プレスリリース
写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘する「日本の新進作家」展。21回目となる本展では、大田黒衣美、かんのさゆり、千賀健史、金川晋吾、原田裕規の5名を紹介
展覧会紹介ページ:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4822.html
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このたび東京都写真美術館は、「現在地のまなざし日本の新進作家 vol. 21」展を開催します。
「日本の新進作家」展は、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するために、新しい創造活動の展開の場として2002年より継続して開催しています。21回目となる本展では、社会、環境、人と人との関係性を自身の立ち位置から問い直し、写真を通して世界の断片を提示する5 名の作家たちの試みを紹介します。
私たちは、これまで当たり前と感じていた価値観が揺らぐような数々の出来事に直面し、変化のある時代に生きています。写真表現も、技術の進歩と普及、表現手法の多様化にともない、その環境は激変しています。本展の出品作家たちは自身の感性にしたがって世界と向き合い、独自の視点で思考を深めて作品として提示します。生物や日用品など身のまわりにあるささやかな存在に目を向けて、時間を留める手法として写真を扱う大田黒衣美、自身が暮らす土地の仮設的とも言える変化を止めない風景を、淡々と観察し、記録し続けるかんのさゆり、ドキュメンタリーの視点と虚実を混ぜたイメージで現実をあぶりだす千賀健史、一般的な概念にとらわれず個と個の距離と関係性を切り取る金川晋吾、かつて誰かが見た光景を通じて、見るものが持つ記憶を喚起させる原田裕規。表現する手法として写真を選びとり、しなやかなまなざしで現実をとらえる作家たちの作品は、現在を生きる私たちにいつもとはすこし異なる角度から世界を見る視点を与えてくれます。5 名の作家たちの多様な試みを通して、今日の、そしてこれからのまなざしの可能性を改めて見つめる契機となることでしょう。
作家略歴
大田黒衣美|Otaguro Emi
福岡県生まれ。東京造形大学美術学科絵画科専攻卒業、東京藝術大学大学院修士課程油画科修了。2019年に文化庁新進芸術家海外研修制度を受けベルリンを拠点に活動。絵画、写真、映像、インスタレーションなど、さまざまな手法を用いて生み出される独自の風景は、鑑賞者のあいまいな感覚を刺激する。 主な展覧会に「アーティスト@TAD 大田黒衣美『Boiled Aqua』」富山県美術館1階 TADギャラリー(富山、2024年)、「ねこのほそ道」豊田市美術館(愛知、2023年)、「食と現代美術 Part9-食とアートと人と街-」BankART1929(神奈川、2023年)、「DOMANI・明日展 2021」国立新美術館(東京、2021年)など。
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かんのさゆり|Kanno Sayuri
宮城県生まれ。東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース(現 映像学科)卒業。2000年代初頭の大学在学中からデジタルカメラを使用した作品制作を行い、近作では自身の暮らす土地の暫定的で仮設的な風景の撮影を続けている。 主な展覧会に「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2022 The Everyday-魚が水について学ぶ方法-」(東京、2022年)、「2020年若手アーティスト支援プログラム Voyage 風景の練習 Practing Landscape」塩竈市杉村惇美術館(宮城、2021年)、「写真の使用法 新たな批評性へ向けて」東京工芸大学 中野キャンパス3号館ギャラリー(東京、2015年)など。
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千賀健史|Chiga Kenji
1982年滋賀県生まれ。2008年大阪大学基礎工学部卒業。緻密で長期間に渡るリサーチを経て、ドキュメンタリーの視点と虚実を混ぜたイメージを作り出し、現実の社会問題をあぶりだす。主な展覧会に「千賀健史展『まず、自分でやってみる。』」BUG(東京、2024年)、「プリピクテジャパンアワード『Fire & Water』」東京都写真美術館(東京、2022年)、「写真新世紀展」東京都写真美術館(東京、2021年)、「第16回写真『1_WALL』グランプリ個展」ガーディアン・ガーデン(東京、2018年)など。第16回写真「1_WALL」グランプリ、第44回キヤノン写真新世紀優秀賞、第8回大理国際写真展最優秀新人写真家賞を受賞。アルル国際写真祭ダミーブックアワード2019及び2022ファイナリスト、シンガポール国際写真祭ダミーブックアワードグランプリなど手製本への評価も高い。
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金川晋吾|Kanagawa Shingo
