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株式会社グロービス

グロービス、創業以来のロゴ刷新への道のり 経営の転換期こそ、ブランドと向き合う ――GLOBIS×Takramブランドプロジェクト座談会

(PR TIMES STORY) 2023年11月01日(水)18時34分配信 PR TIMES

テクノロジーの進展やグローバル化など変化の激しい時代に、経営大学院・企業研修・デジタルプロダクト・ベンチャーキャピタル、更には音楽フェスの運営まで国内外でさまざまな事業を展開するGLOBIS。


2023年10月24日、GLOBISは創業以来使用されてきたコーポレートロゴの刷新を発表した。


■新コーポレートロゴ

参考(プレスリリース):https://globis.co.jp/news/other/9284-2023-10-24/


今回のロゴの刷新にあたり、プロジェクトを共同で進めたデザイン・イノベーション・ファームTakramの面々を招き実施された座談会の模様をお伝えする。


新たな挑戦を続けるGLOBISは、なぜ今回ロゴの刷新に至ったのか。経営の分岐点にデザインがもたらす力、そして事業横断チームで推進してきた1年間の「ブランドプロジェクト」の実態を紐解いた。またプロジェクトのプロセスを振りかえり、GLOBISの各事業から集まったプロジェクトメンバーが各場面で抱いていた率直な想い、今後の展望について語る。 (聞き手:GLOBIS広報 土橋涼)

2023年10月24日に発表した新コーポレートロゴ


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3年の時を経て始まったプロジェクト

――今回のプロジェクトは、西岡さんの発案で始まったと聞きました。


西岡(GLOBIS デザイナー):GLOBISのブランドについて個人的に課題意識を持ったのは、入社1日目のことでした。初めて社屋に入って改めてコーポレートロゴを見て、意匠面に課題が色々とありそうだと思ったのを記憶しています。


その後、ビジュアル・アイデンティティ・ガイドライン(以降、VI)を作った頃に、ロゴのアップデートもしたかったのですが、当時は残念ながら実行には至りませんでした。


井上(GLOBIS マネジング・ディレクター):3年ほど前、ロゴマークやブランドカラー・キャラクター等の使用ルールを定めたときですね。


西岡:VI作成では色味の統一などの範囲しか着手できず、コンセプトといった根本的な部分までは直せなかったんです。それから2年が経ち、2022年のGLOBIS創業30周年に向け制作した記念ロゴの提案に(代表の)堀のもとへ行くと、「ブランドの整理をしないか」と言われて。

―― 本当に突然でしたね。

西岡:僕としては「ようやくこの時が来た!」と(笑)。ただ実行体制を考えると、全てを社内人材で賄うのは厳しかった。そこで実績はもちろん、堀が立ち上げた日本をよくするプラットフォーム「G1」というカンファレンスや、講師登壇などでGLOBISとの関わりも深いTakramに協力をお願いすることになりました。


―― 一方、グローバル展開においてもブランドに対し課題意識が出てきていたんですよね。


Lilly(グローバル広報):GLOBISは2012年から海外進出し、2017年からは世界各地で英語MBAのハブキャンパスを設けています。また経営大学院、企業研修、e-learning、VCとさまざまな事業がグローバルに広がり、それぞれがブランドをつくっています。こうして事業が複雑化する中では、お客さまにGLOBISを理解していただけるよう、よりわかりやすくする必要があります。そのほうが、マーケティングやコミュニケーションの質と効率を向上させられるからです。


グローバルチームは海外進出の最前線でこの必要性に直面していたことから「ストーリーをつくり、ブランドの全体を捉えやすくしたい」という意識を持つようになりました。


――こうした背景で立ち上がったプロジェクトですが、田川さんはGLOBISから依頼を受けた時、率直にどう思われましたか。


田川(Takram代表):非常に嬉しかったですし、Takramだからこそ何かお役に立てるところがあるかもしれないと思いました。


ブランドでは「インナーブランディング」と「アウターブランディング」のコンビネーションをどう整理するのかが大事な視点です。われわれはもちろん社外の存在ではあるのですが、G1へ参加する中でGLOBISの社会を良くするという考えやクリエイティビティの捉え方について共感があります。

また、僕と佐々木(Takram 佐々木 康裕 氏)とで教鞭を執らせて頂いているグロービス経営大学院の「デザイン経営(デザイン駆動型のイノベーションとブランディング)」科目を通じ、学生の皆さんのものすごい熱量も体感していました。


