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プレスリリース

日本ベーリンガーインゲルハイム

ベーリンガーインゲルハイム、パートナー企業と嚢胞性線維症患者さんに対するファーストインクラスの遺伝子療法の開発を加速

(PR TIMES) 2021年11月04日(木)18時45分配信 PR TIMES



ベーリンガーインゲルハイムは、IP Groupから英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアムによる研究結果に関して、オックスフォード・バイオメディカからレンチウイルスベクター技術に関する知的財産の実施に関するオプション権を行使
この提携により、嚢胞性線維症(CF)患者さんの長時間作用型の治療選択肢として、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)に対する新規吸入遺伝子治療薬であるBI 3720931の開発の促進を目指す

2021年10月19日 ドイツ・インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイム、IP Group、英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアム(GTC:インペリアル・カレッジ・ロンドン、オックスフォード大学、エディンバラ大学の研究者から構成)、およびオックスフォード・バイオメディカ(OXB)は本日、ベーリンガーインゲルハイムが嚢胞性線維症患者さんの新規治療薬候補の開発をさらに加速するため、パートナー企業からの知的財産とノウハウの実施に関するオプション権を行使したことを発表しました。このパートナーシップでは、IP Groupが3校のGTCホスト大学を代表し、このレンチウイルスベクターを使用した嚢胞性線維症に対する遺伝子治療薬の開発、製造、承認申請、販売を行うグローバルな独占的権利を付与します。さらにGTCは、本治療薬候補の前臨床研究および臨床開発に関する知識を提供します。オックスフォード・バイオメディカのレンチウイルスベクターを使用した治療薬の製造における卓越した知識が、ベーリンガーインゲルハイムの呼吸器疾患に対する新規ブレークスルーセラピーの開発におけるリーダーシップに付加されることになります。

嚢胞性線維症は、肺の重度機能障害と持続的な感染を主病態とする、生命予後の悪い進行性希少疾患です。世界中で約7万人が罹患しており、CFTR遺伝子変異によるCFTRタンパク質の異常または欠損によって発症します。アカデミア、ライフサイエンス分野の投資家、製薬会社、およびバイオテクノロジー企業によるこの革新的な開発パートナーシップは、新しい自己複製能欠損型レンチウイルスベクターに正常なCFTR遺伝子を組み込んだ吸入薬、BI 3720931のさらなる開発に重点を置いています。この薬剤は、肺の標的細胞選択的にCFTRを導入しすることができます。

GTCコーディネーターのEric Alton教授は次のように述べています。「私たちが開発した新しい肺標的化技術は、遺伝子導入効率が高いことが前臨床モデルで示されており、治療効果を維持するために繰り返し投与できる可能性があります。これは、他のウイルスを用いた遺伝子療法では実現できない利点です。この新規治療薬は、2,000を越えるCFTR遺伝子の既知の変異型にかかわらず、すべての嚢胞性線維症患者さんのCFTR機能を改善し、症状を緩和します。目下、現行のCFTR修飾薬が使用できない嚢胞性線維症患者さんを治療対象としています。GTCは、21年間にわたる重点的な取り組みを経てこのマイルストーンを達成したことをたいへん嬉しく思います。有能なチームに感謝すると共に、いくつもの臨床試験への参加などさまざまな形で協力してくださった嚢胞性線維症患者さんにお礼を申し上げます。また、Health Innovation Challenge Fund(ウェルカム・トラストと英国保健省のパートナーシップ)、Just Gene Therapy、Cystic Fibrosis Trust、英国国立衛生研究所、英国医学研究審議会を含む、これまでに研究開発活動に必要な資金提供してくださった方々にも感謝を申し上げます」

ベーリンガーインゲルハイムの創薬研究担当コーポレートシニアバイスプレジデント兼グローバル責任者のClive R. Wood(Ph.D.)は、次のように述べています。「2008年以来、ベーリンガーインゲルハイムは、GTCとOXBと共に研究開発活動を支援してきました。この画期的なプロジェクトにおいてパートナーと共に成功を達成したことにより、この革新的治療アプローチをさらに加速させることができるという確信が得られました。呼吸器疾患治療薬の創薬および開発に関する当社のリーダーシップを遺伝子治療や製造に関するパートナーの知識と統合し、より良い治療選択肢を切望している嚢胞性線維症患者さんに次のブレークスルーを提供できるよう、取り組んでいきます」

オックスフォード・バイオメディカのJohn Dawson CEOは、次のように述べています。「OXBは、2018年以来、ベーリンガーインゲルハイム、IP Group、GTCと協力してきました。これまでに達成できた大きな成果に基づき、GTCの開発した嚢胞性線維症向けの革新的な吸入遺伝子治療薬のために、世界トップクラスの呼吸器疾患治療薬メーカーであるベーリンガーインゲルハイムがOXBのレンチウイルスベクター製造技術をライセンスするオプションを行使したことを嬉しく思います。このパートナーシップは、人生を変える遺伝子治療を患者さんに提供するという当社の使命の中核をなすものであり、世界中の多くの嚢胞性線維症患者さんに新たな治療選択肢を提供できる可能性を秘めています」
2018年8月に発表されたベーリンガーインゲルハイムとのオプションおよびライセンス契約の条件に基づき、ベーリンガーインゲルハイムは、オプション行使料、短期的な成功に基づく開発・薬事・販売マイルストーンペイメント、および純売上高に対するロイヤリティをGTCの代表であるIP Groupに支払います。OXBは、350万ポンドのオプション行使料を受け取り、嚢胞性線維症の遺伝子治療薬の純売上高に対する1桁台前半の段階的なロイヤリティに加え、さまざまな開発・薬事・販売マイルストーンの達成に応じて、最高で合計2,750万ポンドの支払いを受け取る権利を有します。

Cystic Fibrosis Trust最高責任者のDavid Ramsden氏は、次のように述べています。「ベーリンガーインゲルハイムが嚢胞性線維症の患者さんのために遺伝子治療薬開発の次段階に取り組んでいることをたいへん嬉しく思います。これは、嚢胞性線維症患者さんとそのご家族、医療関係者全体に希望を与える重要な一歩であり、現在利用できる治療薬では効果が得られない患者さんにとっては、特に意味のあることです。英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアムの活動に対する長期的な投資を支えてくれたすべての人々に感謝します」

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。

英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアムについて
英国嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアム(GTC)は、インペリアル・カレッジ・ロンドン、オックスフォード大学、エディンバラ大学の研究者によって構成されています。2001年に1つの組織として発足し、専門知識と資金を共有して、嚢胞性線維症患者さんのために遺伝子治療を実際の臨床につなげるという共通の目標に向けて取り組んでいます。GTCは、嚢胞性線維症に関する6件の非ウイルス第1/2a相試験(Proof of Concept)と初の第2b相試験(遺伝子治療)を実施し、主要評価項目を達成しました。また、これと並行して、今回のオプション行使の対象となった新しいレンチウイルスベクターを開発しています。
詳細と解説は、www.respiratorygenetherapy.org.ukをご覧ください。

Health Innovation Challenge Fundