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ねこだまり工房株式会社

フリマアプリから全国展開へ、立ち上げ1年半で3万個を製造・出荷した蜜蝋ワックスの裏側

(PR TIMES STORY) 2022年12月08日(木)10時05分配信 PR TIMES


『ねこだまり工房』はコロナ禍の2020年12月から始まった新興ブランドながら、主力製品の『クリア蜜蝋ワックス』が大ヒットを生み出した。わずか1年半の間に大手楽器店を中心に全国40都道府県250店舗以上で販売され、個数としては3万個の製造・出荷に至ったのである。


『クリア蜜蝋ワックス』は、ギター等の弦楽器の指板と呼ばれる部分を手入れする為のメンテナンスアイテムだ。楽器用品が定番商品となるには数年〜数十年じっくりと親しまれていく事が通例である為、この展開は異例の出来事と言える


今回、楽器店での販売が始まった最初のきっかけを含む、ブランド誕生の裏側を取材した。

■【はじめに】楽器業界のメンテナンスアイテム事情

ギター等の弦楽器には、弦を指で押さえる事により音程操作を行う指板という部位があり、多くの場合、指板は塗装等のコーティングがされておらず、木部が露出した状態である。その為、湿度や外気の影響を受けやすく、過度な乾燥は『割れ』等の破損に繋がり、さらに木部収縮によって金属部の露出し、怪我等に繋がる恐れがある。

その為、定期的に手の皮脂等の汚れを落としつつ、適度な保湿を行う等、木部をメンテナンスする必要がある。


ワックスという塗膜を形成するアイテムは、指板のメンテナンス用品として暗黙の間に嫌煙されてきたアイテムでもある。

塗膜を形成する事で音への作用等を気にする意見から、多くの人に好まれているのは「安価で」「使いやすい」「塗膜を形成しない」という特徴を持つ液状のオイル製品だ。


こうした傾向の中、「高価で」「使いにくい」「塗膜を作る」という真逆の特徴を持つ『クリア蜜蝋ワックス』を開発するきっかけとなったのは、代表の田中自身が指板のメンテナンスをしている時だった。

■『クリア蜜蝋ワックス』誕生の瞬間

液状のオイルは、塗った瞬間は艶やかに潤いのある見た目になるが、染み込み・乾燥すると保湿をしたはずなのにカサカサ感のある見た目になってしまう。


この課題感に対し、見た目を維持できる製品を探す中で、「蜜蝋ワックス」が選択肢の一つとして上がった。たまたま参加した展示会で、養蜂園の方が出品している蜜蝋を手に取った際、田中は過去に見た蜜蝋と質感が異なる事に気づいたという。未ざらしという漂白処理されていない蜜蝋にも関わらず透明感、艶やかな質感があり高品質の蜜蝋と感じたのである。



調べると、蜜蝋ワックスは2種類が存在する。乾性油を使い、乾燥によって固まる膜を作る「木工用の蜜蝋ワックス」と、保湿や保護などを目的に、不乾性油等の固まらない成分を用いる「化粧品目線の蜜蝋ワックス」だ。


田中は、「この養蜂園の蜜蝋で、蜜蝋ワックスを作ってみたら良いかもしれない」と思い立ち、過去に家族が作っていたハンドクリームのレシピを基とした「化粧品目線の蜜蝋ワックス」を作った。これが、『クリア蜜蝋ワックス』の誕生瞬間である。



『クリア蜜蝋ワックス』はハンドクリーム由来のレシピのため、化粧品や医薬品にも使われる「ホホバオイル」を採用している。人にも優しい素材で、楽器を手入れできれば安心なのではという点を重要視した判断は、想定外の効果を生む。


人工心臓の潤滑油にも用いられるホホバオイルが、固まらず、指板の表面に蜜蝋でキープされる事で、滑りの良さを得られる事に繋がった。この滑りの良さが、演奏のしやすさに繋がるだけでなく、金属部分を腐食や錆を防止する効果がある事が分かったのである。


指板には、音程操作の為の『フレット』と呼ばれる金属部がある。この部位は腐食などでくすむ事や、錆びる事があり、定期的なクリーニングが求められるが、クリア蜜蝋ワックスを塗布したものは従来の状態と比較し、綺麗な状態を維持・継続する事ができた。

