プレスリリース
弟に裏切られたミラノ公爵の復讐と赦し、そして植民地支配を描くロマンス劇! 徹底注釈&詳細な解説、シェイクスピア自身が参照した資料の抄訳付き!
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:夏野剛)は 2024年2月22日(木)に、シェイクスピア、「最初」で「最後」の傑作ロマンス劇『新訳 テンペスト』(シェイクスピア 河合祥一郎=訳 角川文庫)を発売します。400年前に発表された作品でありながら植民地支配について描いており、シェイクスピアの人間社会の理不尽さを批判する視座の高さ・解像度の高さに驚く内容です。
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本書は2003年に発売された『新訳 ハムレット』からつづく、シェイクスピア新訳シリーズの第15弾です。なお、訳者の河合祥一郎氏は日本シェイクスピア協会元会長で、河合訳は原文の韻を日本語で忠実に反映していると定評があります。
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本作はシェイクスピア「最初」で「最後」の傑作です。最初というのは、シェイクスピアの最初の一巻本全集の筆頭に掲載された劇だから、最後というのはシェイクスピアが単独で書いた最後の作品だからです。
また、本作は弟に裏切られたミラノ公爵の復讐と再生、そして植民地支配を描くロマンス劇でもあります。「1600年代の演劇で植民地支配がテーマになるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、イングランドによる米大陸初の植民地建設が1607年で、本作はその4年後である1611年に執筆。シェイクスピアは今から400年前に植民地主義を批判するエピソードをテーマに組みこんでいたわけです。その視座の広さや解像度の高さに驚きます。シェイクスピアは万の心を持つと評されますが、人間社会の理不尽さへの嗅覚が本当にするどい作家だったことがよくわかります。
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また、作品を理解するのに不可欠な、訳者による徹底した注釈と、シェイクスピアが参考にしたであろう作品や関連作(1609年バミューダ海域遭難の二つの手記や、ウィリアム・ストレイチー『騎士サー・トマス・ゲイツの遭難と救済の真の報告』抄訳、シルヴェスター・ジュアデイン『バミューダ諸島、別名悪魔の島の発見』全訳、ジョン・フローリオ訳のモンテーニュ「人食い人種について」抄訳)も掲載されており、すでに『テンペスト』の内容を知っている読者にとってもお得でスペシャルな1冊となっています。
あらすじ
邪悪な弟にミラノ公爵位を奪われ、娘ミランダとともに島流しにされたプロスペロー。そんな目に遭わせたナポリ王と弟への復讐を誓い、12年後、魔法で大嵐を起こし、彼らを載せた船を難破させ、島に上陸させる。一行からはぐれ、一人、島に辿り着いた王子はミランダと恋に落ちる。プロスペローはそれを利用し、復讐を果たして公国を取り戻そうとするが…。赦しと再生、そして植民地支配を描いたシェイクスピア単独執筆最後の傑作。
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『新訳 テンペスト』について
書誌情報
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『新訳 テンペスト』(角川文庫)
著:シェイクスピア
訳:河合祥一郎
発売:2024年2月22日(木)
定価:968円 (本体880円+税)
ISBN:9784041141953
発行:株式会社KADOKAWA
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322306000246/
著者プロフィール
ウィリアム・シェイクスピア
1564年、イギリス中部のストラットフォード・アポン・エイヴォンで、商業を営む父と旧家出身の母との間の第三子として生まれる。82年、18歳で8歳年長のアン・ハサウェイと結婚、一男二女をもうける。故郷をはなれ、やがてロンドンで詩人・劇作家として幸運なスタートを切る。94年、新しく組織された劇団「宮内大臣一座」の幹部座員として名を連ね、俳優兼座付作者として活躍。およそ20年間劇作に専念し、劇作家として名をなす。1616年没。
河合祥一郎(かわい・しょういちろう)
1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)、『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)、『NHK「100分de名著」ブックス シェイクスピア ハムレット』(NHK出版)など。角川文庫よりシェイクスピアの新訳、『不思議の国のアリス』、「新訳 ドリトル先生」「ポー傑作選」シリーズなどを刊行。
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