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【日経MJ賞 最優秀賞「SEKAI HOTEL」】地域住民と旅行者の接点がない課題を解決!地方創生の鍵となる素敵な“お節介”

(PR TIMES STORY) 2023年09月04日(月)09時43分配信 PR TIMES

昨今、日本の各地で見られる商店街のシャッター通り。かつて栄えて、多くの人々が行き交った商店街は、店じまいする商店が増え、シャッターが連なる景色ばかり。「昔の活気を取り戻したい」「若者を誘致して空き家を活用したい」、そういった声があまたで聞こえてきます。


私たちクジラ株式会社は、こういった商店街の課題を「ホテル運用」という視点で解決しようと試みています。


商店街周辺の空き家・空きテナントをリノベーションして客室化。夕食・朝食会場は周辺の商店へ、大浴場は銭湯へと、地域と連携することで、まち全体をホテル化するサービス「SEKAI HOTEL」を運用しています。


“旅先の日常に飛び込もう”をコンセプトに、2018年に東大阪(大阪)、2023年に高岡(富山)にオープン。「まちごとホテル」という地方創生の新たな形を目指しており、日経優秀製品サービス賞 日経MJ賞 最優秀賞(2019年)や、Human City Design Award ファイナリスト選出(ソウル市主催|2020年)など、認知・評価が高まっているところと自負しています。


一方で、オープン直後はホテルへの低評価が続き、難しい局面を迎えることも少なくありませんでした。「地域課題を解決するヒントは地域にある」、愚直に地域と向き合ったエピソードをはじめ、「観光客×地域住民の接点」を可視化することで、可能性がグッと高まった地方創生のヒントについて、お話しさせていただければと思います。


申し遅れました。私は、クジラ株式会社の矢野浩一です。19歳から不動産業界で働いてきました。24歳のとき(2007年)起業しましたが、ふと「社会課題を解決する不動産業がしたい」と考え、空き家を使ったまちごとホテル事業としてSEKAI HOTELを考案。これからSEKAI HOTELを全国に広げ、地方の個性をたくさん掘り出していくところです。


矢野浩一 クジラ株式会社|SEKAI HOTEL株式会社 代表取締役


ーまちごとホテルとは?


客室がまち全体に分散しているまちごとホテル。連携している地域の商店にて夕食・朝食サービスを受け、大浴場は昔ながらの銭湯をご利用いただけます。


客室は、これまで空き家・空きテナントだったもの、ひとつずつをリノベーションしました。大阪にあるSEKAI HOTEL Fuse(東大阪市)は、商店街を中心に7棟の客室棟が点在しています。


ホテルの廊下を歩くように地域住民の行き交う商店街を歩き、行く先々で地域の歴史・風土・文化などに触れる。

SEKAI HOTELは「旅先ならではの体験や出会い」を楽しむ体験ができるホテルです。


▲SEKAI HOTELは地域を周遊して楽しむ。


ー合言葉は「旅先の日常に飛び込もう。」


あなたにとっての日常は、誰かにとっての非日常。


有名観光地でなくても、知らない土地に訪れるということは刺激的な発見・体験・感動に溢れています。さらに、旅先での人との出会いは多くの思い出を生み出します。


しかし、こういった知らない土地でのディープな体験は一般的な観光の選択肢ではありません。



知らない土地で、知らないお店に訪れ、知らない人たちと仲良くなる…


バックパッカーなどを想像してもらえるとわかりやすいかと思いますが、僕自身にとっても「興味はあるけど、ちょっとハードルが高いな」というものでした。


SEKAI HOTELは「まち全体をホテル化する」ことを通じて、あらゆる人が知らない土地の魅力に触れることができるように工夫されたホテルです。


顧客アンケートにも「地域を楽しめた」「紹介してもらった飲食店で、地元常連客と仲良くなった」などと嬉しいお声をいただいております。


旅先の日常に飛び込もう。


これがSEKAI HOTELが掲げる、知らない土地を楽しみ尽くすための合言葉です。

▲空き家をリノベーションした客室


ーオープン直後の低評価


2018年9月にオープンしたSEKAI HOTEL Fuse。オープン後にお客様アンケートなどで頂いた声は「安くて綺麗なホテル」「スタッフさんが優しかった」など、ありがたい評価をいただいたものの、お客様がまちを楽しめているか?旅先の日常に飛び込めているか?と問うた時に、想定しているものとは異なる結果となっていました。


テストマーケティングとして、『一泊二食+オリジナルグッズつき』の特別プランを体験いただいたお客様のアンケートには「ひとり5,000円が適正価格」と書かれてしまい、スタッフみんなで落ち込んだことも。


そんな中、突如訪れた、コロナウイルス感染拡大に伴う休業。全く先が見えない状況となってしまいました。



ー事業全体を見直した


社会全体が自粛ムードの中、ホテル業界では「時間貸し」「マンスリープラン」などの新しい企画が次々と出てきました。


しかしSEKAI HOTELでは一切の売上をあきらめ、事業モデルのあらゆる部分を見直すことを優先。


「このままではどうせつぶれてしまう。今SEKAI HOTELが評価されていないことに真剣に向き合おう」と考えました。


毎日のように会議を長時間行い、地域住民の方達にもたくさんヒアリングを行い、たどり着いた課題点は、


  1. ゲストにとって「旅先の日常に飛び込む」というのがわかりづらい
  2. 地域住民にとってゲストと接点を持つタイミングや動機が無い


の2つでした。


ここから、事業全体の見直しが始まりました。


まず、ゲストに向けて「旅先の日常に飛び込むっていうのがわかりづらいのでは?」という視点で、いかにスムーズに旅先の日常体験をしていただくかを議論し、チェックイン時の説明内容やアクティビティなど何度もテストしました。


