、事業へのインパクトを最大化させましょう、という考え方なのです。


社内の人間にとっても、外部から参加してもらう人財にとっても、Win-Winの関係を作りながら相乗効果を生み、会社としても最大の企業価値を生み出す可能性がある、実効性の高い戦略だと感じています。


――森田さん、DD&Tアカデミーの具体的プログラム内容を教えていただけますか?


データ・デジタル&テクノロジー部 デジタルアクセラレーションチーム 森田 和也


森田:はい。社内公募を行い、応募・選考を経て受講者となった対象者に、10月から来年2023年3月までの6か月間に集中的にトレーニングプログラムに取り組んでもらいます。その後OJT(オンザジョブトレーニング)等で職場での実践経験を積んでもらったのち、データ・デジタル&テクノロジー部をメインとした本社機能で活躍してもらいます。

対象者は、トレーニング終了後、UI/UXデザイナーやデジタルマーケティングスペシャリスト、データアナリストといった職種に従事することを想定しており、トレーニングプログラムは、講師からの講義、e-learningでの自己学習、ワークショップなど多岐に渡ります。


最初の1か月間はカテゴリー別ではなく、基礎的な概念や知識を理解するような、全体的な学習エリアに全員で取り組んでもらいます。オンラインで各自フレキシブルにトレーニングプログラムに取り組みながらも、デジタルを活用しながら、メンタリングや交流会で受講者に向けて手厚いサポートを提供します。そして、明確な達成基準を設けて、テスト等も活用しながら学習の進度を把握します。2か月目以降は、より専門性の高い内容に取り組んでいきます。


――トレーニング終了後の職種は、どのように設定されていますか?希望は出せるのでしょうか?


森田:職種の希望は応募段階で出してもらいました。デジタル人財としての職種は、4つのカテゴリーで12種類を設定しています。カテゴリーは、顧客との関係値管理に関するカスタマー・エクスペリエンス、テクノロジー、データマネジメント、AI&ビッグデータです。それぞれの分野で、各従業員が培ってきた知見が生かせますし、デジタルを効果的に活用できるようになれば、これまで以上の付加価値を生み出す人財としてアップスキルされるイメージです。

4つのカテゴリーにおいて来年4月以降の業務を考慮し、計12の職種を設定した

森田:今回のプログラムを始めるにあたって私たち運営側が大切にしたのは、このプログラムの目的や意義、アカデミー卒業後の仕事内容やキャリア構築を十分に理解したうえで応募や希望職種を決めてもらうことでした。そのために、アカデミー募集の告知を日本の事業をまとめるトップおよび事業部内のリーダーから実施したのち、社内説明会をどこからでも参加しやすいようにオンラインで実施しました。


加えて、カジュアルな雰囲気の中で職務カテゴリーの各リーダーに直接質問することができる場を「リスキリング・カフェ」という名称で複数回実施しました。説明会には数百人が参加し、ライブ視聴が出来なかった従業員向けの録画再生回数も400回程度、リスキリング・カフェにも数百名を超える参加がありました。実際に応募したのは150名超で、MRが8割程度です。面接等の選考を経て、最終的に30名を超えるメンバーが選出されました。年代は20代から50代と幅広く、男女比は対象部門の割合を反映したものになりました。


参加を検討する従業員は自らのキャリア構築を能動的に行う、いわゆる“自律型”の人財であり、会社としても個人的にも全力で応援したい人たちですので、できる限り丁寧な説明の機会を設けました。当初は希望する職種に偏りが見られましたが、各カテゴリーのリーダーたちの方針や熱い想い、内容を十分に理解した上で、未知の分野にチャレンジする人も増えて、最終的にはすべてのカテゴリーにくまなく手が挙がりました。


――「DD&Tアカデミー」プロジェクト立ち上げで、一番苦労した点はなんでしょうか


高橋:同時に30人を超える人財のリスキリングを実施するという、これだけ大きな規模で取り組むというのは、大変やりがいのある仕事だと感じています。このプログラムを始めるという会社の方針を聞いたときは、データ&デジタル活用の本気度を感じ、大変嬉しかったことを覚えています。いざ着手してみると、トレーニングプログラムの内容を各分野のリーダーたちと一から作り上げていく過程にも苦労はありましたが、一番大変だったのは、受講者30名超のメンバー選考でした。キャリアシフトを真剣に考えて、とても優秀な150名超の従業員が手を挙げていただき、全員がこのプロジェクトに対する強い想いを持っていました。その中から誰を選ぶのかということが一番大変でしたね。応募書類での選考や適性の判断、さらに各部門のリーダーたちによる面談を経て受講者が決定しました。


