プレスリリース
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【2022年1月19日 スバ(フィジー)発】
2022年1月15日(土)午後、海底火山であるフンガ・トンガ フンガ・ハアパイ火山が激しく噴火しました。この噴火は過去30年間で世界最大級といわれ、高さ1.2mの津波を引き起こし、トンガの首都ヌクアロファの沿岸地域をはじめ、海抜の低い島々に押し寄せました。
国土の大部分は火山灰に覆われ(厚さ5〜10cmになった地域も)、水や食料の供給に影響が出ており、大気環境も懸念されています。一時絶たれていた電力は、トンガタプ島の大部分で復旧しましたが、依然として燃料不足の状態が続いています。
トンガの人口は約10万5,000人で、3人に1人は15歳未満です。人々が暮らしているのはトンガの171の島々のうち45島です。初期推計によると、人口の84%が火山噴火と津波の影響を受け、ほぼ全ての人(99%)が火山灰の影響を受けています。
トンガとの通信や島嶼間の通信はおろか、衛星電話さえも断続的にしか使えないという困難な状況が続いています。そのため、火山噴火と津波による実際の影響はまだ十分に評価されておらず、住民の支援ニーズもまだ特定できていません。ユニセフ(国連児童基金)は、ニーズ評価に基づき、トンガ政府の緊急対応を支援する予定ですが、ユニセフ・太平洋島嶼国事務所はすでに、パートナーから入手できる情報やユニセフの人道支援における経験を活かして、いわゆる「後悔しない(No regrets)アプローチ」で、トンガの子どもたちとその家族に命を守る支援を提供する準備を進めています。
その支援内容は、以下の通りです。
石けん、生理用品、歯ブラシ、歯磨き粉などを含む水と衛生キットや、折りたたみ式ジェリー缶を各家庭に配布し、携帯用検査キットで水質を検査することで安全な飲料水を利用できるよう支援します(トンガで暮らすほとんどの人々がタンクに溜めた雨水に頼っており、その多くが火山灰で汚染されています)。また、適切な衛生対策を施すことで、浸水地域において水に起因する感染症が蔓延するのを防止することができます。
基本的な医薬品(水に起因する感染症、その他感染症などの治療薬)、基本的な診断機器、医療器具、小型手術器具などを含む保健キットを提供します。さらに、栄養補給のための物資(ビタミンA、駆虫錠、微量栄養素パウダー、高エネルギービスケット、鉄、葉酸、酸)、低浸透圧経口補水塩(ORS)、5歳未満児の栄養不良に対応する治療食も提供します。
6歳以上の子どもたちに、ボール、縄跳び、ハッキーサック、文房具、ボードゲームなどのおもちゃを含むレクリエーションキットを提供します。6歳未満の子どもたちには、絵本、パズル、クレヨン、ドミノ、積み木などのおもちゃを含む「乳幼児期の子どもの発達(ECD)」キットを提供します。
人口の多い5つの島で、80人の教会ボランティアが心理的応急処置、心理社会的支援を提供します。彼らは以前、子どもたちやその家族がトラウマへ対処することを手助けするための、ユニセフによる訓練を受けています。子どもにやさしい空間も設置し、子どもはプレイセラピーとして社会レクリエーション活動に、おとなはコミュニティでの対話に参加できるよう支援します。
必要不可欠なインフラが大きく損傷・損壊している地域において、仮設の診療所や仮設の学習スペースのためのテントを設置します。学習スペースには、教師と生徒の学用品が入ったキット「箱の中の学校(School-in-a-box)」が提供されます。
ラジオ、テレビ、ポスター、チラシなどを通じて、命を守るための行動を促進し、人々の意識を高めます。また、ボランティアによる戸別訪問やコミュニティでの対話の促進も行います。
ユニセフは、トンガ政府に対し、水と衛生に関する支援活動を主導する保健省の環境衛生部門を通じて、調整業務や情報管理などの技術支援を行います。
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ユニセフ・太平洋島嶼国事務所は、トンガ政府に緊急支援を提供するため、フィジーにあるユニセフ倉庫と、オーストラリアのブリスベンにある人道支援物資倉庫に備蓄していた緊急支援物資の輸送に取りかかっています。水と衛生物資やレクリエーションキットは、オーストラリア政府による人道支援ミッションを通じて、オーストラリアから届けられているところです。追加物資は、輸送が可能になり次第、フィジーにあるユニセフ倉庫から発送されます。
トンガでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で、現在も国境が閉鎖されていますが、ユニセフはトンガ政府や現地にいるパートナーと協力して、子どもたちや家族が緊急に必要としている支援を提供できるよう取り組んでいきます。
火山噴火と津波の影響を受けたトンガの人々の当面の人道支援ニーズに応えるために、ユニセフは116万米ドルの資金支援を必要としています。なお人道支援ニーズは、政府による初期被害評価が完了後、大幅に増加することが見込まれます。
*本プレスリリースは、1月19日現在の情報を元に作成しています。
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ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トンガでの噴火や津波の影響を受けた子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/disaster/2010.htm
2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「自然災害」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
プレスリリース提供:PR TIMES