プレスリリース
「小田急だからこそ、生涯のお付き合い」新たなビジョンを体現するコーポレートサイトリニューアルの裏側 #プロジェクトの裏側 #街づくり
左:片桐佳実 右:菊地友佳
小田急不動産では、2024年3月29日(金)にコーポレートサイトのリニューアルと共に、お客さまに向けた住まいとくらしの総合サービスサイト「小田急あなた線 Platform Site」を開設しました。
https://anataline.odakyu-life.jp/
5月27日(月)より小田急線内の車内TV(OTV)や各所のサイネージにて、本サイトへの想いを乗せた動画も放映します。
https://anataline.odakyu-life.jp/concept/movie/
このサイトでは、小田急不動産が運営し、小田急不動産およびグループ会社である小田急ハウジングの住まいや暮らしに関する情報のほか、暮らしのコラムやイベント情報等を提供します。
従前のコーポレートサイトでは、会社情報とお客さま向けサービス情報が混在しており、お客さまが「欲しい情報」をキャッチするまでに時間を要してしまうデメリットがありました。そのため、お客さまサービス情報に特化した本サイトでは、お客さまのより手軽により気軽にワンストップで情報を入手したい等のニーズに応じたコンテンツの設置や動線確保を行い、利便性の向上を図りました。さらに、当社の経営理念である「顧客感動」へ繋げるため、お客さまのライフステージと関わりの深い住まいを起点とした、日々のくらしに寄り添うサービスと幅広いニーズに応える情報を提供しています。
今回のストーリーでは、「小田急あなた線 Platform Site」の開設に至るまでの裏側を担当者の想いとともにご紹介します。
経営企画部 顧客リレーショングループリーダー
菊地 友佳(きくち ゆか)
2002年入社。総務部門を経て、成約者さまの会員組織やWEBサイト運営などを経験。顧客との関係構築を目指す店舗の企画・運営に従事したのち、コミュニティ施設の立上げ・運営に関わる。実家も自身も小田急で住まいを購入し、沿線に住み、地域活動に参加するなど、小田急・地域への愛着が強い。
経営企画部 顧客リレーショングループサブリーダー
片桐 佳実(かたぎり よしみ)
2006年入社。住宅事業本部にて、販売営業・商品企画・検討顧客の会員組織運営やWEBサイト運営などを経験したのち、現部署にて事業部での経験を活かした成約者さまの会員組織運営やWEBサイト運営に従事。小さな頃から小田急沿線ユーザーであり、穏やかで自然豊かな小田急沿線のファンでもある。
60周年を迎える小田急不動産。
この先に向けたミッションの見直しが契機に。
私たち小田急不動産は、1964年創業の小田急グループの不動産領域を担う総合不動産会社で、小田急沿線だけでなく、一都三県を中心としたエリアで不動産分譲業、賃貸業、仲介業、投資開発業、買取再販業を展開しています。また、当社は今年で創業から60周年を迎えます。人の人生でいうと「還暦」にあたる節目の年。リスタートとも言える重要なタイミングと認識しています。
このようなタイミングを見据え、2020年度に、業界における競争力を高めるため、時流に乗ったビジネスを次々に展開できる企業体質を目指し、新規事業創出に向けた企業風土改革「事業創出プロジェクト」をスタートさせました。さらなる成長のため、10年後にどのような会社を目指したいのか、そのためにはどのような組織風土を目指すのか、部署・役職・年次の異なる従業員を巻き込んで議論を重ねました。その過程で、プロジェクト開始から1年後の2021年4月に創業以来の経営理念である「顧客満足」を改め、真の顧客志向を目指し、「顧客満足」の一歩先である「顧客感動」をミッションとすることをボトムアップで実現。各部門のリソース(事業メニュー・顧客情報等)を横断的に活用するために部門間連携やデジタル推進を強化して、「顧客感動」を生み出し、お客さまの人生に寄り添い暮らしを豊かにすることを目標に掲げました。
「顧客感動を実現するためには具体的に何をしたら良いのか」という議論を進める中で、顧客を深く理解し、顧客体験価値の向上を図り、小田急ファンが醸成されていくことを目指す必要があるという結論に至りました。
