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メタンハイドレート:米国アラスカ州での長期陸上産出試験にスタンバイ

(PR TIMES) 2023年03月03日(金)22時15分配信 PR TIMES

〜日本での商業化推進に不可欠な長期生産挙動データ取得へ〜

JOGMECは、米国の国立エネルギー技術研究所と協働でアラスカ州において、メタンハイドレートの長期陸上産出試験に向けて準備を進めており、2023年2月28日(現地時間)、産出試験で使用する全坑井の掘削作業が完了しました。メタンハイドレートは日本周辺海域に存在が確認されており、将来の商業化のためには、長期の生産挙動を見極める必要があります。海洋に比べてインフラの整っている陸上での長期産出試験は長期の生産挙動を見極めるうえで非常に重要であり、今般の試験は、長期生産挙動データの取得に加えて、技術的課題の解決策の検証等を目的に行うものです。今後は令和5年度の長期陸上産出試験の早期開始に向けて、地上試験設備設置作業を進めてまいります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/12624/703/resize/d12624-703-6a31d176feb71689f762-1.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/12624/703/resize/d12624-703-d683f392b7cac6952fbf-2.jpg ]



メタンハイドレートは、日本周辺海域における2回の海洋産出試験の成果により、減圧法によるガス生産が可能であることが実証されていますが、将来の商業化のためには、さらに数か月以上の長期にわたる生産挙動を明らかにする必要があります。そのため、JOGMECは、米国エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE)傘下の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory:NETL)と協働で長期陸上産出試験を実現すべく、2018年12月に米国アラスカ州ノーススロープのプルドーベイ鉱区(Prudhoe Bay Unit:PBU)において実施した試掘調査にてメタンハイドレートの賦存を確認し、当該鉱区で試験を実施するための準備を進めてまいりました。

今般、2022年10月9日(現地時間)より開始したデータ取得井(モニタリング井としても使用予定)1坑および生産井2坑の計3坑の掘削作業を2023年2月28日(現地時間)に完了しました。

今回の掘削作業では、データ取得井においてメタンハイドレートを分解させずに地層サンプルを取得する圧力コアリングが行われ、良好な試料が得られました。今後の分析により貯留層性状および生産挙動の理解に資することが期待されます。また、各坑井にはガス生産に伴う地層の変化を検知するためのセンサーケーブル(温度・圧力・ひずみ・音響の各データ取得用)を設置し、最初に生産を行うPTW-1では生産に必要な坑内機器・装置を設置する仕上げ作業を完了しました。

今後は令和5年度の長期陸上産出試験の早期開始に向けて、地上試験設備設置作業・試運転等を進めてまいります。

[画像3: https://prtimes.jp/i/12624/703/resize/d12624-703-fe3b058a7b10b6f13643-0.png ]


本プロジェクトは、アラスカ州天然資源局(State of Alaska Department of Natural Resources: DNR)およびPBU鉱区権者(Hilcorp North Slope社、ExxonMobil Alaska社、 ConocoPhillips Alaska社、 Chevron USA社)の協力のもと、DOE/NETLとJOGMEC間において国際的な共同研究体制を構築して実施されています。

【背景】
メタンハイドレートは、メタンガスと水が低温・高圧の特定の条件下で氷状の固体として形成される物質で、主に極地(永久凍土地帯)の地層中や大水深エリアの海底面下の比較的浅い層などに存在しています。日本周辺海域に存在が確認されており、過去2回、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において海洋産出試験を実施していますが、数週間程度の連続生産を実現したものの、メタンハイドレートの分解範囲は坑井周辺に限られ、長期的な傾向は確認できておりません。

将来の商業化に向けては、長期の生産挙動を見極めることが不可欠であるため、海洋に比べて相対的に試験の制御が容易でインフラの整っているアラスカ州陸上での長期産出試験を計画しました。同試験では、長期生産挙動データの取得に加えて、技術的課題の解決策の検証、長期生産に伴う課題の抽出等を目的としています。

砂層型メタンハイドレート研究開発事業は、JOGMEC、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)および日本メタンハイドレート調査株式会社(JMH)が組織するMH21-S研究開発コンソーシアム(MH21-S) にて調査・研究開発を進めています。アラスカ州での長期陸上産出試験でも、日本側代表としてJOGMEC職員が現地に滞在しリグでの立ち会い作業や作業状況のタイムリーな把握に努めているほか、圧力コアの分析作業はAISTが中心となって行い、またJMHも掘削作業をサポートするなど、MH21-Sとしても総力をあげて実施しています。

なお、本プロジェクトは経済産業省資源エネルギー庁からの委託事業として実施されています。

■ 参考
第40回メタンハイドレート開発実施検討会(2023年1月13日開催、経済産業省)
資料4 アラスカ長期陸上産出試験プロジェクト進捗状況について(MH21-S)(PDF8.7MB)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/methane_hydrate/pdf/040_04_00.pdf

メタンハイドレート研究開発:米国アラスカ州で坑井の掘削作業を開始-長期陸上産出試験に向けた現場作業が始動-(2022年10月14日)
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_00023.html

DOEニュースリリース(英文)
U.S. Department of Energy and Partners to Test Gas Hydrates Reservoir Response on Alaska North Slope(October 20, 2022)
https://www.energy.gov/fecm/articles/us-department-energy-and-partners-test-gas-hydrates-reservoir-response-alaska-north

アラスカ州での長期陸上産出試験の情報を随時更新しています。
MH21-Sのホームページをご覧ください。
https://www.mh21japan.gr.jp/mh21s_rikusan.html

リリース本文はこちら↓
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00092.html?mid=pr220303



プレスリリース提供:PR TIMES

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