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キユーピー株式会社

ドレッシングボトルの「再生プラスチック100%化」でキユーピーが目指す、生活者に寄り添った「未来の仕組み」

(PR TIMES STORY) 2023年07月18日(火)09時39分配信 PR TIMES

食品容器として用いられるプラスチックは、軽くて扱いやすく、割れにくいなど、他の容器に比べて利点がある一方で、生態系や環境への負荷が懸念されています。食品業界としてさまざまな取り組みが進んでいますが、技術面や品質面、コスト面など、依然として多くの課題も存在しています。

キユーピーグループは、プラスチックの削減・再利用の取り組みとして、キユーピー「テイスティドレッシング」シリーズと機能性表示食品ドレッシング(アマニ油ドレッシング、フィッテドレッシング)のボトルを8月上旬の出荷から順次、再生プラスチック100%〔※1〕に切り替えます。


(左から:加藤豊美、松岡祥郎、木川敦史、田頭祐介)


その背景には、キユーピーが長年徹底してきた「品質第一主義」と、生活者の利便性と環境負荷低減につながる持続可能な「未来の仕組み」構築への思いがありました。キユーピーグループが掲げるサステナビリティ目標では、2030年度にプラスチック排出量削減率30%以上(2018年度比)の達成を目指しています。その実現に向け、各領域で尽力している担当者たちに、再生プラスチック100%化までの道のりと未来への取り組みについて聞きました。


※1 このSTORY内の「再生プラスチック」とは、主に清涼飲料用のPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルを回収し再資源化したものです。今回の切り替えでは、ドレッシングボトルのみ「再生プラスチック」を100%使用します(キャップ、中栓、ラベルフィルムを除く)。




PETボトルって何?(PETボトルリサイクル推進協議会サイトより)

https://www.petbottle-rec.gr.jp/basic/what.html

「国内調味料ボトル初〔※2〕の再生プラスチック100%化」が意味するもの

※2 キユーピー調べ


「前提として、プラスチックは『悪』ではない、素晴らしい素材だと考えています。」と、経営推進本部 サステナビリティ推進部で社会・環境問題についてのプロジェクトを推進する田頭祐介(以下、田頭)は言います。


「プラスチックの食品容器は、食品をおいしいままお届けするためにさまざまな機能性を備えています。しかし同時に、環境への負荷が懸念されている現状があることも確かです。環境に配慮しながらいかに変わらぬ品質をお届けできるか。私たちはそんな課題の解決に向けて日々奮闘しています。」(田頭)



成形のしやすさや酸化を防ぐ酸素バリア性などの機能から、数多くの食品容器に使用されているプラスチック。同時に指摘される環境への負荷に対して、飲料業界では再生プラスチックを100%使用したボトルの利用やリサイクルの仕組みの構築、さらにこれらに対する生活者の認知・行動が進んでいます。


しかし、食品業界と飲料業界を取り巻く環境には大きな違いがあります。研究開発本部で容器・包装の開発を担当している木川敦史(以下、木川)は、ドレッシングボトルを再生プラスチック100%に変更する際の課題として『衛生・機能・外観』の3つがあると説明します。



「食品のボトルとしての『機能』を維持するために、例えば、加熱充填に耐える強度の調整をしました。そのため、ボトル自体が硬く、やや色がくすみます。そこで再生プラスチックを100%使用したボトルの『外観』について受容性を社内で検証したところ、受け入れられることが分かりました。一番難しかったのは『衛生』の担保です。ドレッシングは飲料に比べて食用油や食酢(酸性食品)など原材料の種類が複雑なため、関係各所と擦り合わせながら安全・安心と言えるボトルを作り上げていく必要がありました。」(木川)



研究レポート:「調味料・食油用リサイクルペットボトルの活用に向けた安全性の確認」

https://www.kewpie.com/rd/innovation-story/2023_03/

前例のない「調味料ボトルの再生プラスチック100%化」への課題と苦労、可能にしたキユーピーの「ものづくり」の原点


さまざまな課題を乗り越え実現した、キユーピー「テイスティドレッシング」シリーズと機能性表示食品ドレッシングの再生プラスチック100%化は、国内の調味料ボトルでは初の取り組みとなります。


【プレスリリース】

国内調味料初、100%再生PET樹脂ボトルをキユーピー テイスティドレッシングと

機能性表示食品ドレッシングの全品に採用。おいしさと持続可能な社会の両立へ

2023年8月上旬から順次出荷予定

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000422.000044559.html


「2021年6月〔※3〕から、再生プラスチックを約30%含んだボトルを採用した商品の販売を始めました。そこに至るまでも、再生プラスチックの使用に関する指針(ガイドライン)〔※4〕を確認しながら、主に安全性の検証に2〜3年の研究開発期間を費やしてきま した。さらに再生プラスチック100%化を実現するにはさらなる検証が必要でした。」 と、生産本部 原資材調達部で資材の持続的な調達や改善に取り組む松岡祥郎(以下、松岡)は言います。



※3 キユーピーアヲハタニュースリリース2021 No.56

https://www.kewpie.com/newsrelease/2021/2181/

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※4 食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用に関する指針(ガイドライン)について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/pura.pdf


再生プラスチックを約30%含んだボトルを採用した商品の発売以降、ボトルの安全性などの分析を継続してきました。その積み重ねの結果が、今回の100%化につながっています。

