プレスリリース
IBM、watsonx.governanceの技術プレビューおよび新しい基盤モデルとwatsonx.dataへの生成AIの組込みに関する計画を発表
企業向けのAIおよびデータのプラットフォームであるwatsonxを進化
- 企業がAIの適用を拡大できるように設計された、企業向け AIおよびデータのプラットフォームであるwatsonxに、新しい生成AIモデルを追加するとともに機能を強化
- 9月11日から14日にかけて米国ラスベガスで開催されるIBM TechXchangeで、数千人の開発者向けに機能を紹介
【ニューヨーク州アーモンク-2023年9月7日 (現地時間)発】
IBMは本日、企業がAIの効果を拡張・加速できるように設計され、AI機能を備えたAIおよびデータのプラットフォームであるwatsonx( https://www.ibm.com/jp-ja/watsonx )に、新たな生成AI基盤モデルを追加することや機能強化を図る計画を発表しました。機能強化には、watsonx.governanceの技術プレビューの開始、watsonx.dataにおける新しい生成AIデータ・サービス、および一部のソフトウェアおよびインフラストラクチャー製品にwatsonx.aiの基盤モデルを統合する計画が含まれます。
開発者は、9月11日から14日にかけて米国ラスベガスで開催されるIBMの技術学習プレミア・イベント「TechXchange」にて、これらの新機能や新モデルを体験いただけます。
このたびwatsonx.aiに追加されるIBM独自の基盤モデルおよびサード・パーティーの生成AIは以下の通りです。
Graniteシリーズ・モデル( https://www.ibm.com/blog/building-ai-for-business-ibms-granite-foundation-models ) :IBMは、今月末にGraniteシリーズ・モデルを追加する計画です。Graniteモデルは、一連の流れの中で次の単語を予測する今日の大規模言語モデル(LLM)の能力を支える「デコーダー」アーキテクチャーを使用しており、要約、コンテンツ生成、洞察抽出といった企業向けの自然言語処理タスクを実現します。IBMは、データ・ソースに関するリスト、およびGraniteシリーズ・モデルの学習データを作成するために実行されたデータ処理およびフィルタリング手順に関する説明を提供する計画です(2023年第3四半期に提供開始予定)。
サード・パーティー・モデル: Meta社の「Llama 2-chat」( 700億パラメータ・モデル)と、コード生成用の大規模言語モデル「StarCoder」をIBM Cloud上のwatsonx.aiで提供開始します(提供開始済)。
IBMは、自社の基盤モデルに対し、AIのモデルやアプリケーションについて、厳密な規範に従ったデータ収集に始まり、ガバナンスやリスク評価、プライバシーに対する懸念、バイアスの軽減、コンプライアンスに向けた責任あるデプロイメントの確実なコントロールで終わる、信頼と透明性の原則を中心とした学習プロセスを確立しています。
IBMはまた、watsonxプラットフォーム全体における新機能の提供開始に向けた計画について発表しました。
watsonx.ai:
Tuning Studio:IBMは、Tuning Studioの最初のバージョンをリリースする予定です。これには、お客様が所有する企業データを使用して、効率的かつ低コストな方法で基盤モデルをお客様独自の下流タスクに適応することができるプロンプト・チューニングが含まれます(2023年第3四半期に提供開始予定)。
合成データ・ジェネレーター:IBMは本日、カスタム・データ・スキーマまたは内部データ・セットから、ユーザーが人工的な表形式データ・セットを作成できるよう支援する合成データ・ジェネレーターを提供開始しました。これにより、ユーザーはAIモデルのトレーニングのための洞察を、リスクを低減しながら抽出できるようになり、意思決定を強化し、市場投入までの時間を短縮できるようになります(提供開始済)。
watsonx.data:
生成AI: IBMは、watsonx.dataにwatsonx.aiの生成AI機能を組み込み、会話型の自然言語インターフェースによるセルフサービス体験を通じて、ユーザーがAI用のデータを発見、拡張、視覚化、調整できるようにする予定です。(2023年第4四半期に技術プレビュー予定)
ベクトル・データベース機能:IBM はベクトル・データベース機能を watsonx.data に統合し、watsonx.ai のRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索により強化した文章生成)ユースケースをサポートする予定です。(2023年第4四半期に技術プレビュー予定)
watsonx.governance:
生成AI向けモデル・リスク・ガバナンス:IBMはwatsonx.governanceの技術プレビューを開始します。技術プレビューを利用するお客様は、基盤モデルの詳細についての自動収集や文書化が可能になるほか、モデル・リスク・ガバナンス機能を利用することが可能になります。この機能を利用することで、企業におけるAIの利害関係者は、企業全体のAIワークフローのダッシュボード上で、AIの運用状況を承認状況とあわせて視覚的に確認できるようになり、適切なタイミングでの人間の関与が可能になります。
IBM Software 製品担当シニア・バイス・プレジデントのディネシュ・ニーマル(Dinesh Nirmal)は、次のように述べています。「提供開始からわずか数カ月でもwatsonxプラットフォームにおける機能が継続的に追加されていることが示すように、IBMはAIのライフサイクル全体を通じてお客様を支援することをミッションとしています。IBMは、変革パートナーとしてお客様と協力し、データ戦略への基盤モデルの導入支援から、特定のビジネス・ユースケースに合わせたモデルのチューニング、さらにその先のモデルのガバナンス支援まで、信頼性が高い方法でお客様がAIを拡張できるよう支援します」
