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CCC マーケティングカンパニー

【CCCマーケティング総研レポート・生活者意識調査】新たな生活者意識を探るPART3〜商品に関するジェンダー意識調査〜

(PR TIMES) 2021年11月29日(月)14時45分配信 PR TIMES


CCCマーケティング株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:北村和彦)が設立した7,000万人の思いを紡ぐ研究所「CCCマーケティング総合研究所」(以下「CCCマーケティング総研」)は、このたび、第三回「生活者意識調査・新たな生活者意識を探る〜商品に関するジェンダー意識調査〜」(https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-30)を実施し、その結果をまとめました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-9760695d02e2f1b01a1b-0.jpg ]

過去2回お送りしてきた「新たな生活者意識を探る」(https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-27)では、世代による商品やサービスへの違和感の感じ方の違いや、自身と異なるジェンダー商品の購入実績・購入意欲についてお送りしてきました。その結果、分かったことは自身と異なるジェンダー商品の購入実績は調査対象の58%の方が経験済であり、更に62%の方が「よい商品があれば自身と異なるジェンダー商品の購入をしたい」と回答しています。つまり、「よい商品」とは何かがわかれば、商品はジェンダーの域を超えていく事になるのではないでしょうか。


今回も、CCCマーケティング総研が2021年7月14日(水)〜20日(火)にかけて、2,061人のT会員を対象に実施した「男性向け」「女性向け」「性別に関係なく誰でも購入できる」商品についてのアンケート調査を元に、自身と異なるジェンダー商品への購入意欲を更に深堀し、生活者が求める自身と異なるジェンダー商品に求めるものについて見ていきたいと思います。

※本コラムは商品に対する性別の意識や利用状況、商品に対するご意見を頂戴し、調査結果を公表することで、今の生活者の思いを理解いただくことを目的としています。本調査で、は回答者のみなさまに性別をお伺いしておりません。そのため本稿のグラフ図には、性別表記が無い事をあらかじめお知らせいたします。

[画像2: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-3c18f5faa8a20f3419a4-1.png ]




生活者が受け入れやすいジェンダーレス商品は“衣類”

はじめに、自身と異なるジェンダー商品への購入意欲が高いのはどの商品ジャンルなのかを見ていきたいと思います。<図1>の回答に注目すると、自身と異なるジェンダー商品の購入実績がある人の合計以上に、自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を今後購入したい人数が多く存在している事がわかります。また、購入意欲のある人達全体が、購入したいと思っている商品は、衣類(主に家の中で着るもの)・衣類(主に外出時に着るもの)・ボディソープ・石鹸と続きます。この全体の数字を確認した上で、次の<図2>では年代別に商品の購入意欲について詳しく確認していきたいと思います。

[画像3: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-2a00aadd75653572a526-2.png ]



購入意欲の対象商品は、若年層と高齢層で異なる

<図2>を見ながら、自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を今後購入したい人達の対象商品を年代別に確認していきます。<図2>を見ると40代を分岐として左の10〜30代と右の50〜70代においてグラフの見え方が異なるのがお分かりいただけると思います。10〜30代は、衣類においても(主に外出時に着るもの)購入意欲が高く、屋外で利用する靴やアクセサリーにおいても同様の購入意欲が見え、「利用する場所」で考えると自宅外利用の商品が並びます。逆に、50〜70代は、衣類では(主に家の中で着るもの)の購入意欲が高く、ボディソープ・石鹸、シャンプー・コンディショナーと続き、「利用する場所」では自宅内利用の商品への購入意欲が見えます。このように年代別に、購入意欲のある商品を見ると、若者はファッションのジェンダーレスにチャレンジしており、高齢層は保守的ながらも実際には人目に付かない所からジェンダーレスを試していると言えそうです。


ジェンダーを超えるのに大切なものは商品の「機能」

続いて、購入の理由について見ていきたいと思います。<図3>は、商品ごとに、どのような理由で自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を今後購入するのかを示しています。ここでは、大きく3つの事が言えそうです。
まず初めに、生活者が商品全体に期待していることとして目につくのは「機能」です。アクセサリーや香水など、一部においては「機能」への期待が低い商品も見受けられますが、商品全般を通して高いと言ってもよいでしょう。次いで、メイクアップから香水フレグランスにかけては、「性別に関係なく使える」といった評価が高い項目になりますが、「性別に関係なく使える」こと自体がひとつの機能といっても良いかもしれません。続いて、衣類〜アクセサリーまでのゾーンには、「デザイン」と「サイズバリエーション」への期待が見て取れます。最後に、全体的な傾向としては高くはありませんが、メイクアップ商品については、「男性向けあるいは女性向けしかなかった/ないから」が伸びておりジェンダーを超えたニーズが潜在している様に見受けられます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-fad22ff0f99057d56f50-3.png ]




