プレスリリース
株式会社ワサビは「リユース業界の未来を変え、世界にワクワクを届ける」をミッションに、ITソリューションを提供しています。EC一括管理システム「ワールドスイッチ」をはじめ、スマホ在庫管理アプリ「ストックスイッチ」、丸投げ型越境EC「WASABIプロジェクト」など、さまざまなサービスを開発・展開しています。
2012年の創業以来、EC販売のコンサルティングからスタートし、徐々にシステムを開発してきました。商品販売を行う会社の商品を一元管理して、世界中のモールに出すことができるシステム、ワールドスイッチ。どんなモールであっても少ない人手で、通常と変わらないオペレーションで全ての操作ができ、買取から販売、発送まで一連の必要な業務を全て完了できるオールインワンの多機能なECシステムです。
今回は、代表の大久保、システムサポート部の三崎、システム開発部の簑原の3人に、ワールドスイッチ開発のきっかけや、戦略について話を聞きました。
(左から)三崎寿一、大久保裕史、簑原雄樹
古着屋での自身の経験で感じた限界。人海戦術から仕組化へのシフトを意識するように。
代表取締役 大久保 裕史(以下大久保):
私自身が前職で古着屋に勤めていました。小さい古着屋でしたが、楽天市場の中古部門で一番になったりするような店舗で、その当時から一点ものの商品をデータ化することの大変さをよく知っていました。撮影ブースを工夫して作ったり、いかに登録を早く行うかということについて苦心していましたね。
中古品というのは利益率の高い商材であり、店頭でそのまま売る分にはあまり労力がかかりません。でも、ネットで販売をしようとすると、一つの商品に対して撮影・採寸・情報の登録が発生します。なので、その手間や時間、人件費をいかに圧縮できるかということを当時からよく考えていて、創業当時はその知見を生かして中古品店のコンサルティング業務をしていました。それでも、コンサルティング業務にも限界を感じていたので、自分の代わりに働いてくれるような仕組みが必要だと考えていました。
代表取締役 大久保 裕史
取締役 システムサポート部 三崎 寿一 (以下三崎):
当時私も大久保と同じ古着屋に勤めていたのですが、スタッフを厳しく育ててなるべく作業を早くしていくというような職場環境でした。例えばTシャツの撮影をするスタッフであれば、「一時間で30枚撮影しなくてはいけない」などのノルマが課されていました。それぞれの担当範囲をスタッフが一つずつ確認して、登録していっていたのですが、実質1モールにしか出品できていませんでした。
私がいちスタッフだった時は人海戦術のように数をこなして行くしかないという環境が当たり前でしたが、コンサルティング業務を始めて客観的に現場を見た時、「何をしているんだろう」と危機感を持ちました。
取締役・システムサポート部 三崎 寿一
エンジニア簑原との出会いが転機に。1年で『ワールドスイッチ』の原型が完成。
大久保:
システムの必要性を感じて、最初はファイルメーカーでシステムを作ったりしていました。しかし大きなデータ量に耐えることができなくてなかなかうまくいかなかったです。そんな中、創業から2年ほどで簑原さん(エンジニアスタッフ)に出会いました。
三崎:
最初はデータクロールをするシステムの開発ができる人を、クラウドソーシングのサイトで募集していたんですよね。そこで簑原さんだけずば抜けてクオリティの高い提案をしてくれたんです。ただ要望を伝えただけなのに、仕組みを作るだけではなくて、独自でユーザーインターフェースまで考えてくれていて、感動したのを覚えています。
そこからさまざまな開発を依頼し始めて、実際にコンサルティング先にも来てもらったりしたのがスタートでした。
取締役・システム開発部 簑原 雄樹
取締役 システム開発部 簑原 雄樹:(以下簑原)
ワサビに参加したのは前職をやめた月で、ちょうど自分で何かをやってみようと思っていたタイミングでした。
色々なことができるシステムを作りたいという要望を最初から聞いていたので、なるべく汎用性の高いシステムを作ることを考えてこれまで作ってきました。ある店舗に特化した作りにせず、どんな店舗でも対応できるようなもの、ということです。
