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株式会社小倉内装

子供と自然を思いやる、天然抗菌自然塗料「SAFEECO」開発の軌跡

(PR TIMES STORY) 2023年10月05日(木)09時00分配信 PR TIMES

昭和8年に表具店として青森で創業した株式会社小倉内装は、地域の皆様に支えられて今年で90年目を迎えます。建設業も多分に漏れず、近年はより環境への配慮が求められるようになってきました。

SAFEECO(読み:セフィーコ)は、スペースシャトルに乗って宇宙空間でも使用された「あおもり藍」という藍が原料であり、天然素材のみで組成された「抗菌できる自然塗料」です。

東京でキャスターやナレーション業をしていた現代表の小倉のあおもり藍との出会いや、3人の子を持つ親としてのきづきから生まれた製品開発の裏話など、SAFEECO誕生について振り返ります。




 亡き父がつないだ、あおもり藍との縁


私は会社の代表として5代目になります。家業を気に留めず東京で働いていましたが2011年の東日本大震災で郷里を思う気持ちが強くなっていきました。そして翌年、父が突然の病で余命宣告を受けます。私の結婚式に病気をおして車椅子で出席した父は、その2か月後に他界しました。


一大決心をして青森に戻った私は、生前父と親しくしていたという方から連絡を受けます。「藍をとおして、跡継ぎ問題に悩む農家さんの支援や耕作放棄地の活用につなげて地元の活性をはかりたい。君のお父さんと一緒にやろうと話していたが叶わなかった。そこに息子さんが帰ってきたと聞いて連絡した」と。

それが、あおもり藍産業協同組合兼、あおもり藍産業株式会社の代表である吉田氏でした。



あおもり藍を「住」分野で活用するために商品開発に着手


ご縁を感じ、理念に共感した私はあおもり藍産業協同組合の一員となります。

このときあおもり藍は、染め物として大手ブランドとのコラボやニューヨーク出展の実績がありました。さらには天然素材として大変高い抗菌・抗臭効果があることが決め手の一つとなりJAXAのコンペで採択され、あおもり藍で染めたポロシャツはスペースシャトルに船内着として搭載されています。


また、食分野においても抗酸化作用がありポリフェノールを多く含むことからお茶や食品に使われるなど、あおもり藍の持つ機能、効能は評価を受けていました。

吉田氏はあおもり藍を衣食住すべてで活用する夢をもっており、「住」の部分を私にやってみないか、と話しました。抗菌性能がある藍染として、すぐにインテリアにも活用できそうだと考えていた私ですが、商品開発は甘くなく、ここから長い道のりが始まります。



染める以外の用途を探して辿り着いた、あおもり藍の消臭抗菌効果


住環境に利用するにはカーテン、ソファーカバーなどのファブリックや生地を染めることが近道ではありますが、調べてみると同じような製品はほかの藍の産地にもたくさんあります。染めのコストも当時は高く、競争優位性の面でも見劣りました。もっとあおもり藍だからこそできること、活用の仕方はないか、と試行錯誤の日々がつづきます。


そんななか、2014年からあおもり藍産業協同組合とともに研究を続けていた東北医科薬科大学の佐々木教授が、あおもり藍が持つ高い消臭抗菌の機能性だけを丸ごと抽出することに成功します。しかも薬学博士である佐々木教授は、農薬不使用で栽培されているあおもり藍ゆえに、一般的には石油系の溶媒を使って抽出する方法をとらず、人の体にも安心して使えることを目指して100%天然由来のものだけで抽出する、全く新しい方法を考案しました。


この抽出液は通称あおもり藍エキスと呼ばれ、元来藍が持つ単独の抗菌成分よりも高い効果を持つことが第三者機関で証明されました。近年ではインフルエンザなどのウイルスにも効果があることが大学の研究により発表されています。この大発明により、藍染め以外にも活用方法が大きく広がりました。ほぼ無色で不快なニオイがなく、人にも環境にもやさしい藍の新しい素材として、消臭抗菌スプレーや石鹸、マスクなど次々に製品が誕生し、住環境への応用にも活路が開けてきました。




子育てで感じた気づきとコロナウイルスの流行から、「こどもに安心な 抗菌出来る自然塗料」というコンセプトが生まれる


この頃ちょうど子育てがはじまった私は、ハイハイで床を這いつくばって歩き、あちこち触っては口にする子供の姿を目にしていました。最初はカーペットなどの商品開発を模索していましたが、製造プロセスやコスト面で難航。その後も様々な製品案を出してはトライしてみましたがその度に課題が残り、次第に製品開発から遠のき始めていました。そんななか、世界がコロナ禍に見舞われます。