最大の買いにくさは「男女別に分かれた売り場」

「商品購入時の買いにくさ」については、自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を購入した事がある方と、今後購入したい、と意欲のある方の回答を見ていきたいと思います。まず、お店の視点から見ていきますと、圧倒的に「売り場が男女でわかれている」ことがあげられています。これは、多くの店舗が店舗設計の段階から売り場作りを考えていることからするとすぐに対応できることではないかもしれませんが、生活者の意見として注視すべきポイントだと考えます。また、売り場が分れていると連動して自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品のある「お店に入りにくい」や「試着・お試しがしにくい」に繋がりますので、売り場の設計次第で同時発生する要因であると言ってもよいのではないでしょうか。

次に、商品の視点でみると商品のバリエーションよりも、商品のサイズに対する買いにくさが目立ちます。サイズ展開は商品供給の点からも企業や店舗側がすぐに対応する事は難しいと考えますが、サイズがわかりにくい事に関しては、対応の余地がありそうです。

最後に、サービスの視点を確認してみます。自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を購入する際に生活者は、人目が気になったり、店舗スタッフに声をかけることを躊躇したりすることもあるようですので、スタッフの対応が大切なポイントになりそうです。また、スタッフからの声掛けの際にも、自店商品のジェンダーを指定するような聞き方ではなく、どの様な商品を求めているのかといった配慮ある声かけが必要になってくるでしょう。また、商品購入後は、持ち帰るパッケージや袋に、性別を限定するようなデザインや色があると買いにくさの一因となるようですが、パッケージや袋に性別を限定しない仕様については既に先進的な企業が導入している事例も多く見受けられるところです
[画像5: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-c0fd0d0e9938cb349ff6-4.png ]




■商品のジェンダーレス提案は、ブランドに「素敵」「自由な考え」という印象を与える

最後に、自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を購入しやすいようにしているブランドや店舗に対して生活者の意見を確認していきます。

フラットな意見と、ポジティブな意見、もちろん、ネガティブな意見の方も一定数いますが、全体から見るとネガティブな意見は少数派と言えるのではないでしょうか。フラットな「特に思うことはない」という意見が4割弱を占めていますが、ここではポジティブな意見の中身を見ていきたいと思います。ポジティブな意見の上位は、「素敵」「自由な考え」というジェンダーを超えた商品提案、今までのスタイルや型に縛られない提案への賛同が得られているように見受けられます。また、賛同に続いて「利用したい」「応援したい」といった具体的な行動に対しても同意を得られていることが重視すべきポイントと言えそうです。

特に、流行するモノに関しては、次点にくる「おしゃれ」や「カッコいい」というスタイルが好まれて流行となる事が多くありましたが、ブランドのコンセプト次第ではこれからブランド自体が持つ「自由な考え」に対する「賛同」「応援」という今までとは異なる新しい共感を生活者から得る事が、可能になる事を示唆しているといえるでしょう。
[画像6: https://prtimes.jp/i/983/707/resize/d983-707-d7fe3ce907564596c918-5.png ]


今回は、自身の身体的な性別とは異なる性別向けの商品を購入した事がある、購入したい意向の人の意見を中心に、どの様な商品を購入したいのか、商品に期待すること、購入する際の買いにくさや、店舗ブランドへのイメージを見てきました。約6割の生活者が、商品のジェンダーレス利用に前向きである事を考え、商品のジェンダーレス提案に対し、一定の生活者がポジティブな心象を持っているとなると、我々は今後の商品開発をする際に多くの事を考え直さなくてはいけなくなる時期にきているのかもしれません。

【調査設計】
調査地域 :全国
調査対象者:男女16〜79歳のT会員
サンプル数:2,061サンプル
調査期間 :2021年7月14日(水)〜7月20日(火)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社(Tアンケートによる実施)

【CCCマーケティング総合研究所について】
消費データ、生活者のインサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために役立つ情報を発信することを目的に、活動しています。2020年より、オープンイノベーションプラットフォームとして「学生マーケティング研究会」を立ち上げ、学生の皆さまにとっては「より実務に近い形でマーケティングを経験する場」、企業の皆さまにとっては「若者の視点や声を知る場」としての活動を展開中です。



プレスリリース提供:PR TIMES

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