プレスリリース
ハリウッド映画が危機に瀕している。配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの余波、北米文化の世界的な影響力の低下などが重なって、製作本数も観客動員数も減少が止まらない。メジャースタジオは、人気シリーズ作品への依存度をますます高めていて、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。
ハリウッド映画は、このまま歴史的役割を終えることになるのか? ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく。
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テレビプロデューサーの佐久間宣行氏、推薦!
「何もかもが変わってしまう時代に、それでも希望を見出すためには、ここまで現実を直視し続けることが必要なのだろう。新しい戦いを始めるための知識を詰め込んだ、武器のような本だ」
【書籍の概要】
タイトル:『ハリウッド映画の終焉』
著者:宇野維正
発売日:2023年6月16日(金)
定価:1,056円(10%税込)
判型:新書判
ページ数:240ページ
ISBN:978-4-08-721267-9
集英社新書
目次
第一章 #MeToo とキャンセルカルチャーの余波
I『プロミシング・ヤング・ウーマン』─復讐の天使が教えてくれること
II『ラストナイト・イン・ソーホー』─男性監督が向き合う困難
III『パワー・オブ・ザ・ドッグ』─作品の豊かさと批評の貧しさ
IV『カモン カモン』─次世代に託された対話の可能性
第二章 スーパーヒーロー映画がもたらした荒廃
I『ブラック・ウィドウ』─マーベル映画の「過去」の清算
II『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』─寡占化の果てにあるもの
III『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』─扇動されたファンダム
IV『ピースメイカー』─疎外された白人中年男性に寄り添うこと
第三章 「最後の映画」を撮る監督たち
I『フェイブルマンズ』─映画という「危険物」取扱者としての自画像
II『Mank/マンク』─デヴィッド・フィンチャーのハリウッドへの決別宣言
III『リコリス・ピザ』─ノスタルジーに隠された最後の抵抗
IV『トップガン マーヴェリック』─最後の映画スターによる最後のスター映画
第四章 映画の向こう側へ
I『TENET テネット』─クリストファー・ノーランが仕掛けた映画の救済劇
II『DUNE/デューン 砂の惑星』─砂漠からの映画のリスタート
III『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』─2010年代なんて存在しなかった?
IV『TAR/ター』─観客を挑発し続けること
著者略歴
宇野維正(うの これまさ)
映画・音楽ジャーナリスト。1970年、東京生まれ。「キネマ旬報」「装苑」「リアルサウンド」「MOVIE WALKER PRESS」などで連載中。著書に『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)、『くるりのこと』(くるりとの共著、新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(レジーとの共著、ソル・メディア)、『2010s』(田中宗一郎との共著、新潮社)。ゴールデングローブ賞インターナショナル・ボーター(国際投票者)。
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