プレスリリース
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【2022年2月3日 ニューヨーク発】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、数百万人の女の子にとって、女性器切除(FGM)のリスクが高まっています。学校閉鎖やロックダウン、そしてこの有害な慣習から彼女たちを守るためのサービスが中断されていることが原因で、今後10年の間に、FGMを受ける女の子が200万人増える可能性があります。
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ユニセフ(国連児童基金)・有害な慣習防止担当シニア・アドバイザーのナンカリ・マクサドは、以下のように述べています。「FGM根絶への闘いは、形勢が悪くなっています。この慣習が最も広く行われている地域では、何百万人もの女の子が悲惨な状況に置かれています。女の子たちが、必要不可欠なサービス、学校、コミュニティのネットワークを利用できない場合、FGMのリスクは著しく高まり、彼女たちの健康や教育、未来までも脅かすことになります。2月6日に『FGM根絶の日』を迎え、COVID-19のパンデミックがまもなく3年目に突入しようとしている中で、私たちは軌道修正し、あらゆる場所でこの慣習を終わらせるために、再び団結し、十分な資金を充て、行動を起こさなければなりません」
FGMは女の子の権利の侵害です。健康面では、深刻な合併症を引き起こし、死に至る可能性もあります。また、児童婚や中途退学のリスクが高まり、彼女たち自身にとって、また家族やコミュニティにとって、より良い未来を築く力が脅かされることにもなります。
FGMに関連する入手可能な最新のデータは以下の通りです。
現在、少なくとも2億人の女の子と女性がすでにFGMを受けています。また、2030年までに、COVID-19によって、さらに200万人の女の子がFGMのリスクに晒される可能性があります。その結果、FGM根絶に向けた取り組みの成果が、33%も失われることになります。
懸念すべき傾向が現れ始めています。FGMを受けた女の子や女性の約4人に1人、つまり世界で5,200万人が、医療従事者によって施術を受けたとされています。10代の女の子は特にその割合が高く、約2人に1人とされています。これは、FGMの医療化が進んでいることを表しています。
FGMに関するデータが入手可能な31カ国のうち15カ国は、すでに紛争や貧困の拡大、不平等などの問題に苦闘している国々です。こうした問題は、世界で最も厳しい状況に置かれ、孤立し、すでにあらゆる危機に晒されている女の子たちに、さらなる危機をもたらしているのです。
FGMがいまだにかなり一般的に行われている、ジブチ、ギニア、マリ、ソマリアなどの国々では、約90%の女の子がFGMの被害を受けています。
約半数の国で、FGMの低年齢化が進み、未然防止が難しくなっています。例えばケニアでは、過去30年の間に、FGMを受ける平均年齢が12歳から9歳へと下がっています。
FGM根絶に向けた前進は可能です。30年前と比較すると、現在、女の子がFGMを受ける可能性は3分の1低くなりました。しかし、2030年までにFGMを根絶するという世界目標を達成するためには、少なくとも10倍のスピードで取り組む必要があります。COVID-19、貧困の拡大、不平等、紛争など、複数の危機が重なり、何百万人もの女の子にとって、FGMのリスクが高まっています。
この20年の間に、FGMが広く行われている国で暮らす女の子や女性のうち、この慣習に反対する人の割合は2倍に増えました。
FGM根絶に向けた取り組みを加速させ、女の子が平等な社会と経済発展に貢献できるようにするためには、女の子たちが教育、保健ケア、雇用の機会を得られるようにすることが非常に重要です。
注記:
2012年、この慣習の根絶に向けた取り組みを強化し、方向付けることを目的に、国連総会は2月6日を「FGM根絶の日」と定めました。
ユニセフと国連人口基金(UNFPA)の合同FGM根絶プログラムは、FGMが広く行われている17カ国への支援を通じて、FGM根絶に向けて取り組んでいます。このプログラムは、女の子と女性が健康、教育、収入、平等における権利を実現する機会を作り、この有害な慣習を支える不均衡な力関係を解消することを目的としています。
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■ ユニセフについて
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