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プレスリリース

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IKI PARK MANAGEMENT株式会社

壱岐イルカパーク&リゾートxゼログラヴィティ、車いすの方々と障がいを持つお子様への、イルカふれあいイベントを初めて実施。日本で最も「イルカにとっても人にとってもバリアフリー」が日常になる環境を目指す

(PR TIMES STORY) 2022年07月04日(月)16時24分配信 PR TIMES

長崎県壱岐島にあるイルカふれあい施設「壱岐イルカパーク&リゾート」と、鹿児島県奄美島で車いすの方が安心してマリンアクティビティができる施設「ゼログラヴィティ」は、昨年12月にSDGs実現を目指すパートナーシップを締結しました。誰もが当たり前に楽しめるイルカふれあいリゾートを目指す第一弾として、この度、「壱岐イルカパーク&リゾート」において、障がい者向け「イルカふれあいユニバーサルプログラム」の提供を開始します。


提供開始に伴い、2022年6月23日、車いすの方々と障がいを持つお子様をお招きし、初めて、障がいを持つ方々に対し、実際にイルカトレーナーがイルカふれあいプログラムを実施する、デモンストレーションイベントを開催しました。


今回、本プログラム提供開始までの背景や、デモンストレーションイベントの感想などについて、当事者の方々にインタビューを行いました。

インタビュイー

  • プロジェクト代表者
  • 壱岐イルカパーク&リゾート代表の高田佳岳氏
  • ゼログラヴィティ理事の河本雄太氏
  • デモンストレーション体験者
  • 車いすトラベラーの三代達也氏
  • 須磨ユニバーサルビーチプロジェクト理事長の木戸俊介氏
  • 発達性協調運動障害を持つ小学生の小松かりんちゃんと、お母様の小松さやか氏
  • 壱岐イルカパーク&リゾートのイルカトレーナー
  • リーダーの林菜穂子氏
  • 今回イベントにおいて主にふれあいプログラムの実施を担った上谷愛美氏


ー壱岐イルカパーク&リゾートにおいて、障がい者向け「イルカふれあいユニバーサルプログラム」の提供が実現するまでの背景や経緯を教えてください。(プロジェクト代表者)


高田氏:壱岐イルカパーク&リゾートは、2019年に行ったリニューアルから私が代表を務めていますが、これまで、障がい者の受け入れについては難しいと感じていました。なぜなら、施設を完全にバリアフリーにするには莫大な費用がかかるし、障がい者の方の受け入れの経験があるスタッフもいなかったからです。でも、障がい者施設の方が来て下さった時に、「私たちは、そんなに多くのことは求めていません。介助者などの付き添いもいるわけだし、自由に遊んで大丈夫ですよと言ってもらえたら、それでいいんです。特別な予約などをしなくても、いつ来ても自由な環境をもらえたら嬉しいんですよね。」と言ってくださったんです。それを聞いて、自分自身が心にバリアを張ってしまっていたんだなと気づきました。それから、なんとか障がい者の方に向けてプログラムを提供していますということを言えるようにしたいと思い、奄美島で車いすの方向けにマリンアクティビティ・スキューバダイビングのサービスを提供している河本さんに相談しました。



河本氏:高田さんから相談をもらって、去年の12月にゼログラヴィティのスタッフを連れて、壱岐イルカパーク&リゾートを訪問しました。イルカとの体験をどうしたらシェアできるのか、スタッフ同士で色々意見を出し合い、実際にイルカトレーナーのみなさんに車いすに乗ってもらったり、体が重くなるギブスをつけてみたりしました。そこで、僕たちもすごく勉強になったこともあります。僕たちは主に身体に障がいを持つ方にサービスを提供しているわけですけど、イルカのふれあいプログラムを提供するというのは、普段言葉が通じない、違う世界で生きているイルカたちと心を通わせてるイルカトレーナーたちが、一緒に誰かを喜ばせようとしてるってすごいことですよね。精神面で感じるものがすごく大きいなと思います。


その後、パートナーシップ締結をして、本格的に軌道に乗せようという話になりました。ゼログラヴィティが採択されている、日本財団が推進する「海と日本PROJECT」の補助事業である「バリアフリーレンジャー事業」を、壱岐イルカパーク&リゾートの補助にあてることにしました。これにより、今回、身体に障害を持つ方でも使いやすいシャワールームの新設と、チャック部分が多く誰にとっても着やすいユニバーサルウェットスーツ、体が不自由でも泳ぎやすくなる水中スクーターを寄贈しています。