開発を開始して最初の1年で、今のワールドスイッチの原型ができていました。ユーザーごとに異なる商品データの持ち方ができたり、コンテンツテンプレートを整備して、一つの商品データを元に様々なモールの形式に合わせた出品ができるという点は、その時から変わらないです。
一方でカスタマイズ性が高いので、ユーザーが使いこなすのが難しい部分がありますが、そこはシステムサポート部がカバーしてくれています。
国内外の多種多様なモールとの連携で、店舗の売上向上に貢献する。
三崎:
ワールドスイッチ提供の最初期は、楽天市場、ショップサーブ、eBay、Yahoo!オークションに連携していました。
大久保:
利用してくれている店舗さんが新しいモールでの販売にチャレンジしてくれて、その売り上げが上がるのを見たことで世界中のモールと連携した方がいいなと思いました。これからも世界中のモールと連携を増やしていきたいです。また、日本から世界への販売だけではなくて、アメリカから世界、中国から世界など、色々な方向の販売を促進していきたいです。
長期的なスパンになりますが、今連携に興味があるのは、南米の「Mercado Libre(メルカドリブレ)」というECモールです。その地域では一番使われているモールで、Amazonもシェアに入っていけないくらいです。現地ではカードはあまり使われていないため、「メルカドバブル」という独自のQR決済ツールを提供しているようなんです。アメリカに法人がないと出店できないのでハードルは高いですが、とても可能性を感じています。
他には、アフリカの「Jumia(ジュミア)」というモールにも興味があります。車のリユース販売にもシステムが対応できるようにしたいので、中古車の需要が大きいアフリカのモールと連携したいと考えています。
ワールドスイッチ連携モール一覧(2024年1月時点)
高難度のモール連携で独自の市場地位を構築し、オンリーワンへ。
大久保:
開発に期間を要したり、接続が困難なモールとの連携を続けているのは、他にそんなシステムがなかなか無いからです。例えば先ほどのメルカドリブレに連携をしたら、ワサビ以外に連携しているシステムが国内では他にないのではないでしょうか。
人に置き換えると、楽天のコンサルティングをしている人の母数はたくさんいるけれど、これが東南アジアの「Shopee(ショッピー)」というモールのコンサルティングをしている人だと母数がぐっと少なくなる。そうなるとその人の需要や価値が高くなりますよね。そういう視点で、オンリーワンになれるようなシステムを作ってきました。
単純に私が「一番」が好きだということもあると思います。「一番初めに連携した」とか、そういうことですね。
簑原:
売り上げ地図グラフが全て塗り潰されるような、全ての国に販売チャネルを持つシステムにしたいです。
現在のある店舗さんのシステム売り上げ分布マップ
パートナーと共に創っていく「共創型システム」であり続けるために。
三崎:
利用してもらっている店舗の数や規模が変わるにつれて、やり方は都度変わってきました。固定でこれでいける、というやり方がある訳ではないと思っています。例えば最初の1社目の導入が完了して次の2社目の設定をしようとしたときには、全然違う声が上がってきました。全く違う商材を扱う店舗さんに出会ったりだとか、店舗さんによって仕入れや買取からの商品の流れが全く違ったりだとか、本当にさまざまです。
最初の10社ほど思い起こしてみても、それぞれ要望が全く違うんですよね。システムが汎用的に作られているので、その中で何ができるのかということを精査しています。
大久保:
中古品は特に、高額品から安いもの、物の大きさまで商材の幅が広いですよね。家具・家電など大型商品を扱うリユース店舗もあるので、最近はジモティとも連携をしました。
様々な店舗さんのレンジに合わせて必要な機能を開発しているので、私たちも店舗さんに成長させてもらっていると思います。店舗さんのことを私たちはお客さんと呼ばずに、「パートナー」と呼んでいるのですが、ワールドスイッチはパートナーさんと共に作っていく共創型のシステムだなと改めて考えています。
その分成長する時は簑原さんには負担をかけていると思いますが、どうしてそんなに応えようとしてくれるんですか?
