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ケンコーマヨネーズ株式会社

長年の改良の歴史が、90日間冷蔵保存可能な新シリーズ誕生を後押し。食品ロス削減にも貢献する「FDF Plus」シリーズ誕生の裏側

(PR TIMES STORY) 2024年02月21日(水)11時00分配信 PR TIMES


「心身(こころ・からだ・いのち)と環境」「食を通じて世の中に貢献する。」を企業理念とし、業務用食品をメインに製造、販売を行っているケンコーマヨネーズ株式会社は、社会やお客様のニーズを受けた商品開発を行ってまいりました。


1977年に誕生した「ファッションデリカフーズ」は、当時としては画期的な、冷蔵で30日保存可能なロングライフサラダです。業界シェアナンバーワンを堅持するロングライフサラダの代表ブランド 「ファッションデリカフーズ(FDF)」の誕生から40年以上が経ち、 新たに賞味期間を90日まで延ばした「FDF Plus」シリーズが登場。その誕生の裏側をご紹介します。

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※ファッションデリカフーズ、FDF、FDF Plusはケンコーマヨネーズ株式会社の登録商標です。


ベーカリー向けに誕生した「ファッションデリカフーズ」


ケンコーマヨネーズが業界初のロングライフサラダのブランドとして「ファッションデリカフーズ」を発売したのは1977年です。 今では外食業界や中食産業に多く活用されている「ファッションデリカフーズ」ですが、当初はベーカリーに向けて開発された商品でした。


当時の夏場のベーカリーには、まだ十分な冷蔵設備が普及しておらず、 暑さに強く傷みにくいジャムサンドやハムカツサンドしか売ることができないといった課題がありました。しかし、お客様のニーズは、夏場こそさっぱりしたポテトサラダなどのサンドイッチにあります。そこで、サラダを真空パックで加熱殺菌する技術や加熱に耐えられるマヨネーズを開発し、試行錯誤の末に誕生したのが、ロングライフサラダだったのです。


未開封では冷蔵で製造日から30日間保存可能でありながら、35度の気温下でも2〜3日保存可能なロングライフサラダは、当時非常に画期的な商品でした。



「作ったものをすぐ食べていただくのが常識だったなか、30日も日持ちするサラダということで、当初は疑念の声もあったようですが、技術開発により実現した賞味期間です。当社のマヨネーズを使っていただいていたお客様など、営業先で丁寧に説明し導入を進めていくうちに、安全・安心に使えるものだという認識が広まっていきました」(サラダ・総菜事業リーダー 鈴木 剛志(以下、鈴木))


その後、外食チェーン店の急速な成長に伴い、開けるだけで、誰でも同じ味を簡単に提供できる 「ファッションデリカフーズ」は外食業界でも幅広く活用されるようになりました。長期保存をしても変わらない食感、味わいを維持するため、その都度改良を積み重ねていきます。最初に登場したポテトサラダ、マカロニサラダに続き、1981年にはスパゲティサラダ、ツナサラダが、1986年にはごぼうサラダ、春雨サラダが発売となるなど、商品ラインナップも続々と増やしていきました。


サラダとして新しいジャンルを切り拓き、発展と多様化が進む外食・中食業界のニーズにマッチしたことで、「ファッションデリカフーズ」を筆頭とする当社のロングライフサラダは業界シェアナンバーワンを堅持してきたのです。


コロナ禍で寄せられた「もっと長く日持ちするサラダを」とのニーズに応え、

90日間保存可能な新商品開発に挑む


業界シェアナンバーワンを堅持し続けてこられた背景には、当社が強みとする、時代や市場のニーズに応える商品・メニュー開発力があります。2023年に発売となった「FDF Plus」シリーズも、お客様である飲食店の方々のニーズに応える形で誕生した新シリーズです。



開発のきっかけとなったのは、2020年からのコロナ禍でした。経緯について、鈴木は次のように語ります。


「緊急事態宣言で一時休業を余儀なくされたり、お店を開けていても来店されるお客様が少なかったりと、今までと同じ在庫管理では対応できないお店が多くありました。ロングライフサラダの発売当初こそ、冷蔵での30日の賞味期間は『すごい!』と思っていただけていましたが、こうした状況下では30日の賞味期間は短く、45日や60日の商品もありますが、これでも足りないと感じられるようになったのです。そこで、もっと日持ちできるシリーズを開発できないかと思いました。」(鈴木)


賞味期間が延ばせれば廃棄ロスの削減にもつながるほか、頻繁に注文せずに済むことから、物流問題にも貢献できます。こうした考えから、鈴木が答えとして出した新シリーズの賞味期間は、これまでで最長の90日でした。


「45日が60日に延びたくらいでは、あまりインパクトがありません。倍にすることで、お客様にも驚いていただけると思いました。また、ポテトサラダに加え、マカロニサラダ、スパゲティサラダと主力の3種類のラインナップで打ち出したいと考えました。」(鈴木)


商品開発は思った以上に難航。背景には、じゃがいもならではの性質が


サラダ・総菜事業からの話を受けた商品開発を担当する今泉 聡(以下、今泉)。「難しい挑戦になると思った」と当時を振り返ります。特に難易度が高いと思ったのはポテトサラダの開発でした。そもそも、じゃがいもやごぼうなど、土で育つ野菜を使ったロングライフサラダの開発は、微生物学的なリスクをクリアする必要がある分、難しくなります。



