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アサヒビール株式会社

被災した土地で栽培した大麦を使ったウイスキー原酒の製造を開始

(PR TIMES) 2022年03月03日(木)17時40分配信 PR TIMES

ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所で「希望の大麦」を原料にした製造を2月から開始


 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 塩澤賢一)傘下のニッカウヰスキー株式会社は、東日本大震災で被災した土地で栽培した「希望の大麦」を使って、2022年2月よりニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所でウイスキー原酒の製造を開始しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16166/839/resize/d16166-839-4bc48aa71afe44966194-0.png ]

 今回原料として使用する「希望の大麦」は、一般社団法人東松島みらいとし機構(宮城県東松島市、代表理事 渥美裕介、以下、HOPE)が主導する「希望の大麦プロジェクト」で収穫した大麦です。グループ会社であるアサヒビールモルトのもとで製麦作業を行った麦芽約30tを本年分として仕込みました。今回のウイスキー原酒製造の取り組みは、「希望の大麦」の収穫量が増え、新たな使用用途や販売先を検討していたHOPEと、地域の原料を原酒製造に使用することで地域に貢献したいと考えたニッカウヰスキーの思いが合致したことで実現しました。本年からニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所で仕込みを開始し、将来、ウイスキー原酒としての活用を目指すことで、東北の活性化に繋げていきます。

 アサヒグループは2014年からHOPEと共同で「希望の大麦プロジェクト」に取り組んできました。このプロジェクトは、2011年の東日本大震災で被災した宮城県東松島市の沿岸部の津波被災土地を活用して、大麦を栽培することで、土地の有効活用を目指すものです。これまで同プロジェクトでは、大麦の栽培面積や生産量を拡大し、大麦を活用した菓子やクラフトビールなどの商品化を通して、東松島市の産業発展に取り組んできました。

 アサヒグループでは豊かな社会の実現に向けて設定した「アサヒグループ サステナビリティ基本方針」に則って、「環境」「人」「コミュニティ」「健康」「責任ある飲酒」の5つの重要課題を選出し、取り組みを進めています。「コミュニティ」においては、東日本大震災後の地域コミュニティの維持・再生と復興まちづくりの支援を目的とした助成活動などを通じて、地域の取り組みを後押ししてきました。今回、宮城県東松島市の「希望の大麦」を使用したウイスキー原酒の製造を新たに開始し、中長期的なものづくりを通して地域を応援することで、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献するとともにグループ理念であるAGPで掲げる「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」を目指します。

<補足資料>「希望の大麦プロジェクト」これまでの歩み
 
[画像2: https://prtimes.jp/i/16166/839/resize/d16166-839-934f99ff7add4275280c-1.jpg ]

“東日本大震災からの復興を中長期的に応援したい”という思いのもと、アサヒグループは2013年から、復興庁を通じてアサヒグループ社員を被災地へと派遣してきました。宮城県東松島市で復興事業に関する中間支援組織であるHOPEに派遣された当社社員が、被災地の方々が抱える悩みをヒアリングすると、「被災した土地を有効活用できないか」という声が上がりました。この課題を議論していく中で生まれたのが「希望の大麦プロジェクト」です。この取り組みは、ビールや飲料などの原料である大麦を、アサヒグループがこれまで培ってきた知見を活かして、海水を被って被災した広大な土地で育てるという挑戦です。2014年にスタートしたこのプロジェクトは立ち上げ当初、まずはHOPE職員の自宅の畑で30種類の種をまき試験栽培をすることから始めました。試験栽培が成功すると、次はより広い土地での試験栽培に取り組み、少しずつ栽培面積を増やしながら収穫量を増やしていきました。

[画像3: https://prtimes.jp/i/16166/839/resize/d16166-839-71cb3b1747d5e5db52ac-2.png ]



 収穫量を増やしていく一方で、2015年からは収穫した大麦の商品化に向けて動き出しました。大麦はそのままでは食べることができないため、何かしらの商品に加工することが不可欠です。現地に駐在していた当社社員は、商品化を実現するために情報収集や外部への交渉を重ね、まずは洋菓子への加工が実現しました。また、地ビールの各醸造所に対しても地道に提案を続け、クラフトビールの製造も決定します。2016年2月、「希望の大麦」を使った初めてのクラフトビール『GRAND HOPE(グランドホープ)』が宮城県のやくらい地ビール製造所から発売され、好評を博しました。

 2016年10月からは、アサヒグループでも積極的な商品展開に取り組みました。アサヒグループのクラフトビール醸造所「隅田川ブルーイング」では、「希望の大麦」を使ったクラフトビール『希望の大麦エール』を醸造し、グループの外食企業であるアサヒフードクリエイトの店舗で提供しました。また2017年には、「希望の大麦」を一部使用した新ジャンル「クリアアサヒ」の限定商品を発売しました。この「希望の大麦」を使ったクラフトビールと「クリアアサヒ」の期間限定販売はその後も毎年継続し、「希望の大麦プロジェクト」の取り組みを広く知ってもらう大きな機会となっています。2020年には「希望の大麦」を一部使った『アサヒスーパードライ 東北復興応援缶』を限定発売し、東北地方における復興支援に取り組みました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/16166/839/resize/d16166-839-7c7ca7e370c2b18ece6b-3.png ]

 ひとつひとつ課題を乗り越えながらプロジェクトは大きく成長し、当初からの目的である津波被災土地の活用に大きく貢献することができました。しかしながら「希望の大麦プロジェクト」が最終的に目指すものは、大麦の商品化ではなく、大麦の栽培や加工販売事業が東松島の産業として確立し、地域の活性化に繋げることです。今後、「希望の大麦プロジェクト」はHOPEが中心となり事業を進めていくとともに、アサヒビールは「希望の大麦」を使った新たな価値を提案することで、互いに真の復興を果たし、地域のさらなる活性化を目指していきます。

<HOPEからのコメント> 
[画像5: https://prtimes.jp/i/16166/839/resize/d16166-839-909a8feebfc30faa094e-4.png ]

 手探りで始まった「希望の大麦」の栽培でしたが、現在では栽培面積25haまで広がり、地域の産業として根付き、特産品としての知名度を高めています。2021年はHOPEでは、「希望の大麦プロジェクト」がより多くの人にとって身近で親しみやすいものになるように、「麦踏み」体験イベントを企画したり、地元の駅前でクラフトビールを楽しめるスタンディングバーを展開したりしています。今回のウイスキー原酒製造も、東松島のファンづくりのための一歩であると考えています。アサヒグループさんのご尽力により、ウイスキーを通じた新しいまちづくりが進んでいくことがとても楽しみです。



プレスリリース提供:PR TIMES

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