プレスリリース
#開発ストーリー #在宅医療 #往診代行
当直連携基盤は、「いまを生きる、希望をつくる。」を企業理念に、日本初の在宅医向け夜間休日往診支援サービスを提供する2018年創業の企業です。患者や家族の“物語”や、主治医との関係性といった在宅医療の文脈を踏まえたオンコール対応を行うことで、医療機関や主治医の心身の負担軽減を図り、日本における持続可能な在宅医療の実現を目指しています。
このストーリーでは、会社のリブランディングを経て2023年9月にリリースされた夜間休日往診支援サービス「バディ往診」誕生の裏側について振り返ります。
熱い想いと責任感を持って在宅医を支える「オンコール代行」
まず、「往診代行」や、「オンコール代行」というサービス形態を耳にされたことはあるでしょうか。「往診代行」「オンコール代行」は日本で在宅医療を行っている医療機関の方や主治医に代わって、患者対応を行うサービスのことです。
在宅医療の現場では、24時間体制で患者対応にあたることが必要になります。熱い想いと責任感を持って在宅医療に取り組まれている先生方は、むしろ想いと責任感が強いがゆえに、終わりのない24時間対応の中で体力的・精神的に疲弊してしまう事例が多くみられます。そして、中にはやむを得ず在宅をやめてしまう先生もいらっしゃいます。
世界の中でも高齢化先進国である日本で、在宅医療に取り組まれている先生方は地域の財産です。そこで私たちは、持続可能な在宅医療実現のためのインフラとして、主治医に代わって患者対応を行う夜間休日の「往診代行」を始めました。
切れ目の無い在宅医療を、メディカルバディが実現する「バディ往診」
「往診代行」のサービスがあっても、主治医の先生方に安心して選んで頂くには、在宅医療ならではの配慮すべきポイントが沢山あります。何よりも、主治医と患者・患者家族がこれまで築いてきた関係性や患者と家族がもつナラティブを尊重し、切れ目のない対応を行うことが必要です。そのために、私たちは、医師とメディカルバディの2名体制で往診や電話対応を行うことが不可欠であると考えました。
メディカルバディは、当社で独自の研修を修了した在宅医療の専門スタッフです。医療の専門家として医療的行為に集中する医師の役割に対して、メディカルバディは患者や家族とのコミュニケーションに重点を置き、現場全体を俯瞰するマネジメントを行います。メディカルバディとして活躍している社員の中には、当社に入社するまで医療業界の経験がなかったという方も多くいます。専門性の高い仕事内容でありながら、患者やご家族に寄り添った対応ができる「人間力」のようなものを持った方が活躍する珍しい職種だと思います。医療業界の中で、患者や患者家族の目線に比較的近い視点を持ったメディカルバディがいることは患者や家族から見ても、医師から見ても大きなメリットがあるのです。当直医師とメディカルバディがチームで往診を行う「バディ往診」で、「医療」と「想い」の両面から、切れ目無い在宅医療を実現することができます。
在宅医療サポート体制を全国に広めるべく創業を決意
もともと代表の中尾は2013年に医師である姉と2人で、姉を院長とする在宅医療クリニックを千葉市で開業し、経営や現場管理に携わっていました。しかしその中で24時間往診体制が医師個人の体力に依存している現状に疑問を感じることとなりました。院長の出産を機に24時間対応の「仕組み化」を決意し、地域の在宅医療機関と調整し試行錯誤しながらシステム化を実現します。千葉市での仕組み化ノウハウを元に、在宅医療サポート体制を全国に広めるべく株式会社当直連携基盤を創業するに至りました。
現在では東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡に拠点をおき、全国でサービスを提供しています。
「バディ往診」の反響。大切な患者を任せることへの不安が解消されたという声も。
当社を利用している主治医から一番よくいただくご感想は、「最初は自分の大切な患者の夜間休日対応を本当に任せられるのか半信半疑なところもあったが、十分な対応をしてもらえると分かりすっかり安心して任せている」といったものです。中には「休日は休み、夜熟睡できるようになったことで体力が増し、結果日中の定期訪問の質が上がった。それだけでなく自分のやりたかった他のことができるようになった」と仰る先生もいました。「自分じゃなくてもなんとかなるのだということがわかって少し寂しい気持ちになった」などと冗談交じりのご感想をいただくことも。
またメディカルバディが記録する「バディレポート」も大変ご好評をいただいております。通常医師のカルテには表れない、その場にいたご家族の発言や空気感、その意思決定に至ったプロセスなどを詳細に記録することで後から主治医が確認した際に現場の様子がイメージしやすいものになっています。
当直医師はクライアント医療機関の医師として夜間対応を行います。万が一医療訴訟等になった場合に、患者宅内でのアルバイト医師1名での密室診察は客観性に乏しく、医療機関が不利になります。バディ往診スタイルをとる事で、第3者視点での記録が残るため、万が一における貴院の管理責任リスクをより低減させることができます。なお当社では5万件を超える対応、5,000名を超える看取り実績でも医療訴訟トラブル”ゼロ”となっています。
注目すべき看取り実績数
2019年 - 2023年の累積でいうと、看取り数は5,117名、往診対応数は27,711件、電話対応数は28,936件です。中でも注目して頂きたいのが看取り数。月間だと例えば2023年7月は207名のお看取りを行っています。支援中の在宅患者数はおよそ5万名に上り、これは日本の在宅患者の約6%をカバーしていることになります。支援させて頂いている医療機関様の数も継続して増えており、2023年8月時点で270ほどのクライアント様がいます。ありがたいことに口コミやご紹介で当社を知って頂きご契約に至ることが多いのも特徴かもしれません。過去にはあまりに問い合わせが集中し、サービス品質担保を優先するため一時ご契約をお待ち頂くこともあったくらいです。現在は社員であるメディカルバディの数を増やし、余裕をもって高品質のサービスをご提供できるような体制をつくっています。
現場のメディカルバディへインタビュー
Q. この仕事のやりがいは?
A. 感謝されることが本当に多い仕事です。「来てくれてありがとう」「安心した」という言葉を聞けると患者様の力になることができたと実感します。また業務の幅が広いため、新しいチャレンジが多いという点も魅力です。
Q. メディカルバディとしてどんなことが重要だと考えていますか?
A. いかに患者様に寄り添った対応ができるかが重要だと思います。患者様の中には遠慮して本音が言えない方もいらっしゃいます。やり取りのなかでそうした心の機微に気づき、不安を解消できるような心遣いができるスタッフでありたいです。寄り添う行為に資格は必要ありません。
(メディカルバディIさん)
◆オンコール代行の話を聞いてみたいという医療機関の方へ
在宅医療に関するご相談・資料請求なども含め、お気軽にご連絡をお待ちしております。
会社Webサイトのお問い合わせページよりご連絡ください。
◆一緒に働いてくださる仲間を募集しています!
・メディカルバディとして活躍してみたい方
・当直医師としてのアルバイト勤務にご興味がある方
是非会社Webサイト採用ページよりお問い合わせください。
代表取締役 中尾亮太
昭和62年千葉県千葉市出身。
慶應義塾大学理工学部卒業後、同大学院理工学研究科卒。優秀修士論文賞受賞。
2013年、医師の実姉と2人で在宅医療クリニックを開業。クリニック経営をする中で24時間往診体制が医師個人の体力に依存している現状に疑問を感じ始める。姉の出産を機に、24時間対応の「仕組み化」を決意し地域の在宅医療機関と調整しながらシステム化に成功。千葉市での仕組み化ノウハウを元に、在宅医療サポート体制を全国に広めるべく株式会社当直連携基盤を創業。