プレスリリース
〜Tポイントのデータを基に長崎大学の学生が「長崎市に住み続けたい」と思える施設を企画提案〜
国立大学法人 長崎大学(学長:河野茂)情報データ科学部では、CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:高橋誉則)にて『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として地方課題をさまざまな方と共に解決していくことを目指すCCCマーケティング総合研究所(所長:新橋実、以下「CCCマーケティング総研」)、長崎市(市長:田上富久)、および株式会社エヌタス(本社:長崎県長崎市、代表取締役社長:釜田雅彦)と協同して、Tポイントのデータを基に長崎の地域創生をテーマにした産学連携授業を実施いたしました。
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このたびの産学連携授業は、長崎大学 情報データ科学部にてデータマイニング・観光政策・観光ビッグデータを専門分野とする一藤裕准教授の講義「社会・観光情報学I」を受講する43名の学生がTポイントのデータを活用して、『Z世代が「長崎市に住み続けたい」と思える施設を企画提案』するものです。統計加工化したTポイントの購買データに加え、長崎バスやタクシーなどで使える地域ICカード「エヌタスTカード」の乗降に関わる統計加工データを基に、3回にわたるグループワークを実施。2022年12月16日(金)に企画プレゼンテーションが行われ、CCCMKホールディングス、長崎市およびエヌタスの担当者も参加し、長崎市の抱える課題や取り組みについての講義、企画提案へのコメントなども交えながら授業が行われました。企画プレゼンテーションでは、長崎に住む学生ならではのユニークな視点による8つの提案があり、主な企画は下記の通りです。
<流行のファッションやグルメを取りそろえた若者に特化した商業施設>
・長崎は転出超過が全国で第2位。人口が増加している福岡を参考に、大型商業施設を作ることを提案
・バス利用データを基に「浜の町」に商業施設を作り、長崎を出る若者世代の興味関心傾向が高いファッションやグルメの流行の店舗をテナントとして誘致
・これにより若者の県外流出が減り、加えて他県からの長崎への流入の見込むことができる
<若者が気軽に集まることができる統合施設>
・長崎市内の大学卒の半数が県外に就職。その理由は、可処分所得と基礎支出の差額が全国45位で示されている「就労」と「娯楽施設」
・若者が気軽に集まることができる統合施設を提案
・ライフスタイルデータを基に若者からのニーズが高い「就労情報」や「公共サービス情報」の無料相談、活動スペースを安く利用できるサービスを提供
・バス利用データから若者がよく行く長崎駅前エリアなどに建設し、プロモーションにはSNSやYouTubeを活用
<車を持てないZ世代向けの電動アシスト自転車の無料貸し出しサービス>
・長崎市は坂や道幅など交通事情に課題があるため、快適に利便性が高く手軽な移動手段として、電動アシスト自転車の貸出サービスを提案
・アプリを活用してキャッシュレス決済を主体にTポイント利用も可能
・バスの利用者が多いバス停に貸出スポットを設置し、24時間どこでも借りて返すことができ、生活の幅が広がり、二酸化炭素の排出量を減らし環境にも良い
■一藤裕准教授からのコメント
受講者を8グループに分割し、実データを使って身近な問題を解決するためにどうすればよいのかという課題に取り組んでもらいました。提供されたデータ(バスの降車データ、長崎市の住民の統計化された顧客DNAデータ)に加え、自分たちで必要となるデータ(公的統計データなど)を探しだし、提案を納得させる資料作りがどのチームも出来ていたと思います。短い準備期間でしたが、仮説を立ててそれを補強するためのデータの整理、提案によってどのような効果が得られるかを論理立てて説明する重要さを学べたのではないかと思います。今後もこのような機会を継続して提供して、学生の良い経験となればと考えています。
■CCCマーケティング総合研究所 財津涼子からのコメント
情報データ科学部の皆さんらしく、どのチームも「データ」としっかりと向き合い、現状課題の裏付けや、企画提案の根拠データとして有効に活用されていました。今回のワークセッションを通して、今、学んでいる「データ」が、社会の様々なところで活用されているということを少しでも実感することができたでしょうか。今回の経験が、これからの学びの一助なれば、嬉しく思います。
■長崎市 情報政策管理監 樋口成一氏からのコメント
皆さんの提案を聞いていて感じたのは、「100年にいちどの長崎」で変わる長崎駅周辺や長崎スタジアムシティは、若者が求めている『場』として成立できる可能性を感じました。その一方で、この情報が若者まで届いていないという事実を認識しました。今回は「施設(ハード)」がテーマでしたが、そのハードをどう活用していくか、若者に魅力的なものにしていくか、「ソフト」の充実にも皆さんの視点が必要だと感じました。そして、最も重要なのが、私たち自身(大人たち)が長崎市での暮らしを充実させ、その姿を次の世代に見せていくことだと気付かされました。
■株式会社エヌタス 八谷修氏からのコメント
発表方法や資料の作り方、仮説の立て方や分析等、しっかりと深掘りしているチームがいくつかあり、感心いたしました。その中には心に残るフレーズもありましたし、それぞれが時間をかけ熟考した結果の企画提案だと捉えました。
長崎大学、CCCマーケティング総研、長崎市およびエヌタスは、今回の産学連携授業から得た成果を、さらなる長崎地域創生につながる取り組みへと発展させていくことを検討してまいります。
長崎大学情報データ科学部の概要
長崎大学情報データ科学部は、工学部情報工学コースを母体とし2020年4月に学生定員110名、教員26名でスタート。令和5年度には学生定員が120名となるほか、令和6年度には大学院(修士・博士)の設置を予定しています。
本学部にはインフォメーションサイエンス(IS)コースとデータサイエンス(DS)コースの2コースがあり、ISコースを「ものづくり」、DS コースを「ことづくり」と捉え、この2つを車輪に見立て、自転車のように両方の車輪をバランスよく回転させながら前進していくイメージの元にカリキュラムを設計しています。
両方の知識・技術を学べるのが他大学にはない本学部の特徴であり、大きな強みとなっています。
CCCマーケティング総合研究所の概要
名称:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
URL:https://www.cccmk.co.jp/thinktanks
設立:2020年7月21日
生活者の消費データ、インサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために、2020年に発足しました。
我々は『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努め、その声をもとに「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」のチカラによって皆さまの未来創造に伴走します。
長崎市の概要
長崎MIRAISM(100年にいちどの長崎へ)
URL:https://nagasaki-miraism.com/
開港して450年以上の時を経て、これまで歴史や文化を大切に育んできた長崎市。
一方で、近年では、長崎のもざき恐竜パークや出島メッセ長崎、そして西九州新幹線が開業するなど、
100年の一度の変化の時を迎え、歴史や文化そして変化が溶け合いながら、まちが大きく進化しようとしています。
株式会社エヌタスの概要
会社名:株式会社エヌタス
設立:2018年7月2日
事業内容:
・電子マネーカード及びICカード乗車券の企画、プロモーション、発行に関する事業
・電子マネーカード及びICカード乗車券の販売、清算、集金、決済等のサービスに関する事業
・企業ポイント、クーポン等のサービスに関する事業
・クレジットカードサービスに関する事業 など
プレスリリース提供:PR TIMES