プレスリリース
〜コロナ禍で市場転換進むベーカリー〜
CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:高橋誉則)にて、『暮らす人と共に歩み、共に考えるシンクタンク』をコンセプトとする「CCCマーケティング総合研究所」(以下「CCCマーケティング総研」)は、2023年5月の「産業動向レポート」および「産業天気予報(https://thinktank.cccmk.co.jp/industry-28)を発表いたしました。
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本レポートは、CCCMKホールディングス株式会社がT会員にサービス提供している家計簿アプリ「レシーカ」ユーザー(約5万人)のレシートデータと、CCCマーケティング総合研究所による全国主要企業へのヒアリング調査に基づき、独自の視点で「食」業態を中心としたレポートをお届けします。
コロナ禍で市場転換進むベーカリー
コロナ禍と輸入小麦の売り渡し価格の上昇により、ベーカリーの営業状況はコロナ禍前とは大きく様変わりしている。昨年末以降、流動回復はしているものの様々な原材料の価格上昇に伴い、ベーカリーでは値上げが不可避の状況に陥っており、値上げに伴い利用客数を減らしてしまっているケースもあるようだ。
コロナ禍直後は内食への回帰傾向が強まり、パン需要は堅調に推移した。内食時間の充実は、ホームベーカリーやホットサンドメーカーの需要拡大にもつながった。また、パン食機会の拡大は高級食パンの需要拡大にもつながり、国内に多くの高級食パンチェーンを出現させる結果になった。しかし、徐々に内食から中食・外食への転換が進むようになると、高級食パンチェーンは急拡大した勢いが一変し、店舗数の減少が全国的に広がっている。
高級食パンは拡大当初から、喫食機会の限界などから伸び悩みの懸念が指摘されていたが、ベーカリー自体もコロナ禍を経て、店舗数を減らしている地域が少なくない。コロナ禍前のベーカリーはカフェ需要の拡大を受けて、イートインを併設した店舗が増加する傾向にあったが、コロナ禍によって利用状況は一変し、個人経営店ではイートインスペースをなくす動きが拡大した。
また、ベーカリーでは販売形態の転換もコロナ禍によって進んだ点の一つだ。従来は利用者が好きなパンをトレイに自分で取って選ぶスタイルが一般的だったが、衛生懸念から個包装化が進展。さらにはカウンター越しにオーダーを受けた店員が入れるスタイルも増加した。
商品面でもコロナ禍前はバラエティ豊かな商品展開が重要視されており、商品数を競う傾向が見られていたが、コロナ禍による需要転換を受けて、ペストリー特化、あんパン特化、惣菜パン特化というように特定ジャンルの商品に絞り込みを行うベーカリーが増加傾向にある。高級食パン店のように、ほぼ単一のアイテムで勝負するベーカリーもあり、バラエティ訴求のチェーン店、スペシャリティ訴求の個人経営店というすみわけが進んできているような気配も見せている。また、この業態転換に合わせ、立地、店舗規模にも変化が見られている。以前は流動客数重視の傾向から複合商業への出店が多くなっていましたが、最近は駅前や商店街の狭小店舗への出店が目立っており、商店街に特化型業態を複数展開するような新興勢力も出現している点は注目だ。
もはや国内におけるパン食は年齢層を問わず大きな広がりを見せており、価格面でも非常に幅広い受容性を示している。流動が回復し、世界初のベーカリーショップを日本でオープンした「ゴディバ」やベーカリー業態を展開加速する「成城石井」など、企業のベーカリー市場における視線は再び熱さを増している。インバウンド客にも国内のパンは高い人気を示しており、ベーカリー市場は一気に市場活性化が進んでくることが予想される。
2023年5月の「産業天気予報」
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[表: https://prtimes.jp/data/corp/983/table/962_1_a5feaa07508c3834fe8501c698c5be4d.jpg ]
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