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「危機の30年」の秘話満載! 元外相・高村正彦氏のオーラルヒストリー『冷戦後の日本外交』(新潮選書)が発売開始。

(PR TIMES) 2024年06月28日(金)16時40分配信 PR TIMES


ここ30年の日本外交を一貫してリードしてきた元外相・高村正彦氏のオーラルヒストリー『冷戦後の日本外交』(新潮選書)が本日、刊行となりました。4人の一線の研究者の質問に答える形で、高村氏が自身の言葉でこれまでの軌跡を振り返っています。
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本書は、外務大臣や自民党副総裁などの要職を歴任された高村正彦氏のオーラルヒストリーです。主として外交・安全保障の問題について、その分野に詳しい専門家の問いに答える形で、ご自身の言葉でその軌跡を振り返っています。

本書で特に印象的なのは、高村氏の類い希なるバランス感覚です。第2次安倍政権の時に成立した平和安全法制では、理論的主柱として公明党との協議を担いつつ、一方で中国との関係が悪化しないように手を打っています。小渕政権の外務大臣として周辺事態法を成立させるなど、日米同盟強化のための施策も次々と手掛けられましたが、一方でその前の外務政務次官時代には、アメリからから断罪された国々(ミャンマー、カンボジア、イランなど)を国際社会に最低限つなぎ止めるための手立てを打つことに注力しています。

ロシア・中国・北朝鮮・イランなどが「悪の枢軸」化している現在から振り返ると、外交姿勢として「ちょっとぬるいのでは?」と感じる向きもあるかも知れませんが、外交官ならぬ外政家の役割は外交だけではありません。国民世論の中には「日本はアメリカベッタリだ!」と糾弾したがる反米的な部分も強いので、外政家はその「反米世論のガス抜き」という部分も意識する必要があるわけです。高村氏は、その辺の世論の読み方、差配のさじ加減が絶妙なのです。

高村氏には、「いくら筋論として正しいことでも実現の可能性がないことは政治的には無意味」というハッキリしたスタンスがあります。例えば、保守派に顕著な、「憲法9条二項があるから自衛隊が違憲なんて言われる。9条二項は廃止すべきだ」といった意見には、「そんなことを言ったってあるものは仕方ないし、それを廃止するハードルは高すぎて無理。だったら現実的に日本の平和と安全を保障するための政策を考え、制約のある中で受け入れ可能なロジックを考え出せばいい」と考える。そうして周辺事態法や平和安全法制をつくり、日中関係の現状維持に心を砕き(日中関係の基本4文書のうち、1998年の日中共同宣言、2008年の日中共同声明の2つは高村外務大臣の時代)、日米同盟の強化を図ってきました。2003年のイラク戦争の際には、「アメリカ支持」以外の選択肢がない日本が「受け入れられるロジック」を考え、国会でイラク戦争支持の演説もされています。それは、政治的に対立する陣営の人から見たら「ごまかし」や「詐術」に見えるかも知れませんが、実際に政権を担う保守派の政治家には必要な知恵だったと言えます。

現在は政治的な言説も含めて何でもスッキリとしてクリアカットなスタンスが好まれますが、国の平和と安全を担保するための外交活動には、どうしても曖昧でモヤモヤしたものが残らざるを得ません。高村氏は「別に外交は自分が気持ちよくなるためにやるわけじゃない」と割り切って考えておられますが、そうした曖昧、不透明、属人的な部分も引き受けてきた保守政治の知恵のようなものが、ある程度時間が経ってから振り返るとよく分かります。

本書は、平和安全法制制定の際に事務方として高村氏に併走した元国家安全保障局次長の兼原信克氏、安保法制懇メンバーでもあった細谷雄一氏、中国が専門の川島真氏、日本政治が専門の竹中治堅氏が聞き手となっています。これは、「自分に興味があり、かつ自分が大切であると考えていたこと以外はスコンと忘れてしまう」という高村氏の言説を引き出すには最適なメンバーであったと思います。

親しみやすいけれど知恵のある、そんな先人の昔話を聞くような気持ちで、気楽にお読み頂ければ幸いです。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47877/1518/47877-1518-46e35ec9d613e83ed202ebeb81f19610-1260x689.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■書籍内容
「外交の失敗は一国を滅ぼす」。1980年の初当選以来、その信条と共に政治活動を続けてきた希代の外政家・高村正彦。その軌跡は、国民世論と国際貢献の狭間で苦闘してきた冷戦後日本の姿と重なる。自衛隊の海外派遣、強大化する中国との関係、アジアの民主化、集団的自衛権の一部容認まで、日本外交の舞台裏を語る。


■著者紹介
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高村正彦氏
高村正彦
1942年生まれ。中央大学法学部卒。弁護士、元衆議院議員。1980年に初当選し、以来12回連続当選。94年の村山内閣で経済企画庁長官として初入閣。以来、橋本内閣で外務政務次官、小渕内閣で外務大臣、森内閣で法務大臣、第1次安倍内閣で防衛大臣、福田内閣で外務大臣をつとめた。第2次安倍内閣の時代には、自民党副総裁として集団的自衛権の限定行使を容認した平和安全法制の制定に尽力。2017年に衆議院議員を引退。現在は自民党憲法改正実現本部最高顧問。



兼原信克 同志社大学特別客員教授、笹川平和財団常務理事。元内閣官房副長官補、国家安全保障局次長。
川島真  東京大学教授
竹中治堅 政策研究大学院大学教授
細谷雄一 慶應義塾大学教授


■書籍データ
【タイトル】冷戦後の日本外交
【著者名】高村正彦 兼原信克 川島真 竹中治堅 細谷雄一
【発売日】6月27日
【造本】選書
【本体定価】1705円(税込)
【ISBN】 978-4106039126
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/603912/



プレスリリース提供:PR TIMES

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