プレスリリース
7月29日刊行の絵本『秋』は、かこさとしさんが作家としてデビューする前に自身の戦時中の体験をもとに描いた、初めて世に出るオリジナル作品です。
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https://cocreco.kodansha.co.jp/catalog/0000353040
自宅の倉庫に半世紀以上眠っていた、未発表作品
かこさとしさんは、「だるまちゃん」シリーズなどで知られる絵本作家で、3年前の2018年5月に92歳で亡くなりました。このたび、未発表作品『秋』を刊行することになったのは、昨年、コロナでステイホームの期間中、加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が古い作品を整理していたところ、見つけたのがきっかけでした。最初の原稿執筆は1953年、元々は、子どもたちに読み聞かせる紙芝居として制作されたものでしたが、絵本として出版するときの編集上の注意などが書かれた原稿用紙が一緒に見つかり、かこさんがこの作品を絵本にしようとしていたことが明らかになりました。
平和を願う、かこさんの強い思いが込められた作品
テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。
太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話で、
戦争の悲惨さに怒り震える気持ちを、いつまでも忘れないようにと
子どもたちに伝えようとした作品です。
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(本文より)
私はちいさいときから、秋が大好きでした。
ところが、そのすてきな秋を、
とてもきらいになったときがありました。
とてもいやな秋だったことがあります。
それは、今からずっとむかしの、
昭和19年のことでした。
“この絵本は、子どもたちの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!”
かこさとし
1926年、現在の福井県越前市に生まれる。工学博士。技術士(化学)。東京大学工学部卒業後、化学会社に勤務しながらボランティアで子どもたちと関わり、『だむのおじさんたち』で絵本作家としてデビュー。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』をはじめ、『かわ』『宇宙』などの科学絵本も含め、著作は600作以上に及ぶ。菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、巖谷小波文芸賞など受賞多数。越前市にかこさとしふるさと絵本館「石石(らく)」、だるまちゃん広場(武生中央公園)がある。2018年5月没。公式ウェブサイト https://kakosatoshi.jp/
【書誌情報】
書名:『秋』
サイズ・ページ:AB判36ページ
定価:1760円(税込)
講談社刊
プレスリリース提供:PR TIMES