プレスリリース
抗癌剤脱毛の抑制に関する研究成果を発表
毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、第12回日本皮膚科心身医学会(期間:2022年1月15日(土)〜16日(日))において、アデランスがスポンサーシップをとるイブニングセミナー「抗癌剤脱毛と心身医学 -産学連携が切り拓く抗癌剤脱毛予防法の開発-」を共催しました。
昨年に続き、今年度も新型コロナウイルス拡散防止として、会場開催と同時にWEB配信を活用してより多くの聴講者がどこからでもアクセスできる「ハイブリッド開催」での実施となりました。
1月15日(土)に会場で講演およびWEBでの配信が行われ、大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授 猪股 雅史先生が講演され、日本皮膚科心身医学会 理事長、はしろクリニック院長の羽白 誠先生が座長を務めました。
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日本皮膚科心身医学会は皮膚科領域における心身医学の振興を図ることにより、心身相関が関与する皮膚疾患の病態、診断・治療法の研究、臨床実践のレベルを向上させ、広く社会に還元することを目的とする学会です。第12回目となる本年は「皮膚科心身医学のスペシャリストから学ぶ」をテーマと設定されました。アデランスが本学会に共催するのは今回が2回目となります。
アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携において毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。
その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。
■アデランス共催イブニングセミナー講演概要
演者
大分大学医学部 消化器・小児外科学講座
教授 猪股 雅史 先生
演題
抗癌剤脱毛と心身医学 -産学連携が切り拓く抗癌剤脱毛予防法の開発-
講演内容
【はじめに】
癌に対する手術や抗癌剤治療、放射線治療によって生じる脱毛や皮膚炎などの外見変化は癌患者の精神面やQOLへの影響が大きい。特に抗癌剤による脱毛は、高頻度に発症する副作用であるが、いまだ十分な予防法がない。今回、産学連携プロジェクトとして、抗癌剤脱毛予防法の開発に取り組んでおり、その成果と今後の課題を紹介する。
【抗癌剤脱毛メカニズムの基礎研究】
(1)抗癌剤誘発脱毛動物モデルの毛包周囲環境変化を病理組織学的に検討し、毛包周囲の血管透過性亢進が抗癌剤脱毛病態の一要素であることを明らかにした (Cancer Science 2020)。(2)抗酸化物質である1%αリポ酸誘導体により脱毛が抑制され、病理組織学的検討において炎症細胞浸潤および毛根・毛幹の破壊の軽減を明らかにした (Surgery Today 2011)。
【抗癌剤脱毛予防の臨床研究】
乳癌患者100名を対象とした多施設共同臨床試験を行い、αリポ酸誘導体含有ローション頭皮塗布にて、脱毛期間が短縮する効果を明らかにした(Breast Cancer Research and Treatment, 2019)。
【抗癌剤脱毛予防剤の開発】
毛髪関連のリーディングカンパニーとの産学連携共同プロジェクトを経て、抗癌剤脱毛研究に基づくαリポ酸誘導体含有スカルプローションを2018年に上市した。
【今後の展望】
抗癌剤脱毛予防効果の向上のため、スカルプローションの他の癌種への適応拡大や、頭皮冷却との併用など、さらなる研究が進んでいる。がん患者の外見問題に対するニーズは大きく変化しており、抗癌剤脱毛と心身医学のさらなる発展が期待される。
■学会概要
学会名称:第12回日本皮膚科心身医学会
会 期:2022年1月15日(土)〜1月16日(日)
会 場:ソニックシティ 市民ホール/ハイブリッド開催
会 長:獨協医科大学埼玉医療センター 皮膚科
教授 片桐 一元 先生
※アデランス共催のイブニングセミナーは、1月15日(土)に開催されました。
プレスリリース提供:PR TIMES