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公益財団法人日本ユニセフ協会

教育危機:1億4,000万人の初登校日が延期【プレスリリース】

(PR TIMES) 2021年08月24日(火)17時45分配信 PR TIMES

対面授業を1年以上待つ子どもも


[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1793/resize/d5176-1793-cf6d598702fc9522b8fe-0.jpg ]

【2021年8月24日 ニューヨーク発】

初登校の日は、世界中の新入生やその両親にとって記念すべき瞬間です。しかし、世界の多くの地域で夏休みが終わり、新年度が近づいている中、ユニセフ(国連児童基金)が発表した新しい分析によると、推定1億4,000万人の子どもたちの初登校の日が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のために延期されていることがわかりました。

このうち推定800万人の生徒たちは、COVID-19のパンデミックで学校が閉鎖されている地域に住んでいるため、初めての対面授業の日を1年以上待っています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1793/resize/d5176-1793-db88d53f1be88b28a971-1.jpg ]

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは「初登校は、子どもたちにとって人生の転機となる瞬間であり、その子どもの教育と成長の道を切り開くものです。私たちの多くは、どんな服を着ていたか、先生の名前は何だったか、誰が隣に座っていたかなど、数え切れないほどの小さな思い出を持っています。しかし、何百万人もの子どもたちにとって、その大切な日が無期限に延期されています」と述べています。「世界の多くの地域で授業が再開される中、何百万人もの1年生が教室の中を見るのを1年以上も待っており、さらに多くの子どもたちは、今学期は一度も教室を見られないでしょう。最も厳しい状況にある子どもたちにとっては、一生教室に入ることができない可能性が急激に高まっています」

1年生では、読み書きや算数など、将来の教育の基礎となる要素を学びます。また、この時期の対面授業は、子どもたちが自立し、新しい日常生活に適応し、教師や生徒たちとの有意義な関係を築くことにつながります。また、教師が対面授業を行うことで、子どもたちの幸せに悪影響を及ぼす可能性のある学習の遅れやメンタルヘルスの問題、虐待などに気付き、対処することができます。

2020年、世界中で学校が完全に閉鎖され、平均授業日数は79日でした。しかし、1億6,800万人の生徒たちにとっては、パンデミックが始まってからほぼ1年間、学校が閉鎖されたことになります。現在も、多くの子どもたちが、前例のない2年目の教育の中断に直面しています。学校閉鎖に伴う学習損失、精神的苦痛、ワクチンの未接種、さらに中途退学、児童労働、児童婚などのリスクの高まりは、多くの子どもたち、特に重要な発達段階にある年少の生徒たちに影響を及ぼします。

[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1793/resize/d5176-1793-49318fb507fef052c73c-2.jpg ]

世界の国々で遠隔学習を提供するための行動が取られていますが、少なくとも小学生の29%には届いていません。遠隔学習のための機器がないことに加え、技術を使うための支援がない、学習環境が整っていない、家事をしなければならない、働かなければならないなどの理由で、最年少の子どもたちが参加できないことがあります。

学校生活への移行期における有益な経験は、将来の社会的、情緒的、教育的成果につながることが研究で明らかになっています。同時に、幼い頃に学習が遅れた子どもたちは、学校で過ごす残りの期間も同じように遅れることが多く、その差は年々広がっていきます。また、子どもが教育を受けた年数は、子どもの将来の収入に直接影響します。

世界銀行は、緩和措置を講じなければ、この世代全体の収入は長期的に10兆米ドルも失われると推定しています。既存のエビデンスによると、教育格差に対処するためのコストは、早期に取り組むほど低く、効果的であり、教育への投資が経済の回復、成長、繁栄を支えることがわかっています。

ユニセフは各国政府に対し、一刻も早く対面授業を行うために学校を再開し、生徒たちのために教育を取り戻す包括的な対策を行うよう求めています。ユニセフは世界銀行、ユネスコ(国連教育科学文化機関)と共同で、各国政府に対し、学校の復興に向けた3つの重要な優先事項に焦点を当てるよう呼びかけています。

すべての子どもと若者が学校に戻り、教育、保健、心理社会的支援などのニーズに応じたサービスを受けられるようにすることに的を絞ったプログラム
生徒たちが学習損失を補うための、効果的な補習授業
教師が生徒たちの学習損失に対処し、デジタル技術を授業に取り入れるための支援


「初登校の日は、希望と可能性に満ちた日であり、良いスタートを切るための日です。しかし、すべての子どもたちが良いスタートを切っているわけではなく、まったくスタートできていない子どもたちもいます。一刻も早く、対面授業を行うために学校を再開し、パンデミックによってすでに生じてしまった教育格差に、直ちに対処しなければなりません。そうしないと、追いつけない子どもたちが出てくるかもしれません」(フォア)

ユニセフは今後数週間、この教育危機が教育の大惨事になることを防ぐために、パートナーや人々を動員していきます。オンラインやオフラインのキャンペーンでは、『一刻も早く対面授業を行うために学校を再開する』という共通の目的のもと、世界の指導者、教師、親たちに呼びかけます。世界で最も弱い立場にある子どもたちの未来がかかっているのです。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/



プレスリリース提供:PR TIMES

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