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国立大学法人岡山大学

【岡山大学】穂の白いオオムギ突然変異体で光合成研究

(PR TIMES) 2021年10月29日(金)09時45分配信 PR TIMES


2021(令和3)年 10月 28日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/


[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/315/resize/d72793-315-265fdcb4b6f7e6672bc9-5.jpg ]



<発表のポイント>


正常なオオムギの穂は緑色で、光合成をするとみられていますが、詳細は不明でした。今回、穂だけが白い(albino lemma 1) alm1突然変異体を用いて、光合成能力を測定しました。
穂の白いalm1突然変異体では、正常型に比べ、穂の光合成が34%低下しました。種子重が15.8%減少したことから、オオムギでは穂の光合成が種子の登熟に重要とわかりました。
オオムギの穂が白いalm1突然変異体は、葉緑体の発達を制御するGolden2-like2 (GLK2)転写因子をコードする遺伝子の異常によることを解明しました。



◆概 要
 オオムギには穂が葉緑素を欠き白くなるalm1突然変異体があることが、60年以上前に岡山大学・農業生物研究所の高橋隆平教授により報告されていました。しかし、遺伝子の実体は不明でした。

 今回、国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の資源植物科学研究所の武田真教授と坂本亘教授の共同研究グループは、遺伝子解析により、オオムギalm1突然変異体はGOLDEN-2-LIKE(HvGLK2)転写因子遺伝子の異常によることを解明しました。

 さらに、オオムギのalm1突然変異体を活用し、穂の光合成活性を測定しました。正常な緑色の穂をしたオオムギに比べ、穂が白いalm1突然変異体では穂の光合成は34%低下しました。このことにより種子の重さが15.8%低下したとみられました。

 今回の研究から、オオムギではHvGLK2転写因子の遺伝的な改変により、穂の光合成能力を高め、収量が多く、品質の優れた新品種の開発に役立つと期待されます。

 本研究成果は、2021年7月18日に「Plant and Cell Physiology」に公開されました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/315/resize/d72793-315-2524adc1bff299637d48-2.jpg ]



◆武田真教授からのひとこと
 穂の白いalm1突然変異体はオオムギで最も美しい突然変異体のひとつで、類似のものは他の植物に見当たりません。本突然変異体の遺伝子解明では、海外の2つの研究グループと競合しました。
 岡山大学・環境生命科学研究科・博士前期課程を2018年に修了した服部桃子さんが中心となって遺伝子の研究を進め、光合成測定の専門研究室と連携し、いち早く成果論文を公表できました。発表雑誌号のカバーも飾りました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/315/resize/d72793-315-e3446e7a30f785fd7fa2-1.jpg ]



◆論文情報
 論 文 名:Mutations in a Golden2-like gene cause reduced seed weight in barley albino lemma 1 mutants
 掲 載 紙:Plant and Cell Physiology 62 (3): 447-457.
 著  者:Taketa, S., Hattori, M., Takami, T., Himi, E, Sakamoto, W.
 D O I:doi.org/10.1093/pcp/pcab001
 U R L:https://academic.oup.com/pcp/article-abstract/62/3/447/6094423?redirectedFrom=fulltext


◆詳しいプレスリリースについて
 穂の白いオオムギ突然変異体で光合成研究
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20211026-3.pdf


◆参考情報
・岡山大学資源植物科学研究所(IPSR)
 https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学資源植物科学研究所 遺伝資源機能解析グループ
 https://www.rib.okayama-u.ac.jp/grf/index-j.html

[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/315/resize/d72793-315-10b7078d96725eb5408c-3.jpg ]



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学資源植物科学研究所 教授 武田 真
 〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
 TEL:086-434-1237 (直通)
 FAX:086-434-1249
 https://www.rib.okayama-u.ac.jp/grf/index-j.html

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

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[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/315/resize/d72793-315-bb987f93f50d61a597f7-4.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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