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住友商事株式会社

量子暗号技術に関するパートナーシップの締結について

(PR TIMES) 2021年05月20日(木)16時15分配信 PR TIMES

量子暗号技術の世界的なリーディングカンパニーであるArqit Ltd(本社:英国ロンドン、創業者 会長:David Williams、以下「Arqit」)と住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員CEO:兵頭 誠之、以下「住友商事」)は、Arqitが開発した量子暗号技術の日本市場における販売代理店権に関するパートナーシップを締結しました。
近年、スマートフォンの普及、企業・政府のデジタル化などの流れを受けて、サイバーセキュリティの重要性が飛躍的に高まっています。データや通信の機密性や完全性の担保には、公開鍵暗号方式(注1)などの暗号アルゴリズムを用い、計算困難なデータ配列とすることで改ざんや盗聴を防いでいます。一方で、従来型のコンピュータをはるかに上回る計算性能を持つ量子コンピュータの登場により、現在主流の暗号アルゴリズムが容易に解読される危険性が課題となっています。

量子暗号技術は、物理学の量子力学理論を応用した暗号化技術です。暗号鍵を光子(注2)に乗せた「量子鍵配送」を用いることで、光子の揺らぎによって盗聴の形跡を検知し、不正な読み取りの防止を可能とします。Arqitの量子暗号技術ソリューション「QuantumCloud」は、簡易な設定で高セキュリティながら低コストの量子暗号技術を提供するクラウドサービスです。

Arqitは、量子暗号技術を用いてサイバーセキュリティを確保することをミッションに掲げ、2017年に設立されました。その後の4年間を通じ、革新的な量子鍵の開発・実用化の確立に努め、現在では数百の特許を取得しています。

住友商事は、2021年3月に量子技術による社会変革を目指す「Quantum Transformation(QX)プロジェクト」を立ち上げ、広範な事業領域を持つ総合商社として、量子技術による社会変革のリーディングカンパニーを目指しています。「QuantumCloud」の日本市場向けの営業活動に加え、官公庁やメーカー、金融機関などとも研究開発や共同事業を検討していきます。例えば、クレジットカードの決済情報の通信に量子暗号技術を適用し、顧客情報や決済情報の完全な秘匿保護を可能にするような金融向けの量子暗号の普及を図っていきます。更に、ArqitとNASDAQ上場の特別買収目的会社の合併に伴う私募増資を引き受けることも決定しています。

Arqitと住友商事は、2019年より量子暗号技術の普及に向けて関係を構築してきました。今回のパートナーシップを通じて、最先端の量子暗号技術を活用したサイバーセキュリティソリューションを提供することで、安全で豊かな社会基盤の構築に貢献していきます。

(注1)公開鍵暗号方式:データのやり取りにおいて、暗号化、複合化に別々の鍵を用いる暗号方式。
(注2)光子:量子論の観点から捉えた光(電磁波)の最小単位。

■量子暗号鍵配送のイメージ
[画像1: https://prtimes.jp/i/726/770/resize/d726-770-834759-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/726/770/resize/d726-770-970492-1.png ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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