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株式会社ポプラ社

【東京大学CEDEP×ポプラ社】絵本の読み聞かせの量と質が、幼児のかな文字読み能力と情動理解能力に関連することを明らかに

(PR TIMES) 2024年12月23日(月)11時15分配信 PR TIMES

知見の乏しかった日本の幼児を対象に、読み聞かせの量と質が子どもの発達に関連することを明らかにした点で新規性があり、今後、絵本の読み聞かせ活動の改善に役立つことが期待されます


[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/31579/941/31579-941-e284d818f7e638922c71696a33d7cb3a-1280x590.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
東京大学CEDEPとポプラ社との共同研究プロジェクトは、2019年に開始されました

2024年12月20日(金)、東京大学CEDEPとポプラ社との共同研究プロジェクトの成果が、一般社団法人日本発達心理学会編集・発行『発達心理学研究』第35巻第4号において公表されることとなりました。
論文を執筆したのは、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(CEDEP)の大久保圭介特任助教(研究当時:現 国士舘大学文学部講師)、佐藤賢輔特任助教、浜名真以特任助教、野澤祥子准教授の4名です。
論文「絵本の読み聞かせと幼児のかな文字識字および情動理解の関連:読み聞かせの質・量・開始時期に注目して」では、絵本の読み聞かせの量や質が、それぞれ幼児のかな文字読み能力と情動理解能力の発達とに関連することが明らかにされました。これまで知見の乏しかった日本の幼児を対象とした点、読み聞かせの量と質が子どもの発達とそれぞれ異なる仕方で関連することを明らかにした点で新規性があり、今後、家庭や保育施設等で行われる絵本を用いた実践活動の改善に役立つことが期待されます。
論文のポイントは、以下の3点です。

 1.3〜6歳の幼児および保護者を対象としたオンライン調査によって、家庭における絵本の読み聞かせの量が子どものかな文字を読む能力と、読み聞かせの質が他者の情動を理解する能力とそれぞれ関連していることを、日本の幼児を対象とした研究として初めて定量的に示しました。
 2.一方で、読み聞かせを開始した時期は、子どものかな文字を読む能力や他者の情動を理解する能力とは関連していませんでした。
 3.家庭や保育施設等における絵本を用いた実践活動について、それぞれのねらいに応じた方法の開発・改善への貢献が期待されます。

論文は、以下のウェブサイトでご確認いただけます。
 ◆J-STAGE
  https://doi.org/10.11201/jjdp.35.0086
論文の公開情報は、以下のウェブサイトでご確認いただけます。
 ◆東京大学大学院教育学研究科・教育学部
  https://www.p.u-tokyo.ac.jp/?p=6120
 ◆東京大学CEDEP×ポプラ社 子どもと絵本・本に関する研究
  https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/cedep-poplar

論文の詳細、研究内容については、以下に直接お問い合わせください。
 ・東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
 特任助教 佐藤 賢輔(さとう けんすけ)
 Tel:03-5841-8311 
 E-mail:kensuke@p.u-tokyo.ac.jp
 ・東京大学大学院教育学研究科 庶務チーム
 Tel:03-5841-3904 
 E-mail:edushomu@p.u-tokyo.ac.jp
東京大学CEDEPとポプラ社との共同研究プロジェクトについて
東京大学CEDEPとポプラ社との共同研究プロジェクトは、2019年に開始されました。デジタルメディアの普及が進み、乳幼児期にスマートフォンやタブレット端末に触れる子どもが増えるなか、一方では子どもと本の出会いの場であった地域の書店が減っており、子どもたちが絵本や本に接する機会が減っていくことへの強い危機感があります。
ポプラ社では「ひとりでも多くの子どもたちを本好きにしたい」という想いから、今こそ‘本’の価値を科学的研究の見地から見直すべきと考え、乳幼児や絵本に関する知見が豊かで、産官学との協創探究を目指す東京大学CEDEPと、この共同研究を開始することとなりました。
本研究では、子どもの発育発達プロセスにおける絵本・本の固有性や、認知能力・非認知能力の発達への寄与の可能性、保育園・幼稚園での絵本をとりまく環境などを、科学的アプローチによって明らかにしていくことで、デジタルメディア時代の絵本・本の新たな価値を発見し、その研究成果を広く社会に向けて発信することで、未来の子どもたちにより豊かな読書環境を提供することを目指しています。
本プロジェクトでは、子どもを取り巻く絵本・本環境を、エコシステムとして多層的に捉えた上で、子ども・家庭―園―地域それぞれのレイヤーの実態や関係性を把握するための研究を実施しています。なお、エコシステムの考え方は、発達心理学者U.ブロンフェンブレナーによる、人の発達を「人と環境(文脈)が相互作用し合うシステムのなかで複雑に規定される」ものとして捉える生態学的アプローチを参照しています。

共同研究プロジェクトの詳細は、以下のウェブサイトでご確認いただけます。
 ◆東京大学CEDEP×ポプラ社 子どもと絵本・本に関する研究
  https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/cedep-poplar

プレスリリース提供:PR TIMES

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