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アイリスオーヤマ株式会社

社長が語る、アイリスオーヤマがヒット商品を生み出しつづける秘密とは。アイデアの源は、「ユーザーイン」の体験

(PR TIMES STORY) 2022年12月22日(木)08時07分配信 PR TIMES


アイリスオーヤマの歴史は1958年、東大阪の小さな町工場からスタートした。以降、50年以上にわたって、多くの人々に「なるほど!」と思わせるユニークな商品を生み出し続けている。2021年からは、新たなコーポレートメッセージ「アイ ラブ アイデア」を展開し、全社一体となってアイデアあふれる商品作りに力を入れている。今回はその「アイ ラブ アイデア」に込められた想いや、新たなアイデアを生み出し続けるその秘訣について、代表取締役社長の大山晃弘氏に取材をした。(+1 DAY編集部)


「アイ ラブ アイデア」のメッセージに込めた想い


アイリスオーヤマは、2021年に新しいコーポレートメッセージ「アイ ラブ アイデア」を発表。大山社長によると、「アイリスオーヤマとはこういう会社です!」と一言で伝えられる言葉が必要だという思いから、コーポレートメッセージをつくることにしたという。


「よく『アイリスオーヤマってどんな会社ですか?』って周りから聞かれるのですが、当社はペット用品から家電まで、取り扱っている商品がとにかく多い。だから、社員も説明に苦労していたんです」(大山氏)。


かくいう大山氏自身も「う〜ん……『生活用品一般メーカー』ですかね?」などと言ってみたが、どうもしっくりこなかった。




最初は、商品の中から当社を一言で表すキーワードを探してみたが、アイリスオーヤマの商品数は膨大にあるのでなかなか見つからない。それなら「商品」ではなく、大事にしていることにフォーカスしてみよう、と視点を変えてみた。すると、そこで「アイデア」というキーワードが浮かんだ。


「アイリスオーヤマは、世の中の常識にとらわれずに新しい商品を提案することで、世の中に変化をつくりだす企業です。その新しい商品を形にするのに、何よりも大事にしているのが『アイデア』。アイデアこそが、アイリスオーヤマという会社の源泉なんです」(大山氏)。


このような経緯で、「アイデアを愛し、アイデアで愛される会社であり続けたい」という想いを込め、「アイ ラブ アイデア」というコーポレートメッセージが策定された。


「アイデア」は「ユーザーになりきる」ことで生まれる


アイリスオーヤマは「アイデア」を大事にしながら、1年間に1,000点以上の新商品を生み出しているという。その中でも、大山社長にとって特に思い入れのある商品はなんだろうか。



「たくさんありすぎて絞れないですが、しいて挙げるなら、最近でいうと「CHEF DRUM(シェフドラム)」かな?」(大山氏)。


大山社長はプライベートでよく料理をするという。炒め物などは簡単に見えて、かなり手間を取られる。


「フライパンの前から片時も離れず、焦げないように常にかき混ぜて…。この作業が自動でできたらいいのになと思っていたところに、業務用のかくはん調理器をもとに商品化するアイデアを社員が提案してくれた」(大山氏)。


大山氏はそのアイデアに、「これはすばらしい!」と思ったという。大山氏も使い手としてアドバイスしながら、社員と一緒にアイデアを形にしていった。


CHEF DRUM(シェフドラム)を実際に使ってみて、料理が本当に楽になったという。


「お子様のいるご家庭ならナポリタンがおススメです。野菜や肉をカットして入れれば、あとは勝手に回転して炒めてくれる。最後にゆでたパスタとケチャップソースを入れるだけでおいしいナポリタンが完成します。私にも3人の子どもがいますが、ちょっと濃い目の味付けにすれば喜んで食べてくれますよ」(大山氏)。


もう一つ挙げるなら、と大山社長はカメラ付き冷蔵庫「STOCK EYE(ストックアイ)」を紹介してくれた。これは、実は大山社長のアイデアで実現した商品なのだという。


スーパーなどで買い物すると、調味料や漬物など、同じものを買ってしまうことがないだろうか。大山社長も会社からの帰りがけによくスーパーに立ち寄り、そんな「失敗」を2回に1回は繰り返していたそうだ。その経験から、「冷蔵庫の中身が家の外から確認できると便利だな」とひらめいて、開発の担当者に商品化してもらった。


アイデアをひらめく前段階の「ユーザーイン」の体験が重要だ


大山社長が「アイデア」をひらめくのはどのようなタイミングなのだろうか。


「やっぱり人と話しているときにパッとひらめきます。社員との会議でも、プライベートの雑談でも、会話しているときにアイデアが降りてくることが多いですね」(大山氏)。



しかし、実はアイデアがひらめく「前段階」が大事だという。「前段階」とは、自分自身が「ユーザー」になりきることだ。ユーザーになりきって「真剣に」生活し、商品を使い倒すことで、顧客自身も気づいていないニーズを発見し、新しい需要を創造することができる。


「この姿勢を当社では『ユーザーイン』と呼んでいます。社員の皆さんにも、まずは自らが日常生活の中でさまざまな商品を使い倒そうと伝えています」(大山氏)。


大山社長自身、「言うからには行動しなければ」と、料理や掃除、洗濯はもちろん、園芸もやるばかりか、ペットも飼っている。掃除を始めて、気づいたら4時間経っていることもよくあるのだそうだ。


「子どもの部屋を『よくもまぁ、こんなに汚してくれるよなぁ…』とブツブツ文句言いながら掃除しています(笑)。でも、そうしていると『子どもが自分で片づけしやすい環境ってなんだろう?』とか『子ども向けのサイズの家具があったらいいんじゃないかな?』とか、アイデアの種が生まれてくるんです」(大山氏)。