企業向けAIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxは、以下のような企業の主要なユースケースにおいて、お客様が信頼できるデータを用いてAIの効果を拡張・加速できるように設計された一連のAIアシスタント機能によって補完されています。
アプリケーション・モダナイゼーション:今年後半に提供開始予定のIBM watsonx Code Assistant( https://www.ibm.com/products/watsonx-code-assistant#:~:text=IBM%20Z%20Application%20Modernization%20IBM,to%20high%2Dquality%20Java%20code. ) 製品は、カスタマイズされた基盤モデルを使用してコードを変換し、開発者向けに推奨コードを生成します。IBMでは、最近、開発者の生産性を高め、COBOLアプリケーションのモダナイゼーションを加速するwatsonx Code Assistant for Z( https://newsroom.ibm.com/2023-08-22-IBM-Unveils-watsonx-Generative-AI-Capabilities-to-Accelerate-Mainframe-Application-Modernization )と、あらゆるレベルの開発者がAnsible Playbookを作成できるよう支援するwatsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeed( https://www.redhat.com/en/engage/ansible-lightspeed )、の2つのAIを活用したコード生成製品を発表しています(2023年後半提供開始予定)。
カスタマー・ケア:IBM watsonx Assistantは、会話型AIによる一貫性のあるインテリジェントなカスタマー・サービス・ソリューションの提供を支援します。例えば、今月末に提供開始予定のIBM Support Insights Pro( https://www.ibm.com/blog/announcement/introducing-ibm-support-insights-pro )は、watsonx Assistantを使用して、お客様がマルチベンダー混在のITインフラストラクチャーにおける洞察を発見し、サポート・パターンを事前対応的に評価し、リスクを是正して、より高い可用性とセキュリティーを実現します。
人事・採用:IBM watsonx Orchestrate は、会話型インターフェースを通じて、面接のスケジュール調整や求人情報の掲載など、繰り返しの多い業務やバックオフィスのプロセスを人事担当者が自動化できるよう支援します。
IBMはまた、watsonx.aiのイノベーションをハイブリッドクラウド・ソフトウェアやインフラストラクチャー製品に組み込む予定です。
インテリジェントなITオートメーション:ITオートメーション製品のInstanaとAIOps Insightsは、Intelligent Remediation( https://www.ibm.com/blog/announcement/introducing-ibm-intelligent-remediation )を含むようになります。Intelligent Remediationは、watsonx.aiの生成AI基盤モデルを組み込み、IT運用担当者がインシデントの詳細を要約できるように支援するとともに、技術者が迅速に解決策を実行できるように処方的なワークフローの提案を提供します。
watsonx向け開発者サービス:開発者がwatsonxの機能をIBM Power for SAPワークロード上のお客様のデータの近くに持ち込むことを簡単化、加速化できるようにするため、SAP ABAP SDK for watsonx( http://www.ibm.com/blog/announcement/combining-ai-with-a-trusted-data-approach-on-ibm-power-to-fuel-business-outcomes )は、お客様がIBM Powerシステム上にあるデータの近くでAIを使用して推論し、最も機密性の高いデータやトランザクションにAIアルゴリズムを展開する方法を追加する予定です(2024年第1四半期に提供開始予定)。
9月11日から14日にかけて米国ラスベガスで開催されるTechXchange( https://www.ibm.com/community/ibm-techxchange-conference/ )のライブ・セッションで、これらの製品の詳細やデモをご確認いただけます。
IBMの将来の方向性および指針に関する記述は、予告なく変更または撤回される場合があります。これらは目標および目的を提示するものにすぎません。
当報道資料は、2023年9月7日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちらを参照ください。 https://newsroom.ibm.com/2023-09-07-IBM-Advances-watsonx-AI-and-Data-Platform-with-Tech-Preview-for-watsonx-governance-and-Planned-Release-of-New-Models-and-Generative-AI-in-watsonx-data
※IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。
IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。
プレスリリース提供:PR TIMES