プレスリリース
日本ユニセフ協会、緊急募金受付開始
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=nO3yiXgXae8 ]
【2022年2月24日 ジュネーブ発】
ユニセフ(国連児童基金)は、パートナーとともにウクライナの人道支援の最前線に立ち、長引く紛争の影響を受けた厳しい状況にある子どもたちやその家族に、支援を続けています。危機が深まる中、人々の命をつなぐ水、保健・医療をはじめ、避難を始めた人々への緊急支援、教育を継続するための支援、子どもたちの心のケアなど、同国の750万人の子どもたちの支援ニーズは急速に高まっています。
ユニセフは、すべての紛争当事者に対し、子どもたちを危険から守り、ユニセフをはじめとする人道支援機関が必要な支援を安全に届けられるようにすることを強く求めるとともに、ウクライナの子どもたちやその家族への支援を拡大するため、6,640万米ドル(約70億円)の資金支援を国際社会に要請しました。これを受け、(公財)日本ユニセフ協会は、ウクライナでのユニセフの活動を支えるための緊急募金の受け付けを開始しました。
ウクライナの現況とユニセフの活動を、最新のユニセフ情勢レポートより抜粋してお知らせします。
*下記内容は、2月24日時点のものです。
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[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1906/resize/d5176-1906-10213d05ff4ce7fc2b56-0.jpg ]
【ウクライナ現況】
ウクライナ政府管理下にある地域と親ロシア派が支配する地域を分断するコンタクト・ライン(接触線)沿いの治安情勢は非常に不安定な状態が続いています。2月23日には、ウクライナ政府は翌24日からの全国的な非常事態を宣言しました。
およそ8年続くウクライナ東部の武力紛争は、ドネツク州とルハンスク州に住む51万人の子どもを含む340万人の市民に大きな犠牲を強いています。この長引く危機により、コンタクト・ラインの両側に住む子どもたちやその家族の日常生活は崩壊し、人々は継続的に人道支援を必要としています。
最新の情報によると、この1週間でウクライナ政府管理下の地域で3カ所、親ロシア派支配地域でも3カ所の教育施設が被害を受けました。親ロシア派地域では、学校は2月21日から閉鎖されており、いつ授業が再開されるのか、情報は得られていません。現在、35万人以上の学齢期の子どもたちが教
育を受けられずにいます。ウクライナ政府側では、教育省によると、コンタクト・ライン沿いの地域の治安悪化により、5,500人以上の生徒が通う33校が閉鎖され、対面授業ができなくなっています。
重要な水・衛生設備、電気・暖房設備、学校インフラ等が被害を受け、子どもたちの安全な住居、水、学校へのアクセスは脅かされています。ジェンダーに基づく暴力や子どもへの暴力への対応、心理社会的ケア等の保護サービス、予防接種や緊急医療サービスを含む質の高い医療サービスへのアクセスの必要性も切迫しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1906/resize/d5176-1906-1fd0d5458923cb45837e-1.jpg ]
【分野別支援内容】
●保健
東部、中部、西部の9つの自治体において、国内避難民の緊急人道支援ニーズに対応するための重要な保健・医療物資を備蓄することで、地方当局の緊急事態への備えと対応を支援しています。またクラマトルスク、ノボロディブカ、マリウポリ、マリンカ、バフムトでは移動式保健チームを通じて、コミュニティにおけるプライマリ・ヘルスケア、緊急のトラウマケア、必要不可欠な保健サービスを提供するなど、中長期的な体制構築を視野に、地域の保健施設の能力強化を続けています。
●水と衛生
地方当局の要請を受け、給水車で水を提供したり、地元のメーカーから現物給付支援として受け取った5リットルボトル入りの飲料水3,840本を配布したりしています。
●子どもの保護
10の移動式チームが、ウクライナ政府管理下にある地域で暮らす子どもと養育者に心理社会的ケアを提供するとともに、最も厳しい状況に置かれた子どものいる家族に対するケースマネジメントの支援を行っています。ウクライナ政府管理下にある地域では、子どもの保護ホットラインが設置され、施設からの子どもの避難も計画されています。さらに、避難している子どもやその家族に重要な支援を提供するため、子どもにやさしい空間を設置する可能性を探っています。
●教育
内務省、国家緊急事態サービス、自治体、その他のパートナーと協力し、教師、ボランティア、教育施設の管理スタッフを対象に、ライフスキル教育、心理サポート、紛争解決や非暴力コミュニケーション、心理社会的支援などに関する一連の訓練を実施する予定です。また緊急事態への備えに関する手順の策定と、学校関係者の訓練を支援しています。
●社会的保護
厳しい状況にある家庭3,000世帯への追加の現金給付支援を計画しています。現金ワーキンググループおよび社会政策省と緊密に連携し、現金給付支援の実現可能性に対する調査が開始されており、ユニセフは関連する技術支援を行う予定です。また国の社会保護システムの準備状況に対する調査を支援し、必要に応じて多目的な現金給付支援に備えるため、準備を進めています。
●物資供給と物流
ユニセフ・ウクライナ事務所は現在、3,000世帯を支援するのに十分な医療、衛生、緊急教育物資をキエフとクラマトルスクの倉庫に備蓄しています。子ども用の冬服、保健物資、レクリエーション・キット、幼稚園キット、水と衛生用品を含む最初の支援物資は、2月28日から3月3日の間にキエフに届き、2万人以上に提供される予定です。
状況の不確実性や、支援物資の空輸にかかる多大なコストと物流上の課題を考慮すると、優先事項は、キエフの利用可能な倉庫に必要な物資を備蓄し、自治体との合意に応じて、各州に配送することです。状況が許せば、最初の支援物資は国連の輸送チームによって親ロシア派の支配地域に届けられ、現地パートナーを通じて配布される予定です。水と衛生、保健、子どもの保護、教育活動を支える2回目の物資配送は、3月5日から7日にかけて行われ、4万人の人々に提供される予定です。詳細な配布計画は現在策定中です。
ユニセフは、ウクライナ東部における長期的な危機に対する人道支援を継続的に行い、国全体で高まる人道支援ニーズに応じて支援の規模を拡大していく予定です。そして、安全、保健、教育、心理社会的支援、保護、水と衛生サービスに対する子どもたちの権利を引き続き守るために、総額6,640万米ドルを国際社会に要請しています。
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ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い
8年にわたる東部地域の紛争や、昨今の武力行為の激化の影響を受けるウクライナの子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けております。水や電気を絶たれたり教育の機会を奪われたり、避難を余儀なくされるなど、紛争による直接的・間接的な影響を受ける子どもたちをはじめ、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
■ 募金受付ページ ■
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/ukraine/
※ クレジットカード/インターネットバンキング/Amazon Pay/携帯キャリア決済/コンビニ支払がご利用いただけます。
※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
■ Youtube動画:【ウクライナ緊急募金】ウクライナの子どもたちへのご支援を
https://youtu.be/nO3yiXgXae8
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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