プレスリリース
2022年9月、仔牛の生育から流通に至るまで、20ヶ月にわたる一連のプロセスを消費者と共有することで、次世代の畜産流通と収益モデルの実現を目指した「見届ける畜産 × 食育プロジェクト」“KYUKON WAGYU“を立ち上げ、本格始動いたしました。
KYUKON WAGYU プロジェクト 概要はこちら▼
▲山瀬牧場 山瀬建策氏 肉師として、お店やイベントのプロデュースを行っている。
「担い手不足」「顔が見えない畜産流通」畜産農家の苦悩
プロジェクト発起人の肉師こと山瀬健策は、熊本県菊池市にある黒毛和牛の肥育農家※に生まれ、幼少の頃から当たり前の様に牛に囲まれ生活してきました。黒毛和牛は、特有の霜降りのとろける様な舌触りと香りなど、 世界に誇るべき完成された芸術品とも言える逸品だと思っています。しかしながら、黒毛和牛の仔牛を購入し、出荷できる状態まで育てあげるまで約20ヶ月もの時間がかかるなど、金銭的な負担が多いという理由から事業の継続を諦めたり、さらには昨今の飼料代の高騰だけでなく、地方の人口減少問題、少子高齢化問題、晩婚化・未婚化による後継者不足問題も重なり、肥育農家は年々減少傾向にあります。
また、育ててきた家畜たちは既存流通を通して消費者のもとに届くため、消費者はそれを誰が育てたか、どんな環境で何を食べて育ったのかなどの情報を知ることが困難です。また、肥育農家にとっても、自分たちが20ヶ月かけて大切に育ててきた家畜を、誰がどのように消費したかなど知ることはできないのが現状です。
そこで、世界に誇るべき黒毛和牛を未来につないでいくために、また明るい「食」の未来をつくるために、「次世代の畜産流通と収益モデル」を確立すべく、今回のプロジェクトを立ち上げました。
※肉用牛の経営に携わる農家は、繁殖用の母牛を飼育し、子牛を産ませ、子牛を生後8〜10カ月まで育てて家畜市場に出荷する「繁殖農家」と、家畜市場で子牛を購入し、20カ月程度肥育して食肉処理施設に出荷する「肥育農家」の2つの形態に分かれます。
生産者と消費者の苦悩を解消する、次世代型の「見届ける畜産 × 食育プロジェクト」
本プロジェクト“KYUKON WAGYU“では、山瀬がこだわりの肥育方法を取り入れ、仔牛の生育から流通に至るまでの、20ヶ月にわたる一連のプロセスを消費者と共有することで、生産者と消費者がパートナーとなり、「次世代の畜産流通と収益モデル」の実現にチャレンジしています。
生産者と消費者が直接コミュニケーションを取れる環境を作ることで、一人でも多くの消費者に生産者の実態をリアルタイムに知っていただき、関係人口を増やし、畜産農業への興味を持っていただくこと、そして仔牛の生育から流通に至るまでのプロセスを届けて消費者に安心していただくこと、同時に生産者にも、消費者の声がダイレクトに届くことで笑顔が見られることを期待しています。
また、今回のプロジェクトを皮切りに循環型モデルを継続させていき、牛を増やしたり豚でも実施していくことを目指します。プロジェクトのさらなる拡大で畜産業界の課題を解決し、新たな選択肢として社会への貢献ができるのではないかと私たちは考えています。
”みんなで作り上げる”コミュニティ内の様子
今回プロジェクトを共同で実施しているFiNANCiEのファンドは、2ヶ月月足らずで目標の金額であった200万円を達成し、今では目標の倍以上の支援が集まっています。
コミュニティでは、山瀬や運営などの他にも食・SDGs・地方創生などを通じて集まった約300人のコミュニティーメンバーが自由に情報交換し親密に交流しており、毎日盛り上がっています。
さらには、一大イベントとしてメンバー投票にて、競りで購入された仔牛の名前決めも実施します。牛の名前の付け方は男女で異なり、男の子だと漢字、女の子はひらがな、どちらも8文字以内といった規則があります。今回は女の子なので、ひらがなの名前案を募集し、話し合いや投票で決めていきます。その後、名前は4カ月かけて申請が終わり、血統書に反映されます。
プロジェクトの核「黒毛和牛の一頭買い」 競りへの参加
プロジェクトの核となる取り組みとして、2023年2月9日に、「黒毛和牛の一頭買い」を行いました。
また、コミュニティには、競りに参加した肉師山瀬に一日密着した様子や山瀬牧場を紹介した映像を公開いたしました。(今回は特別にストーリー配信を機に一般公開をしております。)
肉師山瀬健策による仔牛の競り密着映像▼
競り当日は、早朝から山瀬自ら仔牛を直接見に行き、血統だけでなく背中から腰にかけてのラインや肩の張り、毛のツヤを確認。体質、体格、霜降り具合といった国の基準に合わせて仔牛を選び、無事に狙い通り268sの仔牛を競り落としました。
山瀬は、
「緊張もありますがこれから20ヶ月牛の様子をお届けできるのが楽しみです。」
「食べることも楽しみにしながら見届けて頂きたいです。」
と、これからの20ヶ月を意気込んでいます。
また、今回競り落とした仔牛については、
「リラックスしてストレスなく生活するように環境を整えています。」
「この子には特別に散歩もさせ、これから放牧場も作ります。」
と、格付け(ランク)だけではなくアニマルウェルフェア※を意識しながら赤身本来のおいしさを引き出すための計画についても語っています。
※アニマルウェルフェア:「動物は生まれてから死ぬまでその動物本来の行動をとることができ、幸せでなければならない」とし、家畜のストレスが少なく、行動要求が満たされた健康的な生活ができる飼育方法を目指す畜産の在り方
「見届ける畜産 × 食育プロジェクト」今後の取り組み
今後の取り組みとしては、仔牛や牧場の情報共有に加え、コミュニティーメンバー投票による競りで購入された仔牛の名前決めや、メンバー同士のオフライン交流、山瀬牧場のある熊本県での見学ツアー、本プロジェクトで競り落とされた牛に会う会などを実施します。
「見届ける畜産 × 食育プロジェクト」の実現に向け、いつもなんとなく口にしているお肉が一体誰がどんな環境の中でどのように育てられているのかを自らの目で見て体験する機会を積極的に設け、畜産農家の苦悩や環境問題に対して一人ひとりが今できることを考えながら、コミュニティ全体で20ヶ月の牛の成長を見届けていきたいと考えています。
コミュニティを支援してくださるメンバーも募集中
ファンディングページURL: https://financie.jp/users/KyukonWagyu
※事前にアプリのダウンロードをお願いします。
※集まった支援金はプロジェクトの運営資金に利用させていただきます。
企業情報
会社名 : TOYO JAPAN株式会社 ( http://toyojapan.biz/ )
住所 : 東京都千代田区有楽町1−1−2 東京ミッドタウン日比谷3階
代表取締役 : 阿部 洋介
事業内容 : 国内外レストラン運営、海外企業日本進出支援、料理人教育及び輩出、飲食店独立支援