その背景には、キユーピーがかねてから大切にしている「ものづくり」への思いが土壌にあると木川は実感しています。


キユーピーの考え方として『品質第一主義』があります。皆さまにおいしさをお届けする上で、品質を最優先に、安全・安心なものづくりを行うというものです。加えて、おいしさとともに、ユーザビリティ(利便性)を大切にしたものづくりを行うための『ユニバーサルデザイン原則』というものがあります。これには一般的な7項目に加えて、キユーピーでは『人体に危害を加えない』『環境に配慮している』『利便性に優れている』という3項目を追加しています。これはサステナビリティ目標を設定する20年以上前からあるもので、こうした長年の意識が現在の取り組みにつながっていると感じています。」(木川)


キユーピーのユニバーサルデザイン原則

https://www.kewpie.com/sustainability/dietary-lifestyle/universal/


環境配慮への取り組みが決して企業本位にならず、生活者のメリットにもつながることを意識したものづくりに取り組む中で、木川が目指していることがあります。


新たな容器の開発を通して、生活者の行動変容を起こすことを目指しています。例えば、ドレッシングボトルであれば、サラダへのかけやすさはもちろん、開栓のしやすさなど、日々の生活では使いやすさが重視されることが多くあります。これからは、使いやすさとともに、もっと使用後の『捨てやすさ』にこだわっていく必要があると感じています。捨てやすくすることで、しっかり分別するなど、環境に配慮した行動につながると考えています。」(木川)

生活者の環境への関心の高まりに応え「選択肢」を増やすための取り組み

商品を手に取る生活者の意識も変化していて、今回の調味料ボトルの再生プラスチック100%化はそうしたニーズに応える取り組みだと考えています。」と、田頭と同じサステナビリティ推進部で社会・環境課題に取り組む加藤豊美(以下、加藤)は今回の取り組みをそう表現します。


生活者が食品を選ぶ基準には、味や値段、デザイン、イメージの良さなど、さまざまな要素があります。近年レジ袋の有料化、紙製ストローの普及など、日々の生活の中で変化を感じる機会が多くなってきた中、環境への配慮が見られる商品やブランドを意識的に選ぶという価値観を持つ方が増えてきました。そうしたニーズやマインドの高まりに対して、商品にどう組み込み、応えていくのかを考える必要があると、加藤は言います。


「ドレッシングは調味料の中でも冷蔵庫の常備本数が多く、生活に密着したものです。今回の再生プラスチック100%化が『エシカル消費』を意識するきっかけになればうれしいです。『選択肢』を広げることや購入・利用することでの『体験』を提供することが生活者に向けたこの取り組みの価値だと考えています。」(加藤)


新たな循環を作るためにキユーピーが考える「未来の仕組み」〜サーキュラーエコノミー(循環型社会)〜

「2030年度にプラスチック排出量削減率30%以上(2018年度比)」の達成に向け、今回のドレッシングボトルでの再生プラスチック100%化を足掛かりに、今後ほかの商品でも展開していく予定です。ただ商品を作るだけでなく、将来的にはキユーピーが「循環の仕組み」を主導して作ることを目指しています。


「現在は、主に飲料業界で利用したプラスチックをそれ以外の業界も利用し始めている状況ですが、それではいつか資源が枯渇してしまいます。素晴らしい素材であるプラスチックを使い続けるために、食品業界でも『循環型社会』の仕組みづくりにもっとチャレンジしていきたいと考えています。」(田頭)



目指すのは現在の飲料業界のボトルのように回収から再生までの循環を作り出すこと。ドレッシングボトルの再生については、家庭で消費したものをどう回収するのか、法的な問題をどうクリアするのか、という課題があります。簡単な道のりではありませんが、業界全体として問題意識を共有しながら進めていきたいと、田頭は言います。


「回収することを考えると、生活者の意識の変容も重要な要素になってきますが、それは一社でできることではなく、サプライチェーン全体で協働しながらで進めていく必要があると感じています。しかしまずは何よりメーカーである私たちが、それに取り組む姿勢を見せることが重要だと考えています。」(田頭)


それを体現するものとして、キユーピーグループ施設内(渋谷本社、仙川キユーポート)で回収した飲料ボトルをドレッシングボトルに再資源化する取り組みを2022年12月に始めました。さらに2023年6月からは、使用済みドレッシングボトルの回収も始まりました。



この取り組みは、もちろん将来的に展開していきたい『ドレッシングボトル to ドレッシングボトル』のスモールスタート。実証・検証という意味合いもありますが、社内浸透、マインド醸成という狙いもあります。今後、ドレッシングボトルの再資源化を見据えて、意義深い取り組みになっていると感じています。」(田頭)

これからも生活者に変わらぬおいしさと価値をお届けしていくために

それぞれの担当者が繰り返し語る通り、調味料ボトルでは国内初の再生プラスチック100%化は循環型社会実現のまだ「入口」に過ぎません。

今後も再生プラスチック100%化を推進するとともに、回収、リサイクルするスキームの構築に取り組んでいきます。


「ドレッシングは皆さんに長年多くの方から支持されている商品で、私も大好きです。今回の再生プラスチック100%化を通して商品に新たな価値を加えて、今まで食べたことのない方にも手に取っていただけるとうれしいですね。」(松岡)


私たちは原材料をはじめとした豊かな自然の恵みのもとに商品を生み出している会社です。だからこそ、企業の責任として環境とどう向き合っていくかが非常に重要です。社会・環境課題と向き合い解決していくことで、未来に向けてより良い地球環境を残し、持続可能な成長を目指していきたいと考えています。」(加藤)



これからもキユーピーグループは、変わらぬおいしさと価値をお届けするために、原点である「ものづくり」への真摯な姿勢で持続可能な未来を目指していきます。


内容、所属、役職等は公開時のものです。



https://www.kewpie.co.jp/sustainability-topics/


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