「マカロニやスパゲティは生鮮食品ではないため、微生物学的なリスクが少ないですし、個体差もあまりありません。そのため、一度90日間美味しさを維持できる方法を開発できれば、それで商品化にこぎ着けられます。しかし、ポテトサラダの原材料であるじゃがいもはそうはいきません。新じゃがの時期と収穫から1年経った時期とでは、じゃがいもの味も食感も違う。しかし、ポテトサラダとして提供するためには、年間を通して変わらない美味しさにしなければなりません。これが本当に大変でした。」(今泉)


ケンコーマヨネーズではじゃがいもが1番美味しい旬の時期に、収穫・買い付けを行うことで、素材の味わいがしっかりした美味しさを実現しています。一方で、じゃがいもは収穫以降も味わいや食感が変化していくため、商品化が難しいという側面もあります。

たとえば収穫してすぐはじゃがいものホクホク感を楽しめ、時間が経つと今度は少し甘みのあるねっとりした食感になり、その時々で美味しさが変わります。

じゃがいもの魅力でもあるこの味わいの変化は、常に一定の美味しさを求められる商品開発においては、とても大きな壁となってしまうのです。


開発の糸口は、これまで積み上げてきた知見と商品への想い


そうしたじゃがいもの性質を鑑みても、「ファッションデリカフーズの美味しさはそのまま、賞味期間を90日に延ばす」ということは、とても難しい挑戦になることは明白でした。

社内からは配合を変えることで賞味期間を延ばすという案もありましたが、今泉は「それでは美味しさが変わってしまう」と、その提案を却下します。


「これまでも、低温殺菌をしてできるだけ作りたての手作りの味わいに近い商品を作ることを大切にしてきました。ここで妥協してしまうのは、過去の商品群や、先輩の開発者たちの想いをないがしろにしてしまうことにもなると思いました。」(今泉)


開発の支えとなったのは、1977年の発売以後、繰り返されてきた改良により積み上げてきたノウハウです。これまで蓄積してきた技術を見直し、品質管理の部署と協力しながら進めることで、これまで通りの美味しさで、冷蔵で90日間保存できるサラダが完成しました。



「今回のために大きな技術開発をしたというわけではなく、地道に積み重ねてきたノウハウを活かしての開発となりました。ポテトサラダについては、袋も変更しています。これまでの袋で90日間保存すると香りが飛んでしまうので、密閉度の高いものに変える必要があったのです。ただ、これも密閉度が高くなれば微生物リスクが上がるので、どうすればリスクを低減して香りを維持できるのか、商品開発と品質管理の担当者で共に試行錯誤しました。あとは工程の見直しですね。検証、検査、試食での確認を2年間繰り返し、ようやく3種類の商品を揃えられました。」(今泉)


試食にはサラダ・総菜事業のメンバーも参加しました。20パターンの試作品を試食し、「すべてNG」ということもありました。


「マカロニサラダとスパゲティサラダは先んじて完成したのですが、ポテトサラダがやはり難しかったですね。 営業側としては早く市場に投入したい気持ちがありますが、開発側は妥協した商品を世に送り出したくないという気持ちが強い。営業としてはシリーズとして打ち出すことに意味があると考えていますから、どうしても主力3商品の同時発売にこだわりたかった。」(鈴木)


「実はマカロニサラダとスパゲティサラダだけであれば、発売を1年は前倒しできました。ポテトサラダの完成には、それだけの時間が必要でした。」(今泉)


こうして誕生した「FDF Plus」シリーズ。パッケージには、農林水産省が推進する食品ロス削減国民運動のロゴマーク「ろすのん」が表示されています。食品ロス削減に取り組んでいる意思を示せるものです。30日〜60日の賞味期間が90日になり、無駄なく使いきれるようになった「FDF Plus」シリーズは、食品ロス削減にも貢献できる商品です。


食品ロス削減に貢献できる商品として、今後もラインナップの拡充を目指す


開発した「FDF Plus」シリーズについて、今泉は「妥協点を下げれば、長期保存可能な商品でもすぐに開発することは可能ですが、ハードルは一切下げたくなかった。むしろハードルを上げながら開発したのが今回のシリーズです。新たに添加物を追加したということもありません。既存シリーズと同じ美味しさ、安全・安心を提供していますので、ぜひご賞味いただけたらうれしいです。」と語ります。


鈴木は「ここから販売していくのが我々の役目」と意気込みます。



「新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことで展示会も増えてきて、お客様にご紹介できる機会が多くなってきました。人手不足が課題の外食産業において、「FDF Plus」は助けになる商品だと思っています。その良さをアピールしていきたいですね。」(鈴木)


当社が重要な取り組み課題テーマとして掲げる「食品ロスの削減」に、大いに貢献する「FDF Plus」シリーズ。「今後は、『FDF Plusが特別』ではなく『FDF Plusがベース』にしていきたい。」と鈴木は話します。2024年2月1日には新たなラインナップとして「ごぼうサラダ」を追加し、 現在も、次の商品発売に向けて、今泉たち商品開発メンバーが目下取り組んでいる最中です。


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「メディアに取り上げていただいたり、業務用商品を取り扱う消費者向けスーパーマーケットに置いていただいたりと、一般の方にもお届けできる 機会も増えてきました。サステナブルな社会につながる新たな価値を届けるシリーズとして、ラインナップの拡充、提案に力を入れていきたいですね。また、長期保存が可能ということは輸出もしやすくなるということですから、海外展開にも目を向けていきたいと思っています。」(鈴木)


「ファッションデリカフーズ」発売から40年以上が経ち、進化を遂げて登場した「FDF Plus」シリーズ。食品ロス削減への意識が高まっていくこれからの時代に、新たな価値を届けるシリーズとして、今後も成長を続けていきます。

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