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独立行政法人国立高等専門学校機構

【大分高専】特許チャレンジコンテストにて優秀賞を受賞

(PR TIMES) 2023年03月14日(火)10時45分配信 PR TIMES

専攻科生、パルス高電圧によるダニ類の駆除方法を考案

独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校(大分県大分市 校長:山口 利幸 以下「大分高専」という。)専攻科電気電子情報工学専攻1年の溝部裕真さんが行った研究に基づく特許が、大分県主催の特許チャレンジコンテストにて、優秀賞を受賞し、令和5年3月2日に行われた表彰式にて表彰されました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/75419/313/resize/d75419-313-495afc87b02f603baf5c-2.jpg ]



背景/内容

 特許チャレンジコンテストは、大分県の産業振興に資する県内中小企業等の優秀な特許出願案件を顕彰することにより、知的財産に対する気運を醸成し、知的財産の創出促進と産業競争力の強化を図ることを目的として、毎年実施されています。応募のあった特許出願案件について、出願技術の新規性・独創性、企業化への実現可能性、市場性の観点から、専門家で構成される審査会で受賞特許案件を選考し、これを受けて大分県が決定します。今回、大分高専が応募した特許「ダニ類の駆除装置および駆除方法(特願2022-015273)」が優秀賞を受賞することができました。



特許「ダニ類の駆除装置および駆除方法(特願2022-015273)」について

(1) 概要
 養鶏業では、ワクモ等の鶏に寄生するダニの被害が深刻化しており、産卵数の低下や汚卵の発生原因となっています。本発明は、平面電極へのパルス高電圧印加技術を応用することで、殺虫剤不要のワクモ駆除技術を提供するものです。本装置を鶏舎内のワクモ通過ルートに複数設置することで、養鶏ケージ内へのワクモ侵入を遮断することができ、飼育中の鶏のストレスを大幅に低減できます。
 これまでワクモ駆除には多種の殺虫剤が使われていますが、薬剤抵抗性の発現に伴う殺虫力低下が深刻な課題となっています。殺虫剤以外には、鶏舎の高圧水洗浄や、ワクモ誘引回収法等がありますが、いずれも地面から侵入するワクモを完全駆除できません。また、鶏ダニ駆除関連の特許出願は多数あるものの、本発明のパルス高電圧応用の駆除技術は例がありません。

(2)本技術の新規性
1:新設計の平面電極
 平板上に放電極と接地極を配置した電極部を用いて、電極部上を通過するワクモをパルス高電圧で電殺駆除する新システムを提案しました。
2:パルス高電圧の最適化
 省電力でもあるパルス高電圧による効果的なワクモ電殺条件を明示しました。なお、本発明法は、汎用的な殺菌技術である「UV照射」や「オゾン殺菌」よりも、高い殺虫効果を有することが確認されています。
3:高粉塵鶏舎環境への適用工夫
 電極面への異物堆積回避のための配置角を調整しました。曲面電極化が可能な他、円柱構造部材からのワクモ侵入も防止できます。

[画像2: https://prtimes.jp/i/75419/313/resize/d75419-313-fdc69fdf34f5d7f14570-1.jpg ]




溝部さんよりコメント

 「パルス高電圧によるワクモの殺虫」というテーマで研究を行っています。高専本科で学んだ電気以外の分野への応用であるため、昆虫学や生物学といった幅広い学問知識を習得しています。これらの知識を習得することで、電気回路や電気磁気学といった電気の基礎分野の重要性を改めて認識することができました。今後は、ダニだけでなく多様な生物の電気的反応について見識を深めていきたいと思っています。



上野准教授(指導教員)よりコメント

 現在、「薬剤抵抗性」をテーマに研究を行っています。抗生物質の乱用や化学薬品の長期的使用によってそれらの効果が著しく減少することが問題となっており、細菌にかぎらず昆虫、植物(雑草)にまで幅広い影響が指摘されています。本研究は、そのような懸案から生まれた1テーマであり、このような受賞結果となり嬉しい限りです。今後は、さらに実用化を目指して邁進していきます。

[画像3: https://prtimes.jp/i/75419/313/resize/d75419-313-481e9111c205186dc5f7-3.png ]



今後の展望

 既存の飼育設備(ゲージ)にオプショナルという気軽さで導入可能な装置の実現を目指しています。また、養鶏の状態を監視し、その各種データを取得、ビッグデータとして蓄積・解析することで鶏舎全体を統合的に管理できる新たな技術の構築が将来的な目標です。



大分工業高等専門学校について

 大分工業高等専門学校は、昭和38年に設立された国立の高等教育機関です。機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、都市・環境工学科の4つの学科と、平成15年に設置した機械・環境システム工学専攻、電気電子情報工学専攻の2つの専攻科を有しており、これまで本科卒業生・専攻科修了生合わせて約8,200名を輩出してきました。「地域共創テクノセンター」や、本校の技術振興会である「大分高専テクノフォーラム」をはじめとして地域との連携や地域産業への貢献という役割を担いながら、「人間性に溢れ国際感覚を備え、探求心、創造性、表現能力を有する技術者の養成」に取り組んでいます。


【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校
所在地:大分県大分市大字牧1666番地
校長:山口 利幸
設立:1963年
URL:http://www.oita-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関


◆本リリースに関するお問い合わせ先
独立行政法人高等専門学校機構
大分工業高等専門学校
総務課総務係
TEL:097-552-6075(平日8時半から17時)
e-mail:somu@oita-ct.ac.jp
[画像4: https://prtimes.jp/i/75419/313/resize/d75419-313-c421783220fc2d7a512c-5.jpg ]

〜2022年度、高等専門学校制度は創設60周年を迎えます〜
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