プレスリリース
ユーグレナエキスEXがヒトの真皮線維芽細胞、表皮角化細胞の増殖を促進し、老化した細胞を除去する可能性を示す研究結果を確認しました。
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)を用いた新たな化粧品原料として「ユーグレナエキスEX」を規格化※1したことをお知らせします。
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「ユーグレナエキスEX」は、BG※2にてユーグレナ粉末からユーグレナの成分を抽出したエキスです。当社では「ユーグレナエキスEX」の機能などについて研究を行っており、ヒトの真皮線維芽細胞※3や表皮角化細胞※4の増殖を促進するとともに、老化した細胞を除去する可能性を示唆する以下のような研究結果を確認しています。
※1 原料としての品質基準を定めること
※2 ブチレングリコールの略であり、化粧品で保湿剤、防腐剤などとして使用される多価アルコール
※3 皮膚の真皮に存在する線維芽細胞は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外基質と呼ばれる、ハリや弾力の維持に必要な物質を産生する重要な役割を担っている
※4 皮膚の最も外側にある表皮は、外界の細菌などの侵入から皮膚を保護し、体内の水分が体外に過度に蒸散するのを防ぐためのバリア機能を持つ
■研究の内容と結果
ユーグレナエキスEXが、ヒト真皮線維芽細胞の増殖を促進することが確認されました
ヒト真皮線維芽細胞にユーグレナエキスEXを添加し、培養しました。その結果、ユーグレナエキスEXは、何も添加してないもの(0%)と比較して、濃度依存的にヒト真皮線維芽細胞の増殖を有意に促進することを確認しました(図1)。真皮線維芽細胞が増殖することで、ハリや弾力が維持されることが期待できます。
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***p<0.001、vs 0%、t検定(ボンフェローニ補正)、PCはポジティブコントロール
ユーグレナエキスEXが、ヒト表皮角化細胞の増殖を促進することが確認されました
ヒト表皮角化細胞にユーグレナエキスEXを添加し、培養しました。その結果、ユーグレナエキスEXは、何も添加してないもの(0%)と比較して、濃度依存的にヒト表皮角化細胞の増殖を有意に促進することを確認しました(図2)。表皮角化細胞の増殖が促進されると、ターンオーバー(新陳代謝)により古い角質が除去され皮膚の健康を保つことが期待できます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/36462/287/resize/d36462-287-dcd962ffd87b829dcc76-2.jpg ]
***p<0.001、**p<0.01、vs0%、t検定(ボンフェローニ補正)、PCはポジティブコントロール
ユーグレナエキスEXが、老化細胞を除去する可能性が示されました
GLS-1遺伝子は老化細胞の生存に必要な遺伝子※5であるとされていますが、角化細胞にユーグレナエキスEXを添加し培養すると、何も添加せず培養したコントロールと比較して、GLS-1の発現が濃度依存的に、特に5%添加群では有意に減少しました(図3)。さらに、過酸化水素による処理※6で角化細胞の老化を促進し、そこにユーグレナエキスEXを添加して培養すると、何も添加せず培養したコントロールと比較して、通常の角化細胞ではユーグレナエキスEXの添加により細胞増殖が促されましたが、老化細胞ではユーグレナエキスEXを添加しても細胞増殖は促されず、有意に減少しました(図4)。これらの結果より、ユーグレナエキスEXが老化細胞の除去に寄与する可能性が示されました。
※5 GLS-1遺伝子は、グルタミン代謝に関する遺伝子であるが、老化細胞の生存に必要な遺伝子であることが知られている。細胞内小器官の異常に起因して、老化細胞内は酸性に傾いており、GLS-1が過剰に働いて中和することで、細胞を維持している。正常細胞および老化細胞におけるGLS-1阻害の影響の検討結果から、GLS-1を阻害することで、老化細胞を選択的に死滅させることが報告されている。
Johmura Y, Yamanaka T, Omori S, Wang TW, Sugiura Y, Matsumoto M, Suzuki N, Kumamoto S, Yamaguchi K, Hatakeyama S, Takami T, Yamaguchi R, Shimizu E, Ikeda K, Okahashi N, Mikawa R, Suematsu M, Arita M, Sugimoto M, Nakayama KI, Furukawa Y, Imoto S, Nakanishi M. Senolysis by glutaminolysis inhibition ameliorates various age-associated disorders. Science. 2021 Jan 15;371(6526):265-270. doi: 10.1126/science.abb5916. PMID: 33446552.
※6 Ido Y, Duranton A, Lan F, Weikel KA, Breton L, Ruderman NB. Resveratrol prevents oxidative stress-induced senescence and proliferative dysfunction by activating the AMPK-FOXO3 cascade in cultured primary human keratinocytes. PLoS One. 2015 Feb 3;10(2):e0115341. doi: 10.1371/journal.pone.0115341. PMID: 25647160; PMCID: PMC4315597.
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*p<0.05、t検定(ボンフェローニ補正)vs コントロール
[画像5: https://prtimes.jp/i/36462/287/resize/d36462-287-d03606f0267a03f81715-4.jpg ]
***p<0.001、t検定 vs コントロール
今後も当社は、ユーグレナおよびその含有成分のさらなる解明を通して、健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指すのみならず、ユーグレナ由来の化粧品原料の研究開発を行っていきます。
<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」の対象商品を、2019年4月より化粧品を含む全グループ商品に拡大。2012年12月東証マザーズに上場。2014年12月に東証一部市場変更。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://euglena.jp
プレスリリース提供:PR TIMES