プレスリリース
〜外食からリモデル進む伝統食・天ぷら〜
CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:高橋誉則)にて、『暮らす人と共に歩み、共に考えるシンクタンク』をコンセプトとする「CCCマーケティング総合研究所」(以下「CCCマーケティング総研」)は、2023年4月の「産業動向レポート」および「産業天気予報(https://thinktank.cccmk.co.jp/industry-27)を発表いたしました。
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本レポートは、CCCMKホールディングス株式会社がT会員にサービス提供している家計簿アプリ「レシーカ」ユーザー(約5万人)のレシートデータと、CCCマーケティング総合研究所による全国主要企業へのヒアリング調査に基づき、独自の視点で「食」業態を中心としたレポートをお届けします。
外食からリモデル進む伝統食・天ぷら
コロナ禍により外食需要が大幅に減少する中でも、できたてのおいしさを売りにする「天ぷら」は一定のニーズを保って推移してきた。接待需要が利用の大きなウエイトを占めてきたディナーレストラン型の高級店はコロナ禍の影響を大きく受けたが、カジュアルプライスの業態は幅広い年齢層と昼夜問わない需要に支えられ、外食需要が落ち込む中でも比較的安定した動きを見せていた。また、テイクアウトを強化し、売り上げを伸ばす企業も散見された。
外食店が一定のパフォーマンスを示す中で中食における「天ぷら」もコロナ禍においてはスーパーの惣菜部門を支えるアイテムとして堅調な動きを示してきた。さらに年末から続く様々な食品の値上げや水道光熱費が上昇してきたことが内食の天ぷら調理機会を減らし、中食における「天ぷら」はスーパーの惣菜の中でも上位安定している企業が多い。また、商品特性から取り扱いが少なかったコンビニエンスストアでも天ぷらを使った米飯・麺類の商品が増加し、堅調な売り上げを示している。
外食店の「天ぷら」はファストフード型の丼チェーンとコース提供を主体とする高級業態が中心となってきたが、九州・関西圏から揚げたてを提供するカジュアルな定食業態が関東圏にも進出し、商業施設を中心に出店数が増加してきている。
天ぷらはもともと野菜や魚介中心で肉類がほとんどなかったが、直近で店舗数を伸ばしているチェーンの多くは「とり天」を中心に肉系メニューを提供している点も大きな特徴となっている。「とり天」は揚げたてはもちろん冷めても劣化が少ないアイテムであり、テイクアウトにも適しており、その商品特性と原価の安定性から早くも中食・惣菜でも取り扱いが拡大してきている。
「天ぷら」は調理面では一定の技術が求められるため、もともと外食に優位性があるが、拡大基調にある天ぷら定食業態ではIHフライヤーを活用した調理技術革新が進められ、高い調理レベルを必要としない点も出店加速の背景となっている。
こうした新しい動きもあり「天ぷら」では外食・中食が拡大し、内食はやや押される傾向にあるが、内食においても「揚げずに焼く」天ぷら粉がヒットしており、注目される。
最近の外食業界の動きをみると「天ぷら」や「そば」といった長い伝統に支えられ、個人店優位で推移してきた業態で新たな業態モデルの動きが出てきている。これらの業態は底堅い需要が共通要素であり、わずかな業態のモデル転換でも大きな効果を上げることが可能である。コロナ禍は外食業態に様々なダメージを与えたが、一方で新たな業態創出の機会にもつながっている。従来のやり方、メニュー構成、調理法を見直すことで再活性化が図れる業態もまだ多数あるだろう。
2023年4月の「産業天気予報」
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CCCマーケティング総合研究所が発信している情報
●社会変容・生活様式などの変化を、生活者視点から捉えた意識調査
●約7,000万人のデータをもとに、世代や地域の特性把握をした調査
●オンラインセミナーによる調査内容の発信
●小売7業界の生活者動向と見通しを月次発信する「産業動向レポート」「産業天気予報」
CCCマーケティング総合研究所の概要
名称:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
URL:https://thinktank.cccmk.co.jp/
設立:2020年7月21日
所長:新橋実
生活者の消費データ、インサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために、2020年に発足しました。我々は『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努め、その声をもとに「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」のチカラによって皆さまの未来創造に伴走します。
プレスリリース提供:PR TIMES