顧客体験価値とは、商品やサービスの機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、購入するまでの過程・使用する過程・購入後のフォローアップなどの各過程におけるすべての体験で「感情的な価値」の訴求を重視するものです。
菊地「新規で多くのお客さまを獲得していくことは企業活動において、もちろん重要視されますが、具体策を練る議論の中では、小田急沿線がメインの事業基盤である当社において、既契約者さまや今後お取り引きいただけるお客さま1人1人の人生に永く寄り添いたい、『小田急だからこそ、生涯のお付き合いを』とお客さまに思っていただける体験価値を提供していきたいという意見が多く出ました。」
議論中の様子。部門横断で活発に意見交換しました。
ミッション実現のため、今まで根付いた考えの変革に向き合うことに。
真の顧客志向を体現する形の模索。
顧客体験価値を向上させるためには、お客さまと当社との1つ1つの接点を連続してフォローすること、かつ、接点ごとに異なり、変化するさまざまなニーズに対し、部門横断的にフォローできる体制を整備することが求められます。
しかし、各部門の利害や業務フローが異なる中、体制整備には基盤を構築するだけでなく、社内全体にビジョンや仕組みを浸透させる必要がありました。
例えば、新築分譲住宅を購入いただいたお客さまが、10年後に別の住まいへの住み替えを考え、当社仲介店舗へご相談された際、これまでの取引履歴やセミナー等の参加履歴を社内で確認・共有できていなかったために、ご提案時には「購入当時の情報やお客さまの興味・関心を再びヒアリングしなければいけない」といった事象が起きていました。お客さまは「小田急不動産」という会社に相談しているにも関わらず、新築分譲住宅を担当する部門と、住み替えのご相談を受けた不動産仲介を担当する部門が異なるために、情報連携が行き届かず、お客さまにとっては別会社に依頼をしているかのような体験を強いてしまっていました。
部門ごとに目の前にいらっしゃるお客さまのご要望やお悩みに精一杯にお応えするだけでは、顧客感動には至らず、結果として顧客体験価値の向上が図られていない状態でした。それを改めるため、「お客さまにとって、住まいやくらしの生涯パートナーになろう!」というスローガンを掲げ、「顧客感動」という経営理念ができてから3か月後の2021年7月、顧客理解や顧客本位の業務運営を整備するプロジェクトが立ち上がりました。
このプロジェクトでは、お客さまには『「小田急だからこそ、生涯のお付き合いをしたい」と思っていただきたい』という想いのもと、企業目線・部門最適ではなく、顧客志向で思考・検討することを第一優先としました。
ビジョンを実現するための考え方を上記のように整理しました。
プロジェクトチームは顧客リレーショングループ所属のメンバーを中心に、小田急不動産・小田急ハウジングの各所属から招集し、約20名で組成されました。プロジェクトでは、生涯のお付き合いをサポートするための施策や仕組みを議論し、デジタル(システム)とアナログ(リアルでの接客)の両面からお客さまとの接点創出・継続的な関係構築を行う体制(これを当社では「デジログ」と呼んでいます)を整える方針を決定。プロジェクト立ち上げから1年9か月後、2023年3月にようやくデジタル領域を支えるお客さま情報の横断的な管理基盤を整備したことにより、「お客さまにとって生涯のパートナー」となる道筋はついてきました。
同時に進んでいたコーポレートサイトのリニューアル。
サイト分析データと実際に届いた声を元に、苦渋の決断をしてでも「顧客感動」を目指した裏側。
ここでひとまず、タイトルにもあるようにコーポレートサイトのお話に移ります。
前述したプロジェクトの一方で、コーポレートサイトは前回のリニューアルから8年が経過し、陳腐化の懸念から、同時進行で刷新する検討を進めていました。
サイトリニューアルも菊地と片桐が所属する顧客リレーショングループの業務であり、2022年秋にキックオフし、2023年5月には骨子を固め、制作会社の選定なども進んでいました。
