プレスリリース
アンモニアとLCO2の輸送需要増に対応
◆ LCO2船マーケットで主流となり得る船型をベースに、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」の船型についても検討
◆ 往路でアンモニア、復路でLCO2を輸送。今回得られた知見や技術課題を踏まえた製品化を目指す
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三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、アンモニア輸送と液化CO2(LCO2)輸送を兼用可能な「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」の船型に関するコンセプトスタディーをこのほど完了しました。将来的な増加が見込まれるアンモニアとLCO2の輸送需要に柔軟に応えるべく、LCO2船マーケットにおいて主流となり得る船型をベースに株式会社商船三井(社長:橋本 剛氏、本社:東京都港区)と協業の上、実施したものです。
アンモニアは、安定的なクリーンエネルギーとして将来的な活用が見込まれており、海上輸送が増加すると予想されています。また、LCO2船は、低・脱炭素社会を実現する手段の一つとして注目されているCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)のバリューチェーンにおいて、回収し液化したCO2を貯留地や有効利用地へ効率的に輸送する手段の一つとして重要な役割を担います。三菱重工グループでは、CCUSによる2050年時点のCO2削減量を年間43〜130億トンと想定しています。
今回コンセプトスタディーを実施した「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」は、往路でアンモニア、復路でLCO2を輸送する運用を目指すものです。それぞれの専用船を用いた場合、通常復路は空荷で運航することになりますが、兼用化により空荷での運航をなくし、全体の輸送効率を向上することが期待されます。
三菱造船は、今回得られた知見や技術課題を踏まえてさらなる技術開発を行い、今後も幅広く海事関連企業や石油開発企業等との協働などを経て同船の製品化を目指します。また、バリューチェーン全体を踏まえた顧客ニーズに柔軟に対応するべく、この船型をベースとしたさまざまな船型の検討にも引き続き取り組んでいきます。
三菱重工グループが戦略的に取り組むエナジートランジション戦略の一翼を担う三菱造船は、目指す成長戦略「海洋Future Stream」において、再生可能エネルギーと炭素循環による「海の脱炭素社会」、自律化・電化による「海洋空間有効活用社会」を描き、海に関わるイノベーションの「知恵出し」とその「カタチ化」の実現を掲げています。今後も、海洋システムインテグレーターとしてLCO2船の開発とその事業化を積極的に推進し、陸・海に跨るCCUSバリューチェーンの構築と脱炭素社会の実現を目指していきます。
LCO2船イメージ動画
https://www.youtube.com/watch?v=ouLIURYVtxA
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