プレスリリース
排煙に含まれるCO2を吸収・固体化する技術を実装東急リゾートタウン蓼科“森のバイオマスボイラー”においてカーボンニュートラルを超えた「カーボンマイナス※」を実現
〜吸収したCO2を原材料に、オリジナル商品の開発も開始〜
東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)が保有し、東急リゾーツ&ステイ株式会社(本社:東京都渋谷区、東京都渋谷区、代表取締役社長:粟辻 稔泰、以下「東急リゾーツ&ステイ」)が運営する東急リゾートタウン蓼科(長野県茅野市、統括総支配人:加瀬 努、以下「タウン」)において、タウン内に所在する蓼科東急ゴルフコースに設置している“森のバイオマスボイラー”に排煙中のCO2を吸収・固体化する装置を追加実装することで、カーボンマイナス※を実現するバイオマスボイラーとして発展させる取組みを、住友電気工業株式会社(大阪府大阪市、社長:井上 治、以下「住友電工」)と共同で実施することをお知らせいたします。
※カーボンマイナス:「CO2排出量=CO2吸収量」であるカーボンニュートラルに対し、「CO2排出量<CO2吸収量」となることを指す。
本取り組みにおいてはカーボンニュートラルを実現している既存バイオマスボイラーへCO2吸収技術を実装しCO2排出を抑制することに加え、吸収したCO2を商品開発に活用することで、排出抑制および抑制したCO2の再利用(カーボンリサイクル)の両側面からカーボンマイナスを実現するもの。
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(左)CO2吸収・固体化装置 (右)バイオマスボイラーと燃料のウッドチップ
■バイオマスボイラーと最先端技術を掛け合わせて実現する”カーボンマイナス”
東急リゾートタウン蓼科では、防災や生物多様性の創出の観点から、森林の樹木密集を抑制する保全間伐を実施しており、2020年3月からはエネルギーの地産地消を目指した取り組みの一つとして、蓼科東急ゴルフコースに”森のバイオマスボイラー”(以下「本ボイラー」)を設置、タウン内の間伐材の一部をウッドチップに加工し、本ボイラーの燃料として活用しています。本ボイラーで得たエネルギーは、蓼科東急ゴルフコースの大浴場の給湯に活用しており、エネルギーの地産地消を実現しています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6953/347/6953-347-8d2d379c8268e15f3705a6d863ebd0df-738x364.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
“森のバイオマスボイラー”の仕組み(概念図) ※CO2吸収・固体化技術導入前
本ボイラーは、燃料のウッドチップが成長過程で吸収したCO2によって燃焼時に発生するCO2をオフセットすることで、カーボンニュートラルを実現するボイラーとして稼働してきました。今回導入した装置によって、排煙中に含まれるCO2を吸収・固体化することで、カーボンニュートラルを超えた「カーボンマイナス」を実現します。加えて、固体化したCO2を原料としたオリジナル商品開発に取り組み、CO2排出量を減らしながらカーボンリサイクルも実現することで、脱炭素社会のみならず循環型社会の実現にも貢献します。
■CO2固体化の仕組み
本ボイラーに実装するCO2固体化技術は、排出されるCO2を金属に吸収させて、安定・安全な炭酸金属粉metacol(TM)へとリサイクルするものです。metacol(TM)への固定化により、大気中へのCO2再排出を防ぐことができます。metacol(TM)は鉄やマグネシウムなどの金属とCO2から生成した粉末で、紫外線を反射する機能性や安全性が確認されており、プラスチックと比較しても十分な強度を有した素材となっています。この技術により、大気中のCO2を削減するほか、固体化したCO2素材を原料とした商品開発が可能となります。
※metacol、metacolロゴは住友電気工業株式会社の商標又は登録商標です。
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本ボイラーにおけるCO2削減の仕組み(概念図)
※本技術の詳細は同日付の住友電工のリリースをご参照ください。
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2024/07/prs081
■吸収したCO2を活用し、オリジナル商品を開発
今回の取り組みによりCO2リサイクル技術を活用し、当タウンオリジナルブランド「CO2固めちゃいました。」として、下記2点を製品化いたしました。CO2の産地は東急リゾートタウン蓼科内のゴルフ場で、大浴場の給湯を担う“森のバイオマスボイラー”の排煙から回収してリサイクルしたもので、「CO2の地産地消」という脱炭素×循環型の新たな環境価値を生み出しました。どちらの製品も、販売による収益は全額“もりをまもる”活動に使用し、豊かな森林と地域資源の価値を未来へとつないでいきます。
1.もりをまもるゴルフティー
CO2を固めて作ったゴルフティーです。metacol(TM)と生分解性樹脂で作っているため、ティーショットの際にどこかへ飛んで行ってしまったという場合も安心です。このゴルフティーは、最終的に水とCO2に分解され土に還るため、ゴルフ場の豊かな自然を住処にする生態系にも配慮した商品となっています。
2.もりをまもるボトル&スリーブ
蓋とストッパー部分には、飲食店などで大量廃棄されているコーヒー粕を一定使用し、プラスチック使用量を削減したエコなクリアボトルです。ボトルスリーブはCO2を固めて作ったものです。森林が持つ水源涵養機能の中に「水質の浄化機能」があります。森林土壌を水が通る過程で、リンや窒素などの物質を土や植物が吸収する一方で、土壌中のミネラル成分が適度に溶け出すことによって、おいしい水を作り出します。“蓼科の水道水はおいしい”という声を聞きますが、これは蓼科の森が生み出した水だからです。ボトルに水を詰めて、トレッキングコースへ出かけて、蓼科の森の恵みを堪能してください。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6953/347/6953-347-283e8fe4f731beb040abde65e849c1cc-1492x1012.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
もりをまもるゴルフティー
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6953/347/6953-347-15047c68a535bf784cdbe5f9786f09f8-999x667.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
もりをまもるボトル&スリーブ
■今後の展望と環境への影響
今回の技術導入により、化石燃料を原料とするプラスチックをmetacol(TM)に置き換えることが可能になります。これにより、化石燃料の使用量を削減すると同時に、CO2を製品に貯蓄することができ、バイオマスボイラーのカーボンマイナス効果を高め、脱炭素の促進に大きく貢献します。
さらに、今回の技術はバイオマスボイラーの排煙に限らず、空気中のCO2も固めることが可能です。今回の取り組みを皮切りに、タウン全体のCO2をリサイクルしたオリジナルの製品展開を行うことも検討してまいります。今後も、持続可能なライフスタイルを支援する取り組みを拡大し、環境保護に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
プレスリリース提供:PR TIMES