プレスリリース

全国「周年記念企業」調査（2022年）

長い間企業を存続・発展させることは容易なことではなく、それだけに創業・設立から節目を迎える企業の周年記念は特別な意味を持つ。これまでに周年記念を迎えた企業では、周年オリジナルのロゴマークやアニバーサリーサイトの作成、限定商品の発売など、各社で多種多様な周年記念への取り組みがみられる。
＜調査結果（要旨）＞

2022年に創業から節目の年を迎える「周年記念企業」は全国に13万5425社となり、うち100周年企業は1065社が判明した。また、オーナー企業における周年記念企業は全国で9546社にのぼり、割合では比較的業歴が浅い企業で高い傾向がみられた
主な周年記念企業は、10周年ではスマートニュース（東京都渋谷区）、50周年ではスポーツ用品店「スポーツデポ」などを運営するアルペン（愛知県名古屋市）、100周年では「本仕込」や「ネオバターロール」など人気シリーズ商品を揃えるフジパン（愛知県名古屋市）などがある

帝国データバンクでは、2022年以降に創業・設立から節目を迎える企業（個人経営・特殊法人等含む）を「周年企業」として、2021年11月時点の企業データベース「COSMOS2」（約147万社）から、10年刻み（200周年超は50年刻み）で抽出し、分析を行った。
※オーナー企業＝代表者（社長）の持ち株比率が51％以上の企業
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周年記念企業は全国に13万5425社、うち100周年は1065社
2022年に創業から節目となる「周年記念」を迎える企業は、全国に13万5425社を数えた。「50周年」となった企業が2万2945社と最多、次いで「20周年」が2万2323社で多かった。創業「100周年」を迎える企業の数は1065社となった。また、オーナー企業における周年記念企業は全国に9546社にのぼり、割合では比較的業歴が浅い企業で高い傾向がみられる。また、現時点で後継者が決まっていない企業が6割を占める一方で、創業者と同族承継を合わせた「ファミリー経営」の企業が多いのも特徴となっている。
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主な周年記念企業は、下記の通り。

＜10周年（2012年：平成24年創業）＞
ロンドン五輪のメダルラッシュに加え、自立式電波塔では世界一の高さ(634ｍ)としてギネス世界記録に認定された東京スカイツリーが開業するなど、数々の「金字塔」が打ち立てられた2012年。この年に創業した企業は、ニュースアプリ「Smart News」の開発・運営を手掛けるスマートニュース（東京都渋谷区）などがある。

＜30周年（1992年：平成4年創業）＞
バブル経済が崩壊し、その後長く続いた平成不況の入り口に当たる1992年。暗い話題も多かった一方で、山形新幹線の開業や東海道新幹線「のぞみ」の運行開始、初のMDプレーヤー販売など、新たなインフラや多くの新技術が芽生えた1年でもあった。この年に事業を開始したのは、引っ越し業者として知名度の高いハート引越センター（東京都葛飾区）などがある。

＜50周年（1972年：昭和47年創業）＞
1972年には、米国統治下にあった沖縄の返還・日本復帰と、日中国交正常化という戦後外交の二大懸案が決着。日本外交が新しい時代に一歩を踏み出した記念すべき年となった。この年に生まれた企業は、大手スポーツ用品店「スポーツデポ」などを運営するアルペン（愛知県名古屋市）などが名を連ねる。

＜100周年（1922年：大正11年創業）＞
100年前の1922年には、第一次世界大戦終結にともない自由と平和の協調を目的に平和記念東京博覧会が開催され、国際情勢ではオスマン帝国の滅亡やソビエト連邦の成立など激動の1年だった。この年に創業した企業は、「本仕込」や「ネオバターロール」など人気シリーズ商品を揃えるフジパン（愛知県名古屋市）、大手私鉄「東急電鉄」グループで、沿線開発を行う東急（東京都渋谷区）、現いわき市で発足し、福島県経済の発展を支えてきた第二地方銀行の福島銀行（福島県福島市）などが誕生した。

2022年に周年記念を迎える企業は全国で13万5425社を数え、なかでも創業100周年を迎える企業は1065社あった。100年、200年と周年を積み重ねた企業は、それまでの実績に留まらず進取の気性を持ち、相次ぐ災害や需要の変化など幾多の困難を乗り越えてきた企業が数多く名を連ねた。周年記念は組織における一体感の醸成や自社ブランドのイメージ向上の機会になるほか、周年を一つの通過点として、新たな事業戦略や経営方針を打ち出す企業も多い。コロナ禍で再びの困難を乗り越えた周年企業の軌跡は、未来に誕生する周年記念企業にとって参考となる多くの教訓や知恵、工夫が残された確かな道しるべとなるだろう。
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