森田:私は今年4月からこのアカデミーの担当になりましたが、それまではMRとしてデジタル推進を担う立場にいました。営業現場の立場からデジタルツールの運用によるインパクトの最大化を目指して活動していましたので、各部門から同様の想いを持った方々が6か月のトレーニングを経て、本社機能の中でデジタル推進を担っていく、というアカデミーの活動に関わることができることを光栄に感じています。アカデミーの立ち上げで苦労した点は、タケダとして初の試みということもあり、正解と前例が無い中で進めていくという点です。受講生のみなさんにどうやって6か月を走り切ってもらうか、どのようにサポートできるかを、DD&Tの組織だけでなく、人事の皆さんとも議論を続けながら進めているところです。関わる全員が、患者さんに貢献していくためにデジタルを活用できる人財を育てていく、という共通の目的を持っていますので、うまく連携できていると思います。

第二の入社式ともいえる「DD&Tアカデミー入学式」の開催

――10月を迎え、いよいよ6か月間のトレーニング期間が始まります。今のお気持ちと意気込みをお聞かせください。


アカデミー入学式ではDD&Tチームを率いる松野玲子(最前列中央)を含むリーダーや先輩たちが参加者を迎えた


高橋:10月最初の出勤日、10月3日に「DD&Tアカデミー入学式」を開催しました。プログラムの参加者はタケダに長く勤務する人たちですが、「入学式」として、プログラムの節目をみんなで祝った形です。リーダーからの祝辞をもらいながら、気持ちを新たにした人が多かったようです。


リーダーからの祝辞で繰り返し語られたのは、「わからないことはどんどん質問してほしい、ともに成長しよう」という言葉です。私が所属するDD&T部の部長である松野玲子さんや、MR出身で既にDD&Tのリーダー職を務める皆さんも、そこを強調してくれました。この6か月間の間、わからないことも沢山出てくるだろうけれど、とにかく何でも聞いて欲しい。分からないことがあって当たり前ですから、それを安心して聞くことができる環境をみんなで大切にしながら進んでいこう。そして、将来的には、アカデミーを経てデジタル人財として活躍するころには、みなさんが聞かれる立場になり、他の仲間を引っ張っていくんだ、という力強いメッセージです。まさに私たちが目指していこうとする組織文化を言い表してくれました。


私個人としては、参加者の皆さんとはこれまでオンラインで面談してきましたので、直接お会いするのは入学式当日が初めてでした。参加者の目から本気を感じ、あらためてこのプロジェクトの重要性を認識しましたし、彼らがビジネスとデジタルを融合する推進役になっていくように、半年間しっかりフォローしながらやっていきたいと思います。


森田:今年4月から準備に携わったプログラムがいよいよ始動ということで気が引き締まる思いです。アカデミーの入学式では、参加者の皆さんから熱い想いを聞くこともできました。医療情報を医療関係者に届けるMRやメディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)としての豊富な経験を持つ参加者は、UI・UXの向上を通じてユーザーフレンドリーなソリューションを生み出すことが、自分がかねてよりやりたかったこと、として、本気で取り組むという意気込みを話してくれました。地方と都心両方でのMR経験がある参加者は、患者さんへの情報提供の分野でのデジタルの可能性に言及し、デジタルの効果的な活用を通じて日本と世界の患者さんに貢献していきたいという想いからアカデミーへの入学を決めたと教えてくれました。また、多くの希望者の中から選出されたことへの感謝と、自分たちが将来的に仲間たちにも貢献していくんだという強い意思を感じることもできました。


私としては、今回の6か月間の取り組みを単なるトレーニング期間で終わらせたくないと思っています。トレーニングを受ける側と教える側でお互いに刺激し、運営チームを含め、組織として成熟していきたいと思っています。


DD&Tアカデミー入学式には海外出張中で会場での参加がかなわなかったジャパン ファーマ ビジネス ユニットのプレジデントの古田未来乃からも、ビデオメッセージが寄せられた


古田プレジデントのメッセージ要旨:

皆さんDD&Tアカデミーへのご入学、おめでとうございます。いま、私たちはデジタル技術を駆使して確立した体験や価値を最大限に、しかも効率的な形で生み出していくことを目指しています。データやデジタル技術は、それだけでは単なる情報や手段に過ぎませんが、そこにさまざまなビジネスの知見や分析・判断を加えることにより、タケダならではの価値を創出することができると考えています。そのためには、組織的な能力を高めていきたいと考えており、今回のDD&Tアカデミーの取り組みを通じて、社内にエキスパートを増やしていく方針です。このアカデミーのような取り組みは、実はグローバルのタケダの中でも初めての試みです。さまざまなバックグラウンドを持った皆さんが今回こちらに応募してくださって、とてもありがたく感じています。これから6か月間にわたる研修プログラムは、大変なこともあると思いますが、ぜひ充実したものにしてください。皆さんの成長とともに、日本のタケダの組織としての能力を一層高めていけることを楽しみにしています。


6か月のトレーニング期間がスタートし、運営チームの伴走も始まった。タケダではプロジェクトの進行状況について、今後も発信を続けていく


タケダでは、データ&デジタルを推進するさまざまなプロジェクトを特設サイト「世界に尽くせ、タケダ。」にて、動画や記事で公開しています。


「世界に尽くせ、タケダ。」データ&デジタル、DXコンテンツ

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