ー「イルカふれあいユニバーサルプログラム」とは、具体的にどのようなプログラムですか?(プロジェクト代表者)


高田氏:「イルカふれあいユニバーサルプログラム」では、通常に提供しているプログラムと同じ金額、同じ時間帯で、いつ来ていただいても、健常者の方々と同じようなイルカとのふれあい体験を提供していきます。ただ、他の予約の混雑状況により当日受付だと提供が難しいプログラムが出てきてしまったり、事前にこちらが知っておくべきこと、またはお知らせしておくべきことがある可能性もあるので、事前予約やお問合せをしていただいた方がスムーズかなとは思います。大事にしたいことは、「来たい時に来ていただくこと」。そのために何がベストな形なのかを、スタッフがお客様と一緒に考える体制を作っていきたいと考えています。


一般的に、動物とのふれあいプログラムは、障がい者と健常者向けには違うプログラム内容で構成されることが多く、予約プロセスも複雑だったり、かなり前もって予約をしなければならないことが多いというのが現状です。そのような課題を踏まえ、障がいを持つ方も通常のプログラムと同じものをいつでも体験できるよう、受け入れ側も「特別なもの」とは捉えないプログラムの提供に向け、協力体制を築いてきました。


また、より自由に、できるだけ思う存分時間を使ってイルカとふれあってもらえたらなと思っています。僕たちのポリシーとして、「イルカファースト」という文化があります。イルカたちにとって最も幸せな環境をつくることを目指し、エサに頼らず、本来の信頼関係を築くことを目的とした飼育方針を実践しています。なので、時間を使うからと言って、イルカたちに無理強いをするということはしません。そのような自由な環境をお客様にも体感していただきたいです


特に、ドルフィンエンカウンターというイルカと一緒に泳ぐプログラムは、エサを用いない環境下で、お客様にも海で泳いでもらいます。イルカが寄ってきてくれるかどうかは、その日のイルカたちの気分次第(笑)。でも、そのありのままの自然なイルカたちとのコミュニケーションを楽しんでいただきたいんです。これは、現在、日本ではうちしかやっていないプログラムだと思います。



プログラム詳細URL:https://ikiparks.com/activity/dolphin-contact/ 

※プログラム内容は変更される場合があります。

ー初めて、障がい者の方に向けてイルカふれあいプログラムを提供した感想を教えてください。(イルカトレーナー)


上谷氏:今回、様々なイルカとのふれあいを体験していただくことに挑戦しました。事前に、ある程度起こりそうなことを予測しながら練習をしてきましたが、実際にやってみると難しかった部分も多々ありました。実際に体験していただき、生の声が聞けるのは本当に貴重だと感じています。改善点はありますが、楽しんでいただけたことは本当に良かったです。そして今回見えた改善点を見直し、今後は障がい者の方も安心して楽しんでいただけるプログラムを提供していきたいです。健常者はもちろん、どんな方にでも楽しんでいただける施設を目指していきます。


ーイルカふれあいプログラムを体験した感想を教えてください。(体験者)


三代氏:これまで、車いすトラベラーとして色々なところを旅し、マリンアクティビティの経験もありましたが、イルカとのふれあいは初めてでした。今まで、イルカは水族館の水槽の中でしか見ることのできない動物でしたので、友達のように泳げたということは、自分の人生の中でも大きな経験になったと思いますし、純粋に感動しました。また、イルカとのふれあいは、障がい者にとって思ったよりハードルが高くないと感じました。人によって障がいのレベルが違うので、イルカとのふれあいは、その人その人に合わせられると思います。例えば、車いすからでもイルカにタッチすることもできるし、もう少し挑戦できる場合は一緒に泳いでみようなど、オプションの幅が広いので、様々な方が楽しめます。さらに、この大絶景中にある自然の海の入江というシチュエーションで、今後受け入れる方々の幅を広げられれば、色々な人々の希望になると思います。今後も、体制や整備などを強化することで、さらに素晴らしい観光地になっていってほしいです。