そんなGLOBISと築いてきた関係があるからこそ、インナーとして共感を持ちながら、アウターとして外からニュートラルな客観性を持ってブランドに関われる立場でもあると思ったんです。


ブランド表現は「扇」の関係 「どこを束ね・どこを広げるか」がポイント

――そこから「ブランドプロジェクト」が立ち上がりました。このプロジェクトとは、何を目指し、何を実行してきたのか。具体的に教えて頂けますか。

井上:ひとつの到達点として、ロゴそのものの見直しがあります。ただしそこに至るために「なぜブランドの見直しが必要か」「われわれが大切にすべきコアとは何か」を言語化し、それがあぶり出された結果のHOW、あるいはWHATとしてロゴが表現されていく、このプロセス込みのプロジェクトとなります。


そういった「言語化」「あぶり出し」を積み上げるためにも、Takramさんによるデザインプロセスのほか、さまざまな活動に取り組みました。


――Takramはメルカリほか、さまざまな企業のブランドにまつわるプロジェクトに携わっておられますね。過去の実績から見た、ブランディングのプロセスにおけるポイントをお聞かせください。


田川:例えば人付き合いであれば、多くの人は視覚から第一印象を受け取り、自分と合っている/いないを判断します。「なんか感じ良さそう」と思うからこそ、話しかけに行くのです。


言ってしまえばこの第一印象、いわゆるビジュアルコミュニケーションを整理することが、ブランドを見直す醍醐味です。そして、その結果として、企業にとっての中身=事業とアラインメントがきちんと揃わなければいけません。来てほしい顧客に来てもらい、逆に来てほしくない顧客には少し距離感を与えるような、Yes/Noを表すシグナルを出さなければならない。リサーチし、ブランドコアを作り、ロゴを作り、そしてデザインシステムを作ってというプロセスは、その「際(きわ)」を探すことに全て通じていくところがあると思います。


だからこそ先ほど西岡さんがおっしゃっていたような、企業にとって「時が来た」というタイミングは絶対にあります。ロゴ刷新やブランドを見直す企業のほとんどは、事業展開が非線形に拡大し始めた時や、今までやってきたドメインではないところに行かなければならないなど、事業上の理由を抱えているんです。


井上:グロービスの場合、事業展開に加えて時代変化を最先端で捉える必要がありました。昨今、AIなどのテクノロジー進化やMZ世代の価値観の変化、キャリアの選択肢増加など、かつてないほどの社会変動が起きています。ビジネスパーソンにも、従来の経営の定石を知ることに加え、テクノロジーの実装力やクリエイティビティなどが求められているでしょう。我々は、これらを総称して『テクノベート時代*』と呼んでいます。


そんな変わりゆく学びのニーズに対応するために、GLOBIS自身も創造と変革に取り組んでいます。例えば大学院では、2024年度より新たにテクノベートMBA(TMBA)・エグゼクティブMBA(EMBA)にトラックを分け、それぞれに応じた科目を開発・開講予定です。更に言えば、当初は小さかった「GLOBIS 学び放題」のようなデジタル事業が、コロナ禍を経て85万IDを超えるなど今や大きなインパクトを与える規模にまでに成長しており、会社としての事業バランスや様相も変わってきています。この状況だからこそ、各事業間の連携の強化を進める「時が来た」のではないかと思います。


*「テクノロジー」と「イノベーション」を組み合わせた造語。

――GLOBISは、既存事業の変革やデジタル化・グローバル化のみならず、地方創生を意図して茨城を盛り上げる音楽フェス「LuckyFes」の開催など、数年前までは思いもよらなかった領域まで事業や組織の多様性は広がっています。そんなまさに転換期にいるからこそ、今回のロゴの刷新に至ったということですね。


田川:GLOBISの事業はいずれも「社会人にビジネス教育を届ける」という一貫した部分がある一方、各事業体は多様で社風もダイバーシティな価値観を受け入れる器があります。ロゴ制作においては、それらの一貫性と多様性の中にある違いを緻密に理解して、最終的にブランドコアを定めた上で図を描いていきます。ブランディングのポイントのひとつは、どこを束ねて・どこを広げていくのかを構造化し、その加減をデザインで決めていくことなんです。


これについて僕はよく、扇の例えをします。扇はセンターピンがあるから、先を広げることができる。しかしピンのない扇はどうなるかというと、ただ棒がバラバラになる。このセンターピンは、スタートアップであれば単純なままでいける場合も多い。顧客がひとつでプロダクトがひとつしかなければ、センターピンとなるサービスロゴもコーポレートロゴもひとつでいいのです。ですが、ステージが変わればそのままではいられません。例えば僕が昔リブランディングを担当したメルカリは、最初フリマアプリというシングルサービスだったものが、メルペイという決済サービスがうまれたことで2つに分かれることになった。だからセンターピンを作り直し、束ね方を見直したのです。