簑原:
私は元来マイナス思考の人間なのですが、自分が何かを作るということに関しては妙にポジティブな部分があると感じています。あまり根拠がなくても、「できるんじゃないか」とすぐ思ってしまいます。実際に手をつけてみると色々なアイデアが浮かぶので、そんなやり方で乗り越えてきたと思っています。
ワサビが目指すこれから
大久保:
他にも、関連する様々なシステムを考えています。今年開発する予定があるのは、本来粗大ゴミとして回収されてしまう物をリユース品として回収できるような仕組みです。まだまだ使えるようなものが破壊されてリサイクルや廃棄処分をされていますが、新しい仕組みを作ったらごみや処分のためのエネルギー消費を減らすことができるのではないかと考えています。
よく私は海外に行くのですが、ヨーロッパなどと比べると日本にはリユースの文化がまだまだ根付いていないと感じます。環境に対して意識を持って消費先を選ぶ流れは近年増えてきてはいますが、私たちの提供するものでその流れを加速させられたら嬉しいですね。ビジネスにもなり、環境問題にも効果があるような、意義のある仕事をやっていきたいです。
三崎:
これまで、システムサポート部は全員でパートナーさん(店舗)の対応をしていたのですが、去年末から担当制へと変わりました。ですので、更に一人ひとりのスタッフのクオリティを上げていけたらと思っています。一部のスタッフだけが頼りにされるのではなくて、ワサビという会社全体や、スタッフ各人に対する信頼が高まるように努力したいです。
また、ワサビのスタッフや関わってくれているパートナーさんが相互に質問しあえるような、大きなコミュニティを作って行きたいと思っています。
簑原:
システム開発部としては、機能の実装をとにかく早めていきたいです。現在1モールあたりの連携開発に3ヶ月ほどかかっているのですが、AIの力など活用しながら速度を早めていくつもりです。
また、ワールドスイッチのAPIを公開予定なので、連携できるシステムが加速度的に増えることを期待しています。
大久保:
この冬ワールドスイッチの新しいプランとして、無料で始められる「ライト版」をリリースしたので、さらにより多くの店舗さんの売上を上げていけたら嬉しいです。ワサビが日本から海外への販売を増やす救世主のような存在になることを目指して、これからもサービスを提供し続けていきます。
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- ワールドスイッチ
一括出品・受注、買取管理・在庫連携を備えた、
簡単に複数モール管理ができる中古品業者特化型ECショップ一元管理システムです。
サービスページ:https://wasabi-inc.biz/world-switch/
- ワールドスイッチライト版
売り上げ月間10万円まで完全無料で使える新プラン。
出品できる国内外モール数は従来のワールドスイッチと同じで、
これから越境EC販売に挑戦したいと考えている皆様におすすめです。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000042554.html
- ワールドスイッチ 開発者向けオープンAPIの公開を予定
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000042554.html
- WASABIプロジェクト
丸投げ型の越境ECプロジェクトです。
日本語で商品情報を入力し、売れたら国内倉庫に送るだけの簡単ステップで、
越境ECにチャレンジできます。(固定費完全無料・販売手数料のみ)
サービスサイト:https://wasabi-inc.biz/wasabipj/
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<株式会社ワサビについて>
海外販売向けコンサルティングを始めとした越境EC向けECソリューション事業を行っています。日本が扱う質の良い商品を、海外で効率的に販売できる国内外EC管理システムを開発、運用しています。
また、リユース業界のさらなる発展を促し、環境・経済ともに持続可能な社会を目指すイベント「リユースフェス」の事務局を務めるなど、イベント運営にも力を入れています。
株式会社ワサビ
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インタビュー・文:坂田 佳菜女
写真:西崎 幸生