1981年京都府生まれ。2006年神戸大学発達科学部人間発達科学科卒業、2015年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。社会のなかで規範とされている役割を越えて、自身の視点にもとづき、自己と他者との流動的な関係性を写真や文章によって表現している。主な展覧会に、2022年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)など。2016年『father』(青幻舎)、2023年『長い間』(ナナルイ)、『いなくなっていない父』(晶文社)などを刊行。長崎のカトリック文化や平和祈念像、自身の信仰をテーマにした『祈りと長崎(仮)』(書肆九十九)を刊行予定。第40回写真の町東川賞新人作家賞受賞。
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原田裕規|Harada Yuki
1989年山口県生まれ。2016年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。とるにたらない視覚文化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを用いて、社会や個人の本性(ほんせい)を「風景」や「自画像」のかたちで表現している。2019年以降は断続的にハワイに滞在し、ピジン英語に代表されるトランスナショナルな文化的モチーフに着目。近年は日本ハワイ移民資料館、KAAT神奈川芸術劇場、京都芸術センター、金沢21世紀美術館、原爆の図丸木美術館などで個展を開催。作品収蔵先に広島市現代美術館、日本ハワイ移民資料館など。TERRADA ART AWARD 2023で神谷幸江賞を受賞。単著に『評伝クリスチャン・ラッセン』(中央公論新社)、『とるにたらない美術』(ケンエレブックス)。
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出品点数、主な出品作品(予定)
約130点
大田黒衣美 〈sun bath〉
かんのさゆり〈New Standard Landscape〉
千賀健史 〈HIJACK GENI〉、《まず、自分でやってみる。》
金川晋吾 〈father〉、〈明るくていい部屋〉
原田裕規 《写真の山》、《One Million Seeings》
展覧会図録
『現在地のまなざし 日本の新進作家 vol. 21』
B5判、160ページ、価格未定、東京都写真美術館発行
きりとりめでる(美術批評家)、小林麻衣子(東京都写真美術館学芸員)による論考、作家ステートメントなどを収録
関連事業
出品作家とゲストによるトーク
〇12月14日(土)14:00-17:00
かんのさゆり(出品作家)×千賀健史(出品作家)×金川晋吾(出品作家)×きりとりめでる(美術批評家)
〇2025年1月18日(土) 15:00-17:00
大田黒衣美(出品作家)×原田裕規(出品作家)×中村史子(大阪中之島美術館主任学芸員)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します。
出品作家による上映
〇11月2日(土)15:00- 金川晋吾《father 2011-2013》、《father 2015.05.18》、《father 2008.12.08》
〇2025年1月11日(土)15:00- 金川晋吾 新作上映
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します。
ワークショップ
12月13日(金)18:00-19:45「写真集を見ながら語る会」
講師:かんのさゆり(出品作家)
定員10名(事前申込制)
参加費:無料
※申込方法は当館ウェブサイトにてご確認ください。
担当学芸員によるギャラリートーク
11月1日(金)14:00-
11月22日(金)14:00- 手話通訳付き
12月20日(金)14:00- 手話通訳付き
※当日有効の本展チケット、展覧会無料対象者の方は各種証明書等をお持ちのうえ 3 階展示室入口にお集まりください。
開催概要
展覧会名|現在地のまなざし 日本の新進作家 vol. 21
会 期|2024年10月17日(木)-2025年1月19日(日)
会 場|東京都写真美術館 3階展示室
主 催|公益財団法人東京都歴史文化財団東京都写真美術館、東京新聞
協 賛|東京都写真美術館支援会員
電 話|03-3280-0099 WEB|www.topmuseum.jp
開館時間|10:00-18:00(木・金は20:00まで。1月2日(木)と3日(金)は10:00-18:00開館)
入館は閉館30分前まで
休館日|毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1)
観覧料|一般700円、学生560円、中高生・65歳以上350円
※ 小学生以下及び都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
※ 1月2日(木)、3日(金)は無料
※ オンラインで日時指定チケットを購入いただけます
諸般の事情により、事業内容を変更することがございます。
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