プレスリリース
― 進化した「Jシステム」でDX戦略を推進 ―
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:前川 秀和)は、DX戦略「NEW ACE DXs」に基づく取り組みをグループ一体となって推進しています。「地に足のついたDX」の一環として、構造物点検の支援技術による高度化・効率化を図っています。この度、NEXCO西日本と西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社(香川県高松市、代表取締役社長:北田 正彦)は、赤外線カメラを用いた画像撮影システム(以下、「Jシステム」)の更なる効率化のため、偏光フィルタをビルトイン(内蔵)した赤外線カメラ(以下、「開発カメラ」)を開発しました。これにより、更なる効率化とコスト縮減が見込まれます。
より使いやすく進化したJシステムが、橋梁のみならず様々な構造物点検に活用されることで、更なるDX化の推進が期待されます。
1.Jシステムの概要
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16810/392/16810-392-1385bd30822f8d2842942857d8d13d66-241x334.png ]
・Jシステムは、赤外線カメラを用いて、効率的かつ的確にコンクリートの
損傷を抽出するシステムとして、NEXCO西日本グループ内で活用中。
・太陽に熱せられた地面などの熱反射を除去できる「偏光フィルタ内蔵レンズ
(以下、「偏光レンズ」)」を用いることで、夜間のみに限られていた調査
を昼夜問わず実施することに成功作業時間帯の制約の解消・作業環境の改善
を実現(令和4年10月26日ニュースリリース)。
令和4年10月26日ニュースリリース
https://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/r4/1026c/
2.開発カメラによる「Jシステム」の進化
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16810/392/16810-392-6df4f15ddafd583e5e694a92fa1d80f3-1092x658.png ]
3.開発カメラの技術詳細と得られる効果
3-1. 熱反射除去の自動化について
開発したカメラは、以下の方法により全方向の熱反射除去を自動化しました。
1)偏光フィルタの自動回転機構
赤外線カメラレンズとセンサの間に、偏光フィルタを内蔵し、モーターで等速回転させます。これにより、
偏光フィルタのあらゆる角度での画像を取得することができます。
2)画像処理技術
1回の撮影で取得した16枚の画像(熱反射あり)に対して、1ピクセル単位で熱反射を除去し、偏光処理画像
を生成します。これにより、的中率が大幅に向上されるため、現行方法に比べて更にスクリーニング効果が
向上します。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16810/392/16810-392-d2963e4b5707dbdbd46ccd982ed23804-2312x574.png ]
3)汎用赤外線カメラの採用
上記に加え統計的処理により、汎用的な赤外線カメラ(マイクロボロメータ)感度の大幅な向上に成功しま
した。これにより、現行方法で採用してきた研究開発用の冷却型赤外線カメラから、安価な汎用赤外線カメラ
に変更することができました。
3-2. カメラの一体化とAI診断の導入について
開発カメラでは、可視カメラと赤外線カメラを一体化し、1回の撮影で可視画像・赤外画像を同一画角で同時
に取得することができます。これにより、熱反射除去による的中率の向上に加えて、解析作業の多くが自動化さ
れます。さらには、AIによる損傷自動診断機能を搭載したことにより、解析業務が効率化されます。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16810/392/16810-392-ecd98ae207688f90e686231386a55b54-1068x363.png ]
4.今後の展望
開発カメラを、撮影距離40mまでの橋梁に導入することで、構造物点検の効率化とコスト縮減を推進します。また、今後の展開として、撮影距離40m以上の橋梁を対象とした、より小型なUAV(無人航空機)搭載用カメラ開発を現在進めています。
これからも、開発カメラの導入による構造物点検の高度化により、DX戦略を推進していきます。
プレスリリース提供:PR TIMES