掃除、洗濯、料理など、「真剣に」生活していると、「この作業って面倒くさいな」など、いろんな不満や不便さを感じる。それがアイデアの種になるのだ。


アイリスオーヤマでは、社員が多くのアイデアを生み出せるように、大山社長として意識していることはあるのか、伺ってみた。



「まず、組織をあまり縦割りにしないよう意識しています。通常の家電メーカーでは構造設計、外観設計、意匠設計、品質設計…と開発ラインがそれぞれ分かれているのが一般的です。一方で、アイリスオーヤマではそういう分業制はとっていません。開発リーダーが、商品の企画から設計、販売にいたるまで一気通貫で担当します」(大山氏)。


同時に、たとえば冷蔵庫の開発担当者には冷蔵庫だではなく様々な種類の商品開発を経験させるようにしている。昔はペット用品の担当だった社員が、今では掃除機を担当していることもあるそうだ。多種多様なものづくりの経験を積んでもらうことで、その経験が掛け合わさって「なるほど!」というアイデアにつながるということだ。



社員の「心理的安全性」がアイデアの創発を促進する


毎週月曜日の「新商品開発会議」に出席する社員は真剣そのものだ。大山社長が社員への声掛けや指導において心がけていることはなんだろうか。



「いちばん大事にしているのが、社員の心理的安全性を確保することです。社員一人ひとりは、それぞれユニークなアイデアを持っています。しかし、勇気を出してそのアイデアを発表した結果、その人が恥をかくようなことがあってはならないと思っています。そのため、アイデアや意見を言いやすい環境づくりには心がけています」(大山氏)。


もちろんアイデアがすべて採用され商品になるわけではない。ひと昔前の会議では、「はい、ダメ。不採用!」と言って終了する。大山社長自身、そういう「ダメ出し」を何度も経験してきたという。しかし、そのようなコミュニケーションでは、社員が「よし、もう一回チャレンジしよう」という気にならないのだという。


たとえ不採用であっても「選定の基準は何なのか」「どの点が足りなかったのか」かをきちんと説明し、フィードバックするようにしている。失敗から学ぶことこそが大事だ、と大山社長は強調する。


数々の失敗から学んだ「わかりやすさ」の大切さ


「失敗から学ぶ」ことが大事だというが、大山社長自身の失敗談を伺ってみた。


「いや、それこそ失敗は数えきれないほどしましたよ(笑)」(大山氏)。



ひとつ例を挙げると、大山社長の「ホーム開発部」部長時代。部門がとある調理器を開発した。多くの会議を重ねて、自信満々で発売したのだが、サッパリ売れなかったという。


「いま振り返ってみると、その商品がパッと見てどんな使い方をするのか、どんな商品なのかユーザー目線からはわかりにくかったんだと思います。言葉で説明すれば理解してもらえるけど、店頭に並んでいる商品が自ら言葉を発するわけではありませんからね」(大山氏)。


その経験から学んだのは、「今までにない商品は一目でわからなければいけない」ということだった。顧客が店頭で商品に接する時間は、ほんの1、2秒。その短い間に注目してもらえるかどうかが勝負で、できるだけわかりやすいデザイン、ネーミング、パッケージでなければならない。その時の教訓は、今も大山社長の心に刻まれている。


確かに「CHEF DRUM」などは見た目のインパクトもあるし、ネーミングもわかりやすい。


「そうなんですよ、そこが私も気に入っているポイントです。お客さまにとって一目でなるほど!とわかってもらえるような商品を、これからも世の中に多く出していきたいです」(大山氏)。


「お客さまの生活を便利に」の先にあるビジョン


大山社長は2018年、現会長(大山健太郎氏)の後を継いで社長に就任し、現在5年目を迎えている。これまでの歩みを振り返りながら、いま感じていることを伺った。



「この5年の間に、世の中の生活様式や国際情勢が本当に大きく変わりました。少子高齢化も人手不足もますます深刻化しているし、サステナビリティ、ダイバーシティなど新たな課題も増えています。そのような社会の大きな変化に合わせて、当社ももっと変わっていかなければいけません。変わっていくためには、先ほど言った『ユーザーイン』をさらに徹底し、エンドユーザーである生活者にもっと寄り添っていく必要性を感じています」(大山氏)。


今後アイリスオーヤマとして力を入れていきたい分野は多い。LED照明による節電の推進、食糧自給率を高め、日本の農業を元気にするための米づくりなどだ。


さらに、これからは人口減少による日本の労働力不足がますます深刻になる。そこで2020年にロボティクス事業に参入し、サービスロボットによって日本の人手不足を解消する取り組みも進めている。


商品を通じて、顧客の生活をより便利に、豊かにすることはもちろん重要だ。しかしアイリスオーヤマは「お客さまの生活をより便利に」の先の大きなストーリーを見すえているという。それは新たな社会課題を解決するソリューションを提供してゆくことであり、それをアイリスオーヤマでは「ジャパンソリューション」と呼んでいる。


「課題先進国」と言われる日本国内の社会課題を解決する「ジャパンソリューション」を生み出せれば、海外の国の課題をも解決するものとして展開することができる。結果として、日本の製造業を大きく発展させ、元気にすることができる。これが、アイリスオーヤマの掲げるビジョンなのだという。




「『ユーザーイン』の発想を大切にしながら、これからも多くのアイデアを生み出し、世の中に貢献できる『ジャパンソリューション』を提案していきたいです」(大山氏)。


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