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試行錯誤の約10年。一人で「おしりの幸せ」を開発するまでの物語

(PR TIMES STORY) 2022年11月15日(火)19時10分配信 PR TIMES

二十三夜 代表 川畑貴子


ご高齢やご病気、太ることができない体質、お尻の筋肉や脂肪が少ない体型の方のなかには、硬い椅子に座るとお尻が痛いという悩みを抱える方がいます。


そのため外出を避けるようになったり、外出先の硬い椅子に我慢して座るなど、生活の質を落としていることもあります。


外出先の硬い椅子を考えると外出をためらいがち。



出先の硬い椅子に我慢して座り、仕事やプライベートの質が落ちることも。



そんな方の悩みを軽減するため、二十三夜はパッド入りスパッツ「おしりの幸せ」を開発しました。



競合といえる商品もなく、パッドに適した素材選びから衣類としての機能性の追求まで、手探りで進めた商品開発に要した期間は約10年。


今回は二十三夜の代表・川畑貴子(かわばた・たかこ)さんに、「おしりの幸せ」が生まれたきっかけから商品化に至るまでの取り組み、そして今後の展開などを伺いました。



リアルな悩みの声を聞いて。自ら商品を作ろうと決意

――「おしりの幸せ」誕生のきっかけを教えてください。


川畑:経営しているエステサロンのお客様に料亭の女将さんがいらっしゃったのですが、座骨が出っ張っているお尻なので、正座をする際、座骨にかかとが当たってとても痛いという悩みを聞きました。着物で正座なので、座布団に座れないんですよね。


そのときは「そんな悩みがあるんだ」と軽く思った程度だったのですが、その後も何人かのお客様から「座るとお尻の骨が痛い」いう話を聞き、「他にも同じ悩みを抱えている方がいるのかもしれない」と思いました。


役立つものがあるならと、悩みに対応できそうな商品を探して取り寄せてみました。しかし、自分で使ってみたときに「これではうちのお客様は喜ばないかもしれない」と直感的に思いました。


座ったときのお尻の痛みに対応した商品がないなら、自分で作ってみよう。そう思って作り始めたのが「おしりの幸せ」誕生のきっかけです。




――開発するにあたって、商品としてどんな点が重要だと思ったのでしょうか。



川畑:お尻には座骨という骨があるのですが、ほとんどのお客様は座った時この座骨がすごく痛いとおっしゃっていました。


私が実際に試してみたもののなかで、座骨を保護するようにパッドが入っているショーツ型の製品もありましたが、そのパッドが非常に小さい。ですので、体勢や体型によってはパッドがうまく座骨に当たらなかったりするわけです。また、パッド自体が硬く座骨の痛みが減りにくいと思いました。

ですから、どのような方が使用しても、パッドがきちんと座骨に当たること。弾力性が優れ痛みを軽減できること、この二つが非常に重要だなと感じました。


本当に困っている十人から「これ良い!」と喜ばれる商品を作りたい

――商品化まで約10年かかっているそうですが、まず何から取り組んだのでしょうか。


川畑:スパッツの中に入れるパッドの素材選びから始めました。最初に実験してみて良かったのが不織布です。通気性に優れていて、洗濯後の状態も良いですし、歩きやすさも確保できる。

 これで決まりだと思い、第二弾の試作をパッドメーカーに依頼しました。ところが、試作品を見てみたら初回試作品と比べて弾力が少なかったんです。


――同じ不織布でも弾力が違うということですか。


川畑:はい。同じ型番の不織布でオーダーをしましたが、触ってみると明らかに弾力が違う。不織布メーカーさんに確認したところ、不織布は弾力を発揮する素材ではないので弾力の差が出ても問題にはならないという回答でした。そこで素材選びが間違っていたことに気付きました。


採用できなかった不織布製のパッド



そして出会ったのが、現在の「おしりの幸せ」にも採用しているポリウレタン素材です。一口にポリウレタンと言っても膨大な種類があります。3040種類ほど取り寄せて、一個一個試作品を作り、通気性、弾力、重さを確認する作業を繰り返し、やっと「おしりの幸せ」に適している素材を見つけました。




