プレスリリース
この度、順天堂大学 服部信孝 神経学講座 主任教授(学長補佐)が武田科学振興財団2024年度「武田医学賞」を受賞いたしました。
■受賞テーマ
遺伝子解析を基盤としたパーキンソン病の発症機構解明
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/21495/682/21495-682-4f1f1530ba0eac452e18329995f8b5c7-240x309.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■学歴・職歴
1985年 3月 順天堂大学医学部卒業
1985年 5月 順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科臨床研修医及び専攻生
1990年 4月 順天堂大学大学院医学研究科 博士課程 入学
1990年 8月 名古屋大学医学部生化学第二 国内留学(1993年 8月まで)
1994年 3月 順天堂大学大学院医学研究科 博士課程 修了
順天堂大学にて医学博士の学位授与
1995年 4月 順天堂大学医学部神経学講座 助手
1999年 7月 順天堂大学医学部神経学講座 臨床講師
2000年 8月 順天堂大学大学院医学研究科老人性疾患病態治療研究センター専任講師
2000年 9月 順天堂大学医学部神経学講座 講師併任
2003年 5月 順天堂大学医学部神経学講座 助教授
2006年 7月 順天堂大学医学部神経学講座 教授
2019年 4月 順天堂大学医学部長・大学院医学研究科長 併任(2024年 3月まで)
2020年10月 理化学研究所脳神経科学研究センター神経変性疾患連携研究チーム
チームリーダー併任
2024年 4月 順天堂大学学長補佐 併任
現在に至る
■受賞歴
2001年度 順天堂大学同窓会学術奨励賞
2001年度 財団法人長寿科学振興財団理事長奨励賞
2001年度 第42回日本神経学会総会会長賞(金澤一郎会長)
2002年度 第39回ベルツ賞1等賞(テーマ:神経変性疾患の分子機構)
2003年度 日本神経学会賞
2004年度 Thomson Scientific社 Research Front Award(13 部門 16 人)
2005年度 ESIの高被引用回数 (1996年-2006年でパーキンソン病部門世界第7位)
2012年度 文部科学大臣賞 科学技術賞 研究部門
2014年度 MDS-AOS: Yoshikuni Mizuno Lecture Award (Pattaya, Thailand)
2017年度 日本神経学会楢林賞
2022年度 MDS: C.David Marsden Lecture Award (Madrid, Spain)
2023年度 MDS: The HONORARY Membership Award (Copenhagen, Denmark),
U.S.National Academy of Medicine Healthy Longevity Global Grand Challenge (NAM-HLGC)
Catalyst Award
2024年度 時実利彦記念賞
■研究業績
服部信孝主任教授は、パーキンソン病(PD)の研究において一貫して深遠な探求心を持ち続け、その成果は数多くの卓越した研究業績に結実している。1998年に若年性パーキンソン病の原因遺伝子parkinの単離、2000年にparkinがユビキチン連結酵素であることの解明、2015年にミトコンドリア機能に関連する原因遺伝子CHCHD2の単離・同定、そして2020年にはリソソーム代謝系の補因子であるProsaposinに変異を持つ家系を見出した。3種類もの原因遺伝子を同定したのは服部主任教授の研究グループだけであり、その業績は驚異的と言える。機能解析では2000年にparkinがユビキチン連結酵素であることを明らかにし、PD研究の視点を一変させ、病態解明において蛋白分解系へとシフトさせる契機となった。近年では、バイオマーカーにも注目し、PD発症の原因とされる異常α-Synucleinシードが血中にも存在することを証明した。この手法により、血液検査によるPDの診断が可能となる新時代の幕開けを予感させている。パーキンソン病研究を世界的にリードし、国際的な舞台でその卓越した活動を続けており、神経科学領域に多大な貢献をしている。
※公益財団法人武田科学振興財団 武田医学賞
https://www.takeda-sci.or.jp/takeda-prize/
プレスリリース提供:PR TIMES