内装業を営む者として、そして親として、「子供たちの暮らしに安心を届けられないか」という思いが日増しに強くなっていきました。そこで、以前試作したことがあると吉田氏から聞いていた、壁や床に手軽に塗布できるコーティング剤や塗料はどうか、と考え始めたのです。当時は製品化までいかなかったそうですが今ならできるかもしれないと思い、まずは市場にどんな自然塗料があるのか調べてみると実に様々な製品がありました。逆にどれを選べばよいのか迷ってしまうな、と感じました。また、抗菌性があることをしっかりと謳っている自然塗料はほとんどありませんでした。一方で、子供やペットがいる環境で安心して使える塗料を探しているという質問はよく見かけました。そこで、「こどもに安心な抗菌できる自然塗料」として、誰が使えばよい製品かをわかりやすく伝えるコンセプト案ができあがりました。



自然塗料ゆえの難しさから協力企業探しに難航するも、妥協せず問い合わせを続けた日々


あおもり藍エキスを配合し、子供にも環境にも安心な天然素材のみで組成された抗菌塗料。すぐに実現可能に思えますが、塗料やコーティング剤はそもそも石油系の有機溶媒を使うことが多いため、天然素材のみで製造をお願いできる企業がなかなか見つかりませんでした。しかし体に害のある溶媒を使うことに妥協してしまえば、農薬不使用で藍を育て、天然由来のみでエキスを抽出したことが無意味になってしまいます。「人と自然への思いやりを大切に、子供たちに安心して使ってもらいたい」という思いを曲げないために、何社にも問い合わせを続けた結果、ついに相談にのってくれる会社と巡り合いました。



加速し始めた開発サイクル、1年半の月日を経てついに完成へ


私の思いに賛同して協力を快諾してくれた会長さんや社長さんのもと、製品開発のスピードがここから一気に進んでいきます。あおもり藍エキスを開発した佐々木教授に協力してもらい、米油や桐油など天然素材でつくられたサンプル塗料にあおもり藍エキスを配合。最適な混合比率なども検討してテストは無事成功します。そして完成した試作品を第三者機関の鑑定に依頼。結果を待つ期間はとても長く感じられました。

送られてきた速報結果は抗菌基準値を大きく上回る数値に。ようやくここまで来たとホッとしたその時には、塗料の開発着手からおよそ1年半の月日が過ぎていました。



抗菌性・価格・使いやすさ、SAFEECOの優れた機能性が好評につながる


SAFEECOは安心安全で環境にやさしいという思いを込めた「SAFETY」と「ECO」の造語です。ロゴマークは私の思いを知るデザイナーさんにより「あおもり藍エキスがこどもを包み込む」そんなイメージで描いてくれました。



ありがたいことに、理念に賛同して本製品を使用してくれている企業様もいらっしゃいます。

建設業に携わるものとしては現場での使いやすさも一つのポイントでしたが、スポンジやコテバケなどで簡単に塗布できて乾燥も早く、不快なニオイもないとのことで職人の評価も上々でした。日本ではドイツ製の自然塗料が人気ですが、価格的にも同等で高い抗菌性があり、しかも日本製ということから、今まで使っていた塗料に変えてSAFEECOを採用してくれた企業様もいらっしゃいます。工務店やビルダー様だけでなく、DIYがお好きな方には親子で楽しんで使って頂けたら嬉しいです。


一つだけ当初の計画どおりに実現できなかったことがあります。実は壁紙やプラスチックなどにも塗れるようにと考えていたのですが、今回は叶いませんでした。ですが、結果として室内木部用の塗料になったことは、木材を活かした内装、すなわち、よりナチュラルで子供と自然の共生がはかれる住環境へとつながるものであり、今となってはこれで良かったと感じています。



多くの人々の協力によって完成したSAFEECOを、子供と環境の豊かな未来に役立てていきたい


SAFEECOは原料の藍葉を青森で栽培、日本の大学や企業が研究・開発に協力し、青森市や地元の銀行のバックアップのもと完成した製品です。私たちが安心安全を皆様の住環境にお届けし、皆様がSAFEECOを使うほどに栽培する方々へも還元され、耕作放棄地の活用や自然のケアにつながっていきます。SDGsやサステナブルな製品だと言われることも多いですが、最初から意図していたわけではなく、あおもり藍のコンセプトを貫いた結果の産物と言えます。


SAFEECOは製品としてようやくスタートラインに立ったばかりです。

売り上げの一部は青森の子育て支援機関に毎年寄付することとしています。

製品の完成を報告した際「これで自分もようやく小倉さんのお父さんに顔向けできるなぁ」と、笑顔でつぶやいた吉田氏の一言は、とても深く胸に染み入りました。

製品化実現に協力してくれたすべての皆様に感謝申し上げます。

そして一人でも多くの方に思いが伝われば幸いです。



【関連情報】

SAFEECO

https://safeeco.jp/

あおもり藍

http://aomoriai.com/



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