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国立大学法人岡山大学

【岡山大学】急性呼吸促迫症候群への長期的な水素ガス吸入は、肺内の炎症を軽減し、慢性期の呼吸機能低下を緩和する

(PR TIMES) 2022年02月20日(日)15時15分配信 PR TIMES


2022(令和4)年 2月 19日
国立大学法人岡山大学
http://www.okayama-u.ac.jp/

[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-7619155c8b5a1a30ab89-0.jpg ]



<発表のポイント>


本研究成果は、急性呼吸促迫症候群(ARDS)への長期的な水素ガス吸入が、慢性期の呼吸機能低下を緩和する可能性を示唆するものです。
小動物実験で、ARDSを模したブレオマイシン肺傷害への水素ガス吸入が、肺の免疫細胞である肺胞マクロファージの炎症物質の産生を抑制し、肺の器質化を軽減しました。
今後研究が進むことで、ARDSの後遺症軽減に役立つ新たな治療法として期待されます。



◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院医歯薬学域(医)救命救急・災害医学の青景聡之助教、内藤宏道准教授、中尾篤典教授の研究チームは、長期的な水素ガス吸入を小動物の急性呼吸促迫症候群(ARDS)を模したブレオマイシン肺傷害に対して行うことで、慢性期の肺の器質化(線維化)と呼吸機能低下が緩和することを示しました。

 これらの研究結果は、英国の呼吸器内科雑誌「BMC Pulmonary Medicine」のResearch articleとして掲載されました。

 ARDSは過剰な炎症に起因することがわかっていますが、炎症自体が収まった後も肺の器質的な障害(線維化)が残存し、長期的な後遺症に苦しむ患者さんがいます。水素には活性酸素を還元し無毒化する効果が知られていますが、私たちは水素にはさらに炎症を緩和させる効果があることを報告してきました。ARDSの原因となる過剰な炎症を長期的な水素ガス吸入によって抑制することで、慢性期の呼吸苦の後遺症を緩和できると考えられます。

 この研究成果は、ARDSの後遺症に苦しむ数多くの患者を救う新たな治療法となる可能性があり、新型コロナウイルス感染症のような呼吸器感染症にも応用できる可能性があります。

[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-e4a4c5d27055e84c971b-2.jpg ]

水素ガスによる抗炎症作用のメカニズムと私たちのこれまでの研究成果


[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-47079bdae692e40efe44-3.jpg ]

水素ガス吸入の評価。水素なし:肺傷害後に水素吸入を行わなかった動物。水素あり:肺傷害後に水素吸入を行った動物
 A) 呼吸機能の評価。水素ありの方が 呼吸のしやすさ が改善している
 B) 青紫の強さが肺の線維化の強さを表している。水素ありの方が肺の線維化が少ない
 C) 肺内の炎症物質(インターロイキン6 RNA)の産生量は、水素ありの方が少ない


◆青景聡之助教からのひとこと
 私たちの研究室では、水素ガスや一酸化炭素ガスなどの気体を用いた治療開発の研究を行っています。基礎研究から臨床研究まで、肺炎や臓器移植、クラッシュ症候群、肺挫傷、ECMOなど様々な病態の研究も行っています。興味のある方はぜひご連絡ください。
[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-fbfe7359a9ded9cb1961-1.jpg ]



◆論文情報
 論 文 名:The effects of inhaling hydrogen gas on macrophage polarization, fibrosis, and lung function in mice with bleomycin-induced lung injury
 掲 載 紙:BMC Pulmonary Medicine
 著  者:青景聡之、瀬谷海月、平山隆浩、野島 剛、池谷真澄、石川倫子、寺崎泰弘、谷口暁彦、宮原信明、 中尾篤典、大澤郁朗、内藤宏道
 D O I: 10.1186/s12890-021-01712-2
 U R L:https://bmcpulmmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12890-021-01712-2


◆詳しいプレスリリースについて
 急性呼吸促迫症候群への長期的な水素ガス吸入は、肺内の炎症を軽減し、慢性期の呼吸機能低下を緩和する
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20220217-6.pdf


◆参 考
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 救命救急科
 https://okayama-u-qq.sakura.ne.jp/
・岡山大学の新型コロナウイルス感染症への対応について
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/profile/aboutcoronavirus.html
・岡山大学病院コロナ・アフターケア外来
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index377.html
・【岡山大学】救急隊を新型コロナウイルスから守る、ポータブルスプラッシュシールドを開発 〜感染拡大から救急隊を守るために〜
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000505.000072793.html

[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-854f8f996641306ffb01-5.jpg ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-35c07f6299c944098df6-4.jpg ]



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)救命救急・災害医学 助教 青景聡之
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:086-235-7427
 FAX:086-235-7427
 https://okayama-u-qq.sakura.ne.jp/

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

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 「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年2月期共創活動パートナー募集中:
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[画像7: https://prtimes.jp/i/72793/517/resize/d72793-517-022eb769b4322953e091-6.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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