コーポレートサイトに訪問するお客さまニーズの変化に応じたコンテンツ設置や動線確保を目指すため、まずは従来のコーポレートサイトの分析を行い、ターゲットを明確にすることになりました。
サイト分析においてアクセスされる時間帯と曜日を確認したところ、以下の事実が判明しました。
@サイトアクセス時間帯:上位から10位以内がすべていわゆるビジネスタイム(9時〜18時)で占めており、割合は全体の60%超であること。
Aサイトアクセス曜日:土日祝日はやや減少傾向であること。
従来サイトはビジネスユーザー(BtoB)、消費者ユーザー(BtoC)に向けたコンテンツが混在する構成になっていましたが、分析の結果、サイトへ訪問する時間帯・曜日、さらに閲覧ページの上位を事業紹介ページが占めている結果から、当社のコーポレートサイトはBtoBユーザーがメインであることが判明しました。また、社内ヒアリングを行ったところ、取引先からコーポレートサイトを見て「決算などの企業情報がどこにあるのか分かりづらかった」等の声をいただいたことや取引先との接客時に事業説明に活用したいとの意見をもらいました。
一方で、小田急不動産としての横断的な情報・サービスを得るために訪れる消費者ユーザーも一定数いるため、これらの状況から、異なる属性のユーザーが迷わず求めるコンテンツにたどり着ける動線設計・デザインを重視し、BtoB向けの「新コーポレートサイト」とBtoC向けの「サービスサイト」に分けた構造でサイト制作を行うことにしました。
特に、消費者ユーザーであるお客さま向け「サービスサイト」を「新コーポレートサイト」から独立したサイトとして作成するにあたり、当初は住まいの総合相談窓口店舗や成約者さま向けサービスを紹介する構成を考えていましたが、あり方・目的を深掘りし、サイトの詳細設計を進めていくと、このサイトのコンセプト自体が経営理念である「顧客感動」を目指すためのビジョン「小田急だからこそ、生涯のお付き合い」を体現するものであるべきであるとの想いに変わっていきました。
片桐「サイト制作が進捗していた中、振り出しに戻るような苦渋の決断でしたが、関係者メンバー全員が、このビジョンを形にしたいという想いはゆるぎない!と一致団結し、キックオフから約1年が経過していましたが、サービスサイトのコンセプトメイクを2023年9月から着手し直すことにしました。
時間、予算もかなりタイトになる中、社内メンバーを集めてのワークショップの実施やコンセプトワーディング・動画制作と、想いの体現に向けて方向性を定めていきました。」
コンセプトワーディングの様子。
コンセプトの方向転換から約半年後、何とか2024年3月末にBtoB向け「新コーポレートサイト」およびBtoC向け「サ―ビスサイト」の公開を迎え、ユーザーの関心に合わせた適切なサイト構築が完了しました。これによりサイトオープン後に、取引先やお客さまからも「サービスの内容がわかりやすくなった」、「親しみが持てるサイトになった」との声を多くいただいています。
お客さまの人生の節目に、頼りになる企業を目指して
部門横断でお客さまをフォローするための基盤整備も、今回のサービスサイトのリニューアルも、私たちはこれだけではお客さまから「小田急だからこそ、生涯のお付き合い」をしたいと思っていただけるとは考えていません。私たちの「顧客感動」実現への想いはこの先も続いていきます。
菊地「今後は社内外に向けてこのメッセージを理解・浸透させていくステージに入ります。当社は今年創業60周年の節目の年となります。あらためてお客さまと真摯に向き合い、引き続き、全社一丸となってさまざまな施策を展開し、実現の強度を高めていきたいと考えています。」
片桐「小田急沿線を主軸とする当社だからこそ、お客さまの日常に寄り添い、ライフステージが変化する度に頼りにして頂ける企業でありたいと思っています。そのためには全社員が経営理念・ビジョンを基に、顧客志向を貫いていきたいです。
さらに、今回のサービスサイトを基盤にさまざまなデジタル施策を掛け合わせ、One to Oneコミュニケーションを丁寧に図っていきたいと思っています。」