プレスリリース

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社（本社：神奈川県横浜市、社長：釘丸和也）は、健康の維持に重要な生体因子の作用について研究を進め、以下の2点を見出しました。

健康の維持に重要な生体因子「FGF21※1」が線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンを保護するタンパク質※2の遺伝子発現を増やす
チョウジエキスとセイヨウノコギリソウエキスは、線維芽細胞においてFGF21を受け取る役目を担う受容体の遺伝子発現を促す

今回の発見を活用することで、コラーゲンを守り、シワやハリ低下を抑制することができると期待されます。
※1　線維芽細胞増殖因子（Fibroblast Growth Factor）の一つ。線維芽細胞の増殖促進作用を持つためこの名がついたが、他にも多くの作用を持つ
※2　デコリンと呼ばれるタンパク質。肌のハリや弾力の形成に重要なI型コラーゲンと結合し、コラーゲン分解酵素から守る働きを持つ


糖・脂質の代謝など、健康の維持に重要な生体因子「FGF21」に着目


[画像1: https://prtimes.jp/i/2061/514/resize/d2061-514-db430e12719845534703-1.jpg ]

　FGF21は、糖や脂質の代謝改善をはじめさまざまな作用を持つことから、健康の維持に重要な因子として医学や薬学の分野で近年注目を集めています（図1）。またメラニンの生成を抑制する作用を持つことは報告されていますが、肌への作用はまだ一部しか分かっていません。
ポーラ化成工業では、FGF21が肌を健やかに保つ上でも重要な役割を担うのではと考え、検証しました。



FGF21にコラーゲン保護タンパク質を増やす作用を発見


[画像2: https://prtimes.jp/i/2061/514/resize/d2061-514-ae6efd17102c959b7898-0.jpg ]

　FGF21が真皮に及ぼす影響を確認するため、培養した真皮線維芽細胞に添加したところ、コラーゲン※3を分解酵素から保護するタンパク質の遺伝子発現を促進することがわかりました（図2）。コラーゲンの分解はシワや肌のハリ低下などにつながることから、FGF21の作用を高めることができれば、ハリや弾力のある肌が維持できると考えられます。
※3 皮膚に最も多く含まれるI型コラーゲン


FGF21の受容体を増やすエキスを発見　エキスがFGF21の作用を高めることも確認

　FGF21は主に肝臓で作られ、血流にのって肌まで運ばれるため、肌ケアによってFGF21を増やすことは困難です。そこで、線維芽細胞のFGF21を受け取る効率を高めることがFGF21の作用を高める上で効果的だと考え、FGF21受容体（補足資料1）を増やすエキスを探索しました。その結果、チョウジエキスとセイヨウノコギリソウエキスに効果を見出しました（補足資料2）。また、これらのエキスを添加した線維芽細胞では、実際にFGF21によるコラーゲン保護タンパク質の産生促進が強化されることも確認できました（補足資料3）。
　本研究から、「健康維持に重要なFGF21の作用を高め、コラーゲン保護タンパク質を増やす」という、新しいケアの確立が期待できます。今後もポーラ化成では、さまざまな角度からの研究を通じて、健やかでイキイキとした肌によるWell-beingの向上を目指します。

【補足資料1】 FGF21受容体について

[画像3: https://prtimes.jp/i/2061/514/resize/d2061-514-d9f0269eea97add2e07f-2.jpg ]



　細胞の表面にある「FGF21受容体」は2種類のタンパク質の複合体であり、FGF21受容体がFGF21を受け取ると、細胞内に信号が伝達され、さまざまな作用を発揮します（図3）。


【補足資料2】 FGF21受容体の発現を増やすエキス

[画像4: https://prtimes.jp/i/2061/514/resize/d2061-514-511dc419285f28377c1e-3.jpg ]


　繊維芽細胞において、FGF21受容体の発現を促進するエキスを探索しました。FGF21受容体は、補足資料1で示したように2種類のタンパク質の複合体です。したがって、FGF21を受け取る効率を高めるには両方のタンパク質を増やす必要があります。エキス探索の結果、チョウジエキスとセイヨウノコギリソウエキスに各タンパク質の遺伝子発現を増やす効果を見出しました（図4）。


【補足資料3】 FGF21受容体の発現を増やすエキスで、コラーゲン保護タンパク質の発現も増加
　FGF21受容体を増やすエキスにより、実際にコラーゲン保護タンパク質（デコリン）が増加するかを検証しました。あらかじめエキスを添加しFGF21 受容体の発現を促した線維芽細胞では、エキスを添加しなかった場合よりもFGF21 によるデコリンの遺伝子発現が多くなることが確かめられました。これは、線維芽細胞のFGF21受容体の発現が高まり、FGF21のデコリンの産生を促す信号をより多く受け取ることが可能となったためだと考えられます。（図5）。
[画像5: https://prtimes.jp/i/2061/514/resize/d2061-514-010ee25f1267535a861a-4.jpg ]


■詳しくは下記PDFよりご確認ください
https://prtimes.jp/a/?f=d2061-20221205-46410e70d011021c53feb99c6c63e7c0.pdf

プレスリリース提供：PR TIMES