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海底熱水鉱床の資源量評価により、概略資源量5,000万トンレベルの把握に成功

(PR TIMES) 2023年11月08日(水)12時45分配信 PR TIMES

〜EEZ内の海底熱水鉱床開発にむけた着実な成果〜

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:高原 一郎)は、沖縄海域および伊豆・小笠原海域において、主に銅や亜鉛、鉛、金、銀などを含有する海底熱水鉱床(注1)の広域調査、掘削調査、資源量評価を継続的に実施しています。
 これまでの調査の結果から、沖縄海域の「Hakureiサイト」「ごんどうサイト」「田名(だな)サイト」「野甫(のほ)サイト」「天美(あまみ)サイト」「銀水(ぎんすい)サイト」、伊豆・小笠原海域の「白嶺(はくれい)鉱床」の資源量評価を行い、概略資源量(注2)を合計5,180.5万トンと算定しました。これはEEZ内の海底熱水鉱床開発への見通しを立てる上での基礎となる重要な成果であり、開発に向けた工程における着実な成果といえます。
 今後、JOGMECは既存サイトの資源量の確度向上、未掘削サイトの資源量評価、新規鉱床発見のための広域調査を継続して行い、政府計画への貢献に一層努めてまいります。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12624/759/12624-759-e90379dcf3fcc227acc4f3168fd5e09d-632x420.png ]

(注1)海底熱水鉱床
 海底面から湧き出す熱水に含まれる銅や亜鉛などの金属成分が、海水によって冷却されることで沈澱してできたもの。日本では、沖縄海域や伊豆・小笠原海域などに分布し、水深500メートル〜3,000メートルの場所に存在が確認されています。


(注2)概略資源量
 JOGMECの海底熱水鉱床探査において導入した独自の概念であり、陸上の資源量評価の国際基準における予測鉱物資源量(Inferred Mineral Resources)および探査結果(Exploration Results)の合計に概ね相当します。概略資源量の算定にあたっては、陸上の鉱床における予測鉱物資源量の計算法を適用し算定した結果のほかに、各調査地域(サイト)の鉱床地質学的特性、ボーリング結果、外挿品位・簡易分析結果、鉱床形成プロセスに関する先行研究や調査により得られた知見、海底観察、物理探査などの探査結果から、鉱体の存在を想定・期待して算定したものを含めています。なお、これらの与件を含めた算定の手順および結果については、外部有識者による助言を受けています。


■概略資源量5,000万トンとは
 海底熱水鉱床の資源量に関しては、第1期海洋基本計画(平成20年度から平成24年度)において340万トン、第2期海洋基本計画(平成25年度から平成29年度)において資源量を750万トンと算定しました。第3期海洋基本計画(平成30年度から令和4年度)においては、5,000万トンレベルの資源量把握が必要であるとされ、積極的に取り組むとされました。また、同計画の策定を受けて改定された「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」においても、概略資源量5,000万トンレベルの確認を目標とし、これに向けた取組を行うとされました。なお、この5,000万トンレベルという基準は、2兆円規模の金属価値を有し、採掘年数15年以上となる資源量の目安として設定されたものです。


■概略資源量5,000万トン達成への取り組み
 第1期で340万トン、第2期で750万トンであったことから、第3期で概略資源量5,000万トンを達成することは非常に困難と考えられましたが、JOGMECの保有する調査船「白嶺」および民間調査船を用いた積極的な掘削調査、広域調査によって達成することができました。特に第2期まで掘削調査は「白嶺」のみでしたが、第3期から民間調査船を用いた掘削調査を開始し、掘削調査量を増やすことができました。また、第3期の広域調査で発見された「天美サイト」も概略資源量に貢献しました。今回算定した概略資源量は、商業化に向けては、さらなる掘削調査および資源量評価により確度を向上する必要があり、引き続き取組を進めてまいります。


■海洋基本計画
 海洋基本法(平成19年法律第33号)に基づき策定された政府の海洋に関する施策の基本的な計画。

第3期 海洋基本計画(内閣府ホームページ)
(URL) https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/plan/plan03/plan03.html

別添 海洋基本計画(平成30年5月15日閣議決定)(PDF)(内閣府ホームページ)
(URL)https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/plan/plan03/pdf/plan03.pdf


■海洋エネルギー・鉱物資源開発計画
海洋基本計画に基づき、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥などの開発に向けた探査・技術開発に係る道筋(ロードマップ)などを示したもの。

「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」について(経済産業省資源エネルギー庁ホームページ)
(URL)https://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/strategy/001.html

別添1 海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(平成31年2月15日)(PDF)(国立国会図書館ホームページ)
(URL)https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12213398/www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/strategy/pdf/report1902.pdf


■参考
海底熱水鉱床開発に関する総合評価を実施しました(2023年11月8日)
(URL)https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00143.html

リリース本文はこちら↓
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00144.html?mid=pr231108

プレスリリース提供:PR TIMES

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