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独立行政法人製品評価技術基盤機構

様々な製品で見かける「抗菌マーク」、その信頼性を担保する謎の組織「NITE認定センター(IAJapan)」とは?

(PR TIMES STORY) 2023年03月30日(木)18時02分配信 PR TIMES



このコロナ禍で「抗菌・抗ウイルス」への消費者の意識や生活様式に大きな変化が起こった。マスクの着用義務が解除され、さまざまな場面が以前の状態に戻る中でも、その感覚的な部分や価値観は今後もすぐに大きく変わることはないだろう。


そうした意識は日常で使う製品選びにも関わってくるが、目に見えない、効果が実感しづらい機能や効果を訴求する商品が数多く存在する。


そんななか、消費者が選択に困らぬよう、抗菌剤・抗菌加工製品のメーカー、試験機関が集まってできた団体であるSIAA(一般社団法人抗菌製品技術協議会)は基準を満たした商品に対して「SIAAマーク」を付与している。また、衣類などの繊維製品は一般社団法人繊維評価技術協議会が「SEKマーク」を付与している。


誰しもが見覚えのある馴染みのあるマークだが、このマークはどのくらいの価値と信頼性のあるものなのか、即答できる人は多くないだろう

そこで「抗菌マーク」の付与に必要なデータを提供する試験所を「認定する」役割を持つ、NITE認定センター(IAJapan)のASNITE  試験所認定プログラムマネージャーの山本に、「抗菌マーク」の意義と「試験所認定」の仕組みについて聞いた。




消費者の製品選定をサポートするマーク 信頼性を担保する「試験所の認定制度」

最近は衛生用品だけでなく、ハンカチ、靴下等の衣類商品や、コンビニのATM、駅の券売機のタッチパネルなど、さまざまなもので抗菌加工を施していることを知らせる表示マークを見かけることが増えてきた。


コロナ禍以降、不特定多数の人が触れる製品に対する衛生意識がより高まっているが、微生物は目で見えないので、抗菌製品の性能はデザイン(見た目)で選ぶことができない。表示マークは消費者がそうした製品を購入する際の判断材料になる。

またメーカーにとっては他社製品との差別化ができ、企業イメージの向上や製品の優位性にもつながり、このようなマークの普及は利用者や消費者にとっては安心を得られる目印のひとつになっている。


「抗菌加工製品の品質と安全性に関する情報開示マーク」であるSIAAマークはその代表的なものの1つで、過去3,000を超える製品にマークが付与され、SIAAの会員企業は2022年で1,200社を超える規模となっている。


また、商品に対してSIAAマークをつけるためには、抗菌効果をチェックする試験所での試験の結果、十分であることが認められることが必要となる。

ここで重要となるのが試験所の信頼性の確保である。





山本:我々NITE認定センター(IAJapan)は、認証機関や試験所が定められた方法できちんとした結果を出せる能力があるかどうかを確認し認定する仕事をしています。



NITEは経済産業省の所管の組織体であり、製品・化学物質などの安全性や認定・評価技術分野を担う団体だ。ニュース番組で流れる製品事故などの映像提供などでクレジットを見ることもあるかもしれない。

NITE認定センターの開発する認定プログラム「ASNITE(アズナイト)」ではさまざまな領域で「事業所の認定」を行っており、その認定対象は試験、校正、製品認証など、非常に幅広い。


<ASNITE制度について>

https://www.nite.go.jp/iajapan/asnite/outline/index.html




山本:ちなみに国内では我々含め5つの認定機関があり、その対象ごとに分けられています。世界全体では100ほどですね。我々自体の品質チェックの仕組みもあり、国内外の認定機関との相互チェックを行っています。



SIAAに関しても全国22の試験所に対して「SIAAマークを付与する試験を行うための試験所」の認定を実施している。


数百もの膨大な項目を元に実地でのプロセスを含めチェック

この認定制度だが、単純に書類にまとめたものを審査をして…というものではもちろんなく、現地の状況をチェックの上、「モノ」や「ヒト」に対しての数百にも及ぶ膨大な項目を満たすことが求められている。



山本:多岐に渡り、1年ほどかけて準備が必要なものになります。チェックすることももちろんですが、そうして整備していくプロセスそのものが重要だと考えています。それだけ多いと一旦チェックに引っかかってしまうことも少なくないのですが、是正期間を設けて再度改善を行っていただく、というフローをとっています。

あくまで我々は製品自体の性能・安全性評価は実施しておらず、その試験所の審査になりますので、この段階で寄り添いつつも厳しく審査を行うことは、消費者の方に安心して商品を手にとってもらうために重要だと考えています。



認定機関という立場ではあるが、NITEの立ち位置としては適切に試験を行ってもらうためのフォローアップを担う立場として、試験所に対してのインプットや困りごとの解消のための伴走支援を手厚く行っている。




山本:認定機関・試験所の皆さんも私たちも、メーカーさんの商品をきちんと評価したいという志は変わりませんし、さらに言うと顧客は日本のお客さまだけとは限りません。商品を利用するメーカーや消費者など、海外の動向も含めて考えていかなければならず、そうした場合は海外団体・機関とも活発にやりとりしている我々が起点になっていかなければならないと思います



日本発の価値をどう作っていくか「ルールメイキング」できる立場に

NITEは海外団体との交流ややりとりも活発で、例えば各国の認定制度を相互に承認し、日本での認定が海外でも同様の評価を得られる「国際相互承認」の仕組みなど、海外進出の際の障壁を下げる取り組みを行っている。

抗菌・衛生分野については世界中で捉え方、価値観にバラつきがあり、変化も激しい。その中でも衛生面での意識の高さや品質は日本が誇れるユニークな部分であり、そうした点をより世界に向けてアピールしていきたいと山本は考えている



山本:日本の製品・試験所・認証機関の品質をもっと知らしめながら、知見を持ったNITE側の人間が色々な国・文化のある団体の中で議論を深めていくことで、共存しながらも日本発の価値を作り、国際的にもルールメイクできる立場を目指していきたいですね。そのために世界中のマーク制度・世界の状況を常にキャッチしなければいけないですし、その上で日本中の認証機関・試験所の方々と共有していきたいですし、アウトプットに活かしたいです。



実際に認証機関で課題感を聞き、改善策を練りながら、最新知見を現場に共有していくことで、企業や団体と並走する山本は、NITEとしての方針を体現している存在だ。



山本:コロナ禍以降、抗菌分野の試験ニーズが激増し、弊センターへの問い合わせやご相談も多く、私どもも対応に追われましたが、一方で、世の中のニーズに着実に満たしている業務を提供していることが実感できました。マークや認定制度を活用し、その知名度も上がれば、消費者の方々もメーカーも試験所も、もっと良くなると思うんです。



NITE認定センターの認定制度の歴史は長く、始まりは法律に基づき校正機関の認定を行うJCSS(計量法校正事業者登録制度)という制度であるが、その創設から2023年11月で30年を迎える。また、NITE認定センターが運営するその他の認定制度も節目を迎えている。これを記念して「認定制度創設30周年記念イベント」を行い、講演会の開催や特設WEBサイトの公開を予定している。


一般消費者でも参加が可能なので、ご興味のある方はぜひ参加いただきたい。


https://www.nite.go.jp/iajapan/information/iajapan30th_event.html



▼認定の活用事例ー抗菌製品▼

「抗菌製品」に「認定」がどのように使われているか、紹介しています。

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▼NITE刑事#4 「謎の腹痛の原因を追え」【鷹の爪団のNITE刑事】▼

「NITE認定センター」の業務を紹介しています。

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