木戸氏:私自身、車いすの方々が自然とのふれあいやアウトドアスポーツができる機会をつくるプロジェクトを推進していますが、今回、五感以上の場所で、脳や心への良い影響を与えられる可能性をすごく感じました。壱岐イルカパーク&リゾートが、できる限りイルカたちにとってストレスフリーな環境づくりを目指していること、イルカたちのことを最優先に考え、人とイルカが対等な立場であるという方針にも、とても共感しました。今後、障がい者当事者はもちろんのこと、周りのご家族とのふれあいなども考えていけると、さらに良いプログラムになっていくと思います。



小松氏(かりんちゃんお母様):もともと、本人が水がとても好きということと、イルカとふれあえるのは初めての体験だったので、とても良かったです。かりんは、発達性協調運動障害で、自分が思っているようになかなか体が動かせなかったりします。また、色々なところに注意がいってしまう傾向にあるので、今回、水が好きすぎて、夢中になってしまうことで危険なことはないかというのは少し心配でした。でも、たくさんの方のサポートがあり、委ねられる環境があるということは、同じようなお子さんを持つお母さんたちや、施設の先生たちなどにとっても、とても良い環境ですし、学べることが多いと思いました。


かりんちゃん:楽しかったです!


 ー今回のイベントを終えて、今後どのような壱岐イルカパーク&リゾートにしていきたいですか?(イルカトレーナーリーダー)


林氏:やってみたいと思ったことに、様々な理由で挑戦できない方々がいらっしゃると思います。そういう方々やその周りにいるご家族などを含め、どんな人が来ても、その夢を叶え、癒され、受け入れられる場所にしていきたいと思っています。イルカとのふれあいを体験いただくということは、人によっては一生に一度の体験になるとも言えるかもしれません。私たちは、イルカに対しても、常に「まずは肯定する」ということを大事にしています。そんなイルカトレーナーや、イルカたちとのコミュニケーションが、お越しいただいたお客様の素晴らしい思い出となり、その後生きていく糧の一部となれるような時間を、チームみんなで作り上げていきたいと考えています。目指すは、「イルカにとっても人にとってもバリアフリー」な環境です。


ー今後の壱岐イルカパーク&リゾートにおける「ユニバーサルデザイン」についての展望を教えてください。(プロジェクト代表者)


河本氏:私たちが行った、約500名の障がい者の方々に実施したアンケート調査では、73%が「障がい者が海で遊べると思わなかった」と回答。そのうちの35%が「海遊びをしたい」と答えました。そして、実際のマリンアクティビティの参加者においては、100%が「喜びを感じた」と回答しています。これには、まだまだ色々とできる余地が、かなりあると思っています。障がい者でも、当たり前に、日常的に海で遊べるんだということを、僕たちが発信していくことで、「遊べない」という固定概念を崩していく必要があると考えています。その活動の1つとして、今後も、壱岐イルカパーク&リゾートと共に、マリンアクティビティ、イルカアクティビティにおける「ユニバーサルデザイン」の確立を目指し、広めていきたいです。



高田氏:僕は、壱岐イルカパーク&リゾートで、イルカたちが本当に幸せに住める環境をつくり、イルカと人の関係性において、心も物理的な距離も最も近い場所にしていきたいんです。日本はまだですが、世界では野生のイルカの捕獲を禁止している国がほとんどです。壱岐イルカパーク&リゾートにおいても、今後捕獲されたイルカを購入することはしないというポリシーを持っています。でも、すでに捕獲され人に飼育されてしまったイルカたちは、野生の本能を失ってしまっているため、野生に戻すこともできません。なので、今、壱岐イルカパーク&リゾートにいるイルカたちを守り、共存していくことが僕たちにできることだと思っています。そして、イルカと人が一緒に生活をしながら、ファミリーとして築ける「幸せ」もあると考えています。


また、今後もゼログラヴィティと協力しながら、ハード面でもソフト面でもみんなが「ユニバーサルって当たり前だよね」って思える環境になるよう、引き続き整備をしていきます。それによって、世の中のふれあい施設の「ユニバーサル」に対するハードルを下げていくことができたらいいなと思います。


直近の目標としては、全部バリアフリーで、ドアや窓をあけたらイルカが見えるような、どんな人にとっても楽しめるリゾート宿泊施設を作っていけたら最高だなと思っています。
















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