――素材選びの次に取り掛かったのはなんですか。


川畑:ポリウレタンをどんな形にするのかを考えなくてはなりませんでした。作り方が無限にあるなかで、良いかもと思うものを作っては履き、作っては履きをずっと繰り返しました。


一番時間が掛かったのは、

【硬い椅子に座ってもお尻はフンワリと気持ち良い】そして【自然なお尻の形に近づける】この二つを兼ね備えるパッドを作ることでした。


座った時のお尻の気持ち良さだけを考えるとパッドは厚くなり、不自然に大きいお尻になってしまいます。

逆に、お尻の形を大きくしないようにすると、パッドは薄くなり、硬い椅子に座った時のお尻の痛みが軽減できません。

「ちょうど良い感じ」を探すのに苦心しました。


100個ほど作成した試作品を10個まで絞り込み、最終的には、モニターさん方に選んで頂き販売用のパッドを決めました。何せ、世の中には私が目指す商品の参考となるものがなかったため、とにかく試作を繰り返しました。だからこそ10年もの時間がかかってしまったのかもしれません。


完成した「おしりの幸せ」 スパッツとパッドがセット  色:グレー




ズボンの下に『おしりの幸せ』を

左:履いていない  右:履いている



ズボンの下に『おしりの幸せ』を 

左:履いていない  右:履いている



――さまざまな苦労があったと思いますが、なぜ10年間も開発し続けられたのでしょうか。


川畑:途方に暮れた瞬間は何度かありました。でも諦める気にはなれませんでした。開発中「おしりの幸せ」の存在を知って下さった70代女性が言って下さったことが、この商品を世に出そうと思う私の原動力になっています。


その言葉とは、

「手術をしました。今は自宅で療養しています。とても痩せました。体力を付けるために散歩に行っていました。でも体力がないのですぐ座ります。ベンチに座るとお尻がとても痛くて冷たいです。それを思うと散歩に出られなくなりました。「おしりの幸せ」があれば外に出る気持ちになると思います。試作品でも良いので、買わせて下さい」


お困りの方に私の商品が役に立つなら、なんとしても世に出そうと思いました。


また、開発当初から思っているのですが、1000人にまあまあだねと言ってもらえる商品ではなく、本当に困っている10人から「これ良い!」と喜ばれる商品を作りたいです。


素材選びや工場とのやりとりがうまくいかなかったときはもちろん辛かったですし、もう駄目かもと感じたこともありました。でも役に立ちたい想いが強かったからこそ商品化まで続けられたんだと思います。



海外展開も視野に。本当に困っている方に届く商品を

――「おしりの幸せ」は試着できるのでしょうか?


川畑:試着には二通りの方法があります。ひとつは東京都江戸川区に試着ルームを設けていて、そちらでの試着は無料です。


もうひとつは郵送での試着サービスです。有料にはなりますが、ご希望サイズ二種類のスパッツ合計2枚とパッド一枚を郵送し、八日目までに返却いただくシステムになっています。



――試着サービスを用意されているのには理由があるのでしょうか。


川畑:「おしりの幸せ」は、下着のなかでは決して安価な商品ではないんですね。衛生用品なのでご購入後は返品ができません。ですので、ご購入前にじっくりと体感され、本当に良いと思って購入していただきたいという想いがあります。試着の段階で合わないと感じたら買う必要はないですし、そのほうがお客様にとって有益かと思っています。



――すでに国内特許は取得されており、今は国際特許も出願されているそうですね。


川畑:簡単に説明すると、スパッツの形とポケットの形状や大きさに関すること。それからズボンなどのお尻の見た目を綺麗にでき、パットがお尻に沿うように変形しやすい特殊構造というところで国際特許を申請中です。



――今後「おしりの幸せ」はどんな方に届いてほしいと考えていますか。


川畑:外出先で硬い椅子に座るとお尻が痛くて本当に困っていらっしゃる方です。

そのせいで外出を控えたり、痛みを我慢したりなど生活の質を落としていることもあるので、そういう方々の役に立ちたいですね。

「履きはじめて、外に出るのが楽しくなった!」というお声を聞きたいんです。


また、ゆくゆくは海外にも商品を展開したいと考えています。硬い椅子に座るとお尻が痛い方は国を問わず存在しているはずなので。でもまずは、国内で販売の経験を積み、力を蓄えていこうと思います。







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