また、表面保護になり新たな汚れが付きにくくなる作用もあった。



『クリア蜜蝋ワックス』は、メンテナンスアイテムが演奏性に繋がるという特殊性だけでなく、木部以外にも、金属、革製品、樹脂などにも使う事が出来る等、楽器用品が身の回りの日用品の手入れにも使える万能ワックスとなった。

■ブランド誕生の瞬間 フリマアプリから、老舗の大手楽器店へ

「当初、『クリア蜜蝋ワックス』を販売する予定は無かった」と田中は語る。理由は、ホホバオイルが高級なため値段を付けようとすると安価な蜜蝋ワックス、メンテナンスアイテムに比べて2倍以上の値段になってしまい、手に取ってもらえないかもしれないという懸念にあった。しかし、「仕上がりが良いのであれば高くても試してみたい」とSNSで要望があり、取引する方法として『ヤフオク』へ3個〜5個ずつ不定期出品を始めた。



オンラインでの販売を通じ50件程の取引を重ねた2020年11月に転機となるメッセージが届く。


全ての取引が匿名だった為、知る由もなかったのだが、老舗の大手楽器店『クロサワ楽器 池袋店』の石井副店長が個人的に購入をしており、「当店で商品にしてみませんか?」と商品化の誘いを受けたのだ。


大手の楽器店様で取扱になれば、これまで買っていただいた方にも喜んでもらえるかもしれないと考えた結果、誘いを承諾。商品化に向けた準備を始めた。


楽器店に置かれるなら、缶にシールを貼った簡素な装いではなく、手に取って喜んでもらえるパッケージを考え、和菓子をモチーフにスライド箱を帯で封をした手織りのパッケージが生まれた。



ユーザーの手元という活躍の場に出るまでの間を過ごす居場所をイメージしたそうだ。


そして、販売にあたり『商品名』と『ブランド名』が必要になり、付けた名前が『クリア蜜蝋ワックス』『ねこだまり工房』だ。製品とブランドが誕生した瞬間である。


『ねこだまり』は造語で、陽だまりにねこ達が集まり丸くなっている姿をイメージしているそうだ。


■SNSでの口コミから全国販売に広がり、3万個の製造出荷へ

2020年12月から店頭販売が決まり、最初の30個を納品した翌日には「すごく反響があり、売り切れてしまった為、追加発注をしたい」と連絡が届く。


その反響は収まることがなく、納品を繰り返しても、お店で次々と売り切れになる状況が続く。さらに、『ヤフオク』で買いたくても買えなかった方がお店に出向いて購入してくれる事や、ヤフオクで購入した方も知人・友人に勧め、更に馴染みの店舗へ入荷を働きかける等の動きが生まれた。YouTube等での紹介もありSNSで常に見かける程、途切れる事のない話題が多くの楽器関係者の方の目に止まり、次々と取扱店が拡大したのだ。



取扱量が増えるほど嬉しさも倍増したが、苦労も多かった。特に初期の手織りパッケージは、多くの工数がかかっていた。和紙専門店から紙を買い、裁断機で1枚1枚切り出し、下書きをした上で手織りする、といった具合である。更に、初期は肉球マークも手で切り取っていた為、1つと同じものはない。注文数が増える程に作業が追い付かず、欠品になりかけながら必死に作り続けたが、2000個の制作を超える頃に今までのテイストを残した現在の印刷パッケージに移行した。


その他、楽器業界では、個人ブランドを仕入れたくても、決済・運営上の問題で難しいなどの商慣習が存在する。卸・小売業に馴染みがなく、どの様に取引をしたら良いか分からない中で、京都にある老舗「ワタナベ楽器店」の渡邉社長の手助けが得られた。ねこだまり工房の『クリア蜜蝋ワックス』を本当に気に入り、流通の基本になる『JANコード』の整備や、多くの楽器店への拡販、上記の製造上の都合の納期調整など協力があったのだ。



多くのユーザー・関係者に支えられ、1年の間に全国へ広がり、新たな定番商品として楽器店に並ぶようになった。最初は5個ずつだったのが、30個になり、100個になり、多い月には2,000個〜4,000個の製造になったのである。


累計30000個の中には、店舗・他社・アーティストとのコラボレーションで誕生した蜜蝋ワックスも含まれる。それぞれ、イメージから精油をブレンドし、新たな香りを生み出し、専用のパッケージで制作された限定の蜜蝋ワックスは、それぞれの顧客・ファンの手元へと届けられた。


■『クリア蜜蝋ワックス』が時代と逆行する理由

取扱量は増えたが、製造方法は最初から変わっていないという。蜜蝋を削り、湯煎して混ぜ合わせながら、手作業で容器に注ぐという5個作っていた時と同じ作り方で、累計30,000個以上の製造を行っている。どれだけ多く作る事になっても、気温等の影響で割れたり、見た目にシワが出来たりしたものは、全て作り直し、最善のものがユーザー様の手元に届く様に工夫をしているそうだ。



『クリア蜜蝋ワックス』は、現在主流として求められる使い勝手からは逆行している。

密閉性を優先した、ねじ切りのアルミ缶は、使うたびに蓋を回してあける必要があり、一手間かかる。固形の為、塗りやすいとは言えない。しかし、ホホバオイルの作用で手で触れると、じんわりと溶け、伸びが良く塗布できる。だからこそ、最初は手で溶かしながら塗ることを推奨しているという。


このような不便さは、ゆとりのある時間の使い方にも繋がったようだ。ユーザーの口コミには「愛機のメンテナンスの時間が楽しみになった」「指板もうるおい、心もうるおう」といった声も多くあるという。


自分が使っている楽器が艶やかな見た目になり、滑りの良さが演奏の快適に繋がる事から、これまでのメンテナンスは、必要な事だから仕方なく行うものという印象が強かったものが、エステ感覚な上質な楽しみに変わる。このような体験を共有したいという思いがSNSでの口コミや紹介に繋がったと考えられる。



他のメンテナンスアイテムに比べて高価であることや、かわいらしい和菓子の様なパッケージという事もあり、「友人・知人・大切な人にプレゼントしたい」という声や、「愛機には一番良いものを使ってあげたい」という声も多くあるようだ。


利便性を求めない結果、一般的には利点ではない事が長所になっていた。



■製品が持つ日本の価値観を、海外へ

SNSでの反響は、海外からの問い合わせにも繋がった。アメリカでは、世界最高峰の弦楽器制作家と称される職人や、名門のギターブランド等で活用され、中国への輸出・現地での販売が始まっている。


無名だったアイテムが、日本全国で販売されるだけでも、すごいことだ。

その上で、『クリア蜜蝋ワックス』は、ユーザーが生み出した交流の輪から、『世界観の共有ができるアイテム』になってきているとも言える。


モノを大切にする日本らしい世界観を、国の垣根を超えて海外に輸出していく事も可能かもしれない。

■2022年45周年を記念した限定蜜蝋ワックスの制作

今年、『ねこだまり工房』はとある企画のオファーを受けた。長野県のギターメーカー

株式会社ディバイザーのアコースティックギターブランド『Headway』が45周年を迎える事を記念し、四季をイメージした香り付き蜜蝋ワックスの制作を依頼されたのだ。



職人の手によって生み出されるHeadwayのギターがオーナーと歩む生涯をイメージし、精油を用いた独自のブレンドで春・夏・秋・冬と、四季に合わせた専用の香りが開発された。新たなオーナーとの出会いに彩りを添えるノベルティとして、各地で開催された展示会や、製品を購入したオーナーの元へ送られ、購入時期が異なるオーナー同士で香りの嗅ぎ比べが行われる等の嬉しい報告が多く寄せられたという。


他社のメンテナンス用品が、ギターの付属品となる事も珍しく、1年を通した企画となる事は異例の出来事と言える。他社とのコラボ企画であっても、ねこだまり工房の交流の輪は繋がっていく事を示した印象的な企画となった。


田中は、「図らずも音楽・楽器業界にご縁をいただいた『ねこだまり工房』や『クリア蜜蝋ワックス』が、業界を問わず心のうるおいの一助になる事を目指していければと考えている」と語る。




■会社概要

会社 :ねこだまり工房株式会社

所在地 :〒456-0053 愛知県名古屋市熱田区一番二丁目24-3

代表者 :田中祐樹


URL :http://nekodamari.work/

Instagram:https://www.instagram.com/nekodamari.work/

Twitter:https://twitter.com/NekodamariWork

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCW4ZlSM9FPqZ_9GVSy7k0Xg


◇クリア蜜蝋ワックス

【HP】http://nekodamari.work/company/beewax/

【EC】https://nekodamariwo.base.shop/items/42743450

【Amazon】https://amzn.asia/d/b1G6fB2



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