ただし気を付けたいのは、ブランドがロゴマークも含めて変わるとき、古いロゴは課題を指摘されるばかりになります。けれど僕は、そこはニュートラルに考えたいといつも思っています。旧ロゴというのは、これまでGLOBISを30年間支えてきてくれた存在です。みんながそれをシンボルに、力を結集してやってきた、歴史や想いの詰まったものなんです。


これを踏まえながら、単純にひとまとまりにはせず、自由度はありながら「みんな同じ船に乗っているよね」と思えること。本プロジェクトにポイントがあったとすれば、この絶妙な塩梅を探すところだったかなと思います。


信念を浮き上がらせた、2つのワークショップ

――プロジェクトでは、実際のデザインの前にリサーチフェーズを2カ月ほど取られたそうですね。リサーチフェーズにおいて、経営層や社員向けに実施したワークショップについて教えてください。


清水(Takramアートディレクター, グラフィックデザイナー):ブランディングにおいて重要なのは、最終的なロゴやデザイン以外に、ブランドの定義や重要性を内部に浸透させていくことです。

ここに繋がるワークショップの例としては、ミザンプラス(Mis en Place)があります。

編集部作成


また今回私たちTakramが特に試行錯誤したのは、GLOBISのアカデミー性や理知的で冷静な部分と、起業家性のような情熱的な部分をどのようにひとつに融合させていくか、ということでした。

そこで役立ったのが、もうひとつ実施したブランドアーキタイプのワークショップです。選ばれた「Hero」「Creator」「Explorer」の3つは、いま考えると非常に的を射ており、その後のブランディング計画においても役立つ結果でした。


Takram社作成の図を用い、編集部作成


ミザンプラスを実施した際も、皆さま少しずつ違う表現ではありましたが、知的であってほしい半面、ただのインテリだったり冷たい感じだったりにはしたくないなど、信念や真髄が共通していると感じましたね。



「新ロゴデザインの最終決定は投票で」の裏側

――リサーチを踏まえ、Takramからロゴのデザインが上がってきた後、GLOBIS側ではどのような議論があったのでしょうか


吉崎(GLOBIS デザイナー):文字もカラーもスペースも、すべての要素について議論しました。GLOBISはサービスやプロダクトが多いので、それぞれに展開した時にどうなるのかの検証には特に時間がかかったと思います。


非常に面白かったのは、多くの観点で議論する中で、最初は意見が異なっても上手くチューニングされ、最後は揃っていく感覚があったことです。普通はデザイナー同士、違う意見の人がいればバチバチにやり合ってもおかしくない。


ですが柔軟に対話し、まとめ上げていくことができたのは、はじめにコアとなるものが決まっていたからこそだと思います。こうした成功はTakramさんと組んだからこそで、デザイン面のみならず進め方についても学びの多い経験でした。


――その後、「最終的にステークホルダーによる投票で決定する」というプロセスがあったことは、本プロジェクトのユニークさのひとつではないでしょうか。

田川:以前、とあるスポーツのクラブのリブランディングに関わった際には、10万人のファンの意見を聞かずにクラブのスタッフだけで軽々しく変えてはならないという議論をし、ファンの皆さんからパブリックコメントを2回ほど集めました。これはいいプロセスだったと振り返っているのですが、GLOBISも学生の方々をはじめ、近いものがあるでしょう。


「GLOBISブランドは社員だけのものではない」からこそ「何かしらエンゲージするプロセスを入れたほうがいい」という話は、井上さんや西岡さんともずいぶん前からしていたんです。


井上:投票で決定することは、経営者である堀の意思でもありました。「みんなで決めたい」というのはある種、グロービスがそれだけ多くのお客様や社会から愛される存在だったからこその選択だと思いますし、おっしゃるように非常にユニークなプロセスだったと思います。


――投票は特設サイトを通じ募集しました。サイトの作り込みに対して感嘆の声も届きましたね。


田川:それまでもかなり自走していたGLOBISのプロジェクトメンバーの皆さんですが、この制作は凄まじい勢いで詰め切っていて、改めてすごいなと思いましたね。


西岡:大学院の在校生・卒業生の方、講師や法人顧客、ユーザーの皆さまなど、GLOBISを誇り、旧ロゴに愛着を持ってくださっている方はたくさんいらっしゃいます。そういった方々に、これまでの30年を支えてきてくれたロゴをなぜ変えるか、変えたらどうなるかを丁寧に説明しないといけないと思ったんです。サイト制作の中心は川下さんでしたね。


川下(GLOBIS デザイナー):僕自身はデザイナーとして、投票で決めてもらいたいとは思わなかったのが本音です。デザインはデザイナーこそが決めるものだと思うからです。ですが「やろう」となったからには、できるだけ制作陣のメッセージが伝わるいいものにしたいと思い制作しました。


相原(GLOBIS デザイナー):サイトは英語版や中国語版も制作しました。作業量は膨大でしたが、それだけ「あらゆるステークホルダーへきちんと伝えたい」という熱意が全員強かったんです。結果、初日だけで900票ほどいただき、GLOBISへ向けられている熱量を改めて感じる機会でした。


――「投票制が嬉しかった」「ちゃんと私たちに聞いてくれてありがとう」といった声もありましたね。また、この投票自体を「GLOBISらしい」とおっしゃる方も多かったように思います。

田川:リーダーシップのかたちは会社によっていろいろですが、「これがGLOBISのリーダーシップなんだ」と思いました。


川下さんがおっしゃったように、通常は経営者とプロが議論して最終案を決めます。投票を用いることはあまりありません。ただそれはHOWの話なんですよね。根本のWHYに立ち戻ると、組織やステークホルダーの結束を醸成できるのであれば「全員で投票」も十分に納得できる手法です。その意味で、今回は僕自身も勉強になりました。


青い炎に込めた、GLOBISの「知性と情熱」

――磨き上げた3案の中から最多投票数を獲得したデザイン案を新しいコーポレートロゴに採用しました。新ロゴのポイントを教えて頂けますか。


山口(Takramアートディレクター、デザイナー、ディレクター):先ほど清水がお話した2つに加え実施したワークショップが、ブランドスライダーです。例えば「ビジョナリーとボトムアップ」「冷静と情熱」、といったさまざまな選択肢のどちらがよりブランドに近いと感じるか、スライダー式で回答していただきます。


特徴的だったのは、「正統と革新」の質問には皆さん「革新」寄りを選ばれたこと。新ロゴとして決定したデザイン案は3つの中で最も革新的な案でもあったので、そういった皆さんの意識が表現されてもいると思います。投票に残った3案のうち、最初にご相談頂いた課題感を最も解決しているのも今回採用されたロゴでした。


清水:デザインコンセプトとなった「GLOBIS Blue Flame」のもとになったのが、ステークホルダーインタビューなど一連のリサーチから浮かび上がった「知性と情熱」というワードでした。リサーチをすればするほど、このGLOBISの持つ先進的でアカデミックな知性と、「志」という言葉で語られる情熱のコンビネーションの素晴らしさが、どんどん浮き彫りになっていったんです。


この一見相反するような2つの要素を意匠の細かな部分にまで取り入れて表現できたことは嬉しかったですし、個人的にも非常に思い入れのあるプロジェクトになりました。


――意匠面でのポイントもぜひ教えてください。

山口:意匠としてはオリジナルの書体で作っていて、書体の一文字一文字にGLOBISらしさを込めています。例えば、スピード感や意志の強さを上向きの角度に込めるなどです。それでいて、ロゴ表現としてはモダンさがあるようにしました。「現ロゴの遺伝子と志の表現」として、投票サイトでも解説した点になります。


投票特設サイトより引用


清水:リサーチの中から上がってきたステークホルダーの方々からの意見の中にも、これから目指したいイメージとして「もっとモダンに」「もっと開かれたイメージで」といった言葉が多く並んでいました。


皆さんGLOBISと深く関わる中で体感している先進性やオープンさと、ロゴなどの外見から受ける印象の間に乖離があったということです。このギャップを埋めるために、旧ロゴの良さをリスペクトし継承しながら、一方でモダンでグローバルで、オープンさや遊びもある意匠をどう強く表現するか、徹底的に考えました。

「作って終わり」ではない、これからのプロジェクト

――まとめとして、本プロジェクトを通じ今後へ思うことについて伺えればと思います。

西岡:ようやくロゴが決定しましたが、ここから先、ガイドラインを作成し、運用や理解の促進、そしてサポートが必要となってきます。大変だろうとは思うのですが「作って終わり」にしないという気持ちで取り組んでいきたいです。


吉崎:GLOBISは言語化が得意な反面、非言語のビジュアルアイデンティティやビジュアルコミュニケーションにはブレが生じることも今まではあったのだと思います。ですが今回のプロジェクトを通じ、この面が定まってきたわけです。

これからの時代、言語と非言語のコミュニケーションを兼ね備えることは武器になると思います。この新たな武器を手に入れたことが、GLOBISが更なる挑戦に向かう機会になればいいですね。


相原:GLOBISには、GLOBISや社員としてあるべき姿が言語化された「スタッフブック」を全員で読み合わせする文化があります。

その読み合わせで確認される社員としてのマインドと、今回新しく決まったロゴやブランドがうまく組み合わさることで、「やっぱりGLOBISっていい会社だな」とまず社員の人たちに愛着を持ってほしい。


インナーブランディングも頑張っていきたいですし、それが社外にも浸透して、もっともっと「かっこいい、先進的、ワクワクする」存在としてGLOBISの認知が高まっていければと思います。


川下:今まで以上に社内デザイナーが頑張らなければなけないという危機感があります。社外の皆さんがあっと驚くぐらいのものを作り続けていきたいですね。


ロゴをつなぎ、歴史を積み重ねていく

――Takramの皆さんはいかがでしょうか。


田川:今回は30年間お世話になってきたロゴに感謝して、そのスピリットをモダンな形で抽出し、次の30年やこれからの事業展開にふさわしいものにするという取り組みでした。


これは僕らが生き物として、親から子へ世代交代していくこととほとんど一緒なんです。ここまでつないできてくれた存在に感謝してるからといって、未来永劫それでいいわけではない。「時が来た」ときは、次に移行していく。


ここで参考になるのが、ヨーロッパのサッカークラブの姿勢です。彼らはシンボルマークを数年ごとに変えるのですが、歴代すべてクラブハウスの廊下に飾っているんです。これは、自分たちのレガシーは一枚一枚レイヤーを積み重ねて成立していくという意識があるからこそです。


新ロゴに皆さんが愛着を持ってくれるといいなと思う一方、同じぐらい旧ロゴのことも、感謝して覚えておくものにしていただけるといいなと思います。


清水:田川さんの話に通じるところですが、旧ロゴのもとで醸成されてきたグロービス・ウェイの情熱に、少しでも新ロゴが感化して、より高みを目指していただけるといいなと思います。


更に言えば、デザインというものの良さや素晴らしさ、ロゴがかっこよくなることでより企業が前向きになっていくことも伝わればいいですね。


新コーポレートロゴの展開例


コミュニティを盛り上げ、更なる飛躍と挑戦へ

――最後に、井上さんから一言お願いします。


井上:「投票で決める」というのはどれに決まるのか本当にドキドキだったのですが、振り返るとGLOBISらしいプロセスだなとも思ったんですよね。


私たちが事業を展開し、サービスを提供する中で、顧客・ユーザーを「お客さま」というより「仲間」と感じることが頻繁にあるんです。GLOBISのビジョンは「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ですが、この生態系のなかで仲間をどう巻き込めるのかが重要です。そういう意味では、投票はまさに仲間の巻き込みが実現されたプロセスでした。


今回のプロジェクトを通じ、ブランドのコアやストーリーが言語化されました。これによって、強固な「仲間」づくり、そしてよりGLOBISに愛着を持っていただけるようになると思います。ますます盛り上がるコミュニティの中で、更なる挑戦をしていきたいですね。

――今回はただロゴのデザインが変わるというわけではなく、さらに飛躍するためのスタートなんですね。

代表の堀は、経営理念の根幹である「ビジネスを通した社会貢献」を更に推進するべく、30周年を機にグロービスの存在を「社会貢献本業カンパニー」と改めて位置付けました。広報としても、すべての事業を通じ、グロービスの社会的存在価値を更に発信できるようにしていければと思います。本日はありがとうございました。


                            

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◆会社概要◆

グロービス ( https://www.globis.co.jp

グロービスは1992年の設立来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業展開を進めてきました。「ヒト」の面では、学校法人としての「グロービス経営大学院」ならびに、株式会社立のスクール「グロービス・エグゼクティブ・スクール」「グロービス・マネジメント・スクール」、企業研修事業を行うグロービス・コーポレート・エデュケーションとeラーニングやオンラインクラスのほか定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォーム、「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」、「チエ」の面では、出版事業ならびにオウンドメディア「GLOBIS 学び放題×知見録」により、これを推進しています。さらに社会に対する創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資を展開しています。


◆新コーポレートロゴ|イメージムービー

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