さらに、WEBサイト・Instagramなどの写真も撮り直し、客室に置いている館内案内やまちのmapも全て作り直しました。



次に、スタッフ全員が“地域を楽しむ”ことを通じて、地域住民とのコミュニケーションも増やしました。地域の様々な商店に遊びに行き、スタッフそれぞれが地域のお気に入りを集めていく作業です。


子や孫くらいの若いSEKAI HOTELスタッフが商店を訪れ楽しんでくれる姿に、商店の方も自然と心を許していただき、僕たちの知らない地域の特色や歴史、おすすめのスポットやグルメを教えてくれるようになりました。


この経験がきっかけとなり、「地域住民が思わず地元愛を語ってしまうポイント」を掴めたのではないかと思います。


ちなみに、この時生まれた「まずは思いっきり遊んで、まちを理解する」という研修方法は今でもSEKAI HOTELオリジナル研修として続いています。


ー訪れた変化


すると2022年夏くらいから少しずつ変化が見え始めました。アンケートの記載内容に、まちでの体験談を書く人が増えてきたのです。


布施の商店街のつながり、その土地ならではのアット ホームな雰囲気を楽しみながら、過ごすことができました。とても楽しかったです!おもちゃ屋さんのおじさんに、「楽しんでいってくださいね」と声をかけてもらいました!


SEKAI HOTELに滞在していることで話しかけてもらったりしました。布施に昔あった映画館の話とかを聞きました。七味唐辛子屋さんとの会話もとても楽しかったです。一般的なホテルでは体験したことがないことで、楽しく締めくくることができました。


ひとりでも多くの地域住民や商店が一緒にSEKAI HOTELを盛り上げてくれることで、ゲストは初めて“旅先の日常に飛び込める”ということです。


結果、2022年はコロナ禍ではあったものの


  • アンケート回収率=48.6%
  • NPS(顧客推奨意向度)=49.8pt
  • 平均宿泊単価=9,117円


という結果で終わり、大きな手応えを感じることができました。


▼年間レポートを公開しています。

https://www.sekaihotel.jp/report/


そして、地域住民の反応も大きく変わりました。

いつの間にか「SEKAI HOTELからのサービスですよ」というメニューを作ってくださっていた商店も出てきました。(ドリンク一杯サービス)


また、ゲストからも「初めて訪れる銭湯で、丁寧に利用方法を教えてもらった」「飲食店で隣になった地域住民に一杯奢ってもらった」など、地域住民と接した報告を受けるようになりました。


僕たちと直接関わりのない地域住民にまで、まちごとホテルとしての体験は徐々に広がっていたのです。


ーゲスト(観光客)と地域住民の接点が生み出すモノ


ゲストや地域住民のポジティブなリアクションが少しずつつ増える中で、まちごとホテルの本当の価値が掴めてきたように思います。


旅先での交流はとても良い思い出になりますが、やはり一歩踏み込んで旅先のコミュニティに入り込むには勇気がいります。


しかし、SEKAI HOTELをきっかけに多くのゲストがその一歩を踏み出しているように思います。そして、そういった感動体験をアンケートや予約サイトの口コミなどに楽しげに書いてくれます。

まるで、地域住民の一員になれたかのような感動体験の報告がたくさん集まってきていることが本当に嬉しいです。


一方、地域住民もSEKAI HOTELをきっかけにゲスト(観光客)に対してとても素敵な“お節介”をかけているように思います。


「ここには何も無い」と言っていた人たちも、遠方から来てくれたゲスト(観光客)が自分の地元に興味津々という姿を見て、ついつい手厚く歓迎してしまうわけです。


まさしく、「地域住民が思わず地元愛を語ってしまうポイント」だと思います。



ー地域住民×ゲスト×SEKAI HOTELスタッフで作るまちごとホテル

SEKAI HOTELではHospitality(ホスピタリティ)という言葉の使用を禁止しており、代わりにFriendship(フレンドシップ)という言葉を共通言語としています。


遠くからお越しになられたゲストを「もてなす」「迎える」というイメージではなく、地域住民・ゲスト・SEKAI HOTELの三者が友好的な関係やコミュニティを作るべきだと考えているからです。


SEKAI HOTELがまちの日常からたくさんの魅力を再発見・再定義し、広くPRすることでより多くの人にこのまちを知って頂きます。


そして、訪れたゲストと地域住民がまちごとホテルとして様々な場面で接点を持ちます。「このまちには何もない」と普段は言っている地域住民の方も、ゲストの前では大変丁寧に、そして自慢げに地元をアピールします。


旅先で地域住民と楽しんだ思い出はなかなか忘れないものです。まさに「旅先の日常に飛び込もう」そのものです。このアンケート・口コミの内容は、地域住民の方達も真剣に受け取ってくれます。


そして、地域住民・ゲストの声をヒントにSEKAI HOTELがさらに地域の魅力を世界中に広めていくわけです。


まちごとホテルという仕組みを通じて、多くの人が自発的に地域の発展に携わっていると言えると思います。


ーSEKAI HOTELが目指す世界観


Friendshipで作り上げるまちごとホテルは、多くのステークホルダーを巻き込むことで地域全体を共創していく地域活性・地方創生の形だと感じています。


そこにはお祭りの夜のような、誰もがワクワクして優しい気持ちになれるコミュニティが出来上がると信じています。ここには国籍、世代、ハンデキャップなどによる隔たりが一切ありません。


SEKAI HOTELのあちこちで見られる、一歩踏み込んだ優しいコミュニケーションの輪が広がっていけば、きっとみんな幸せだと思います。


No Borderなセカイ


これが僕たちが目指す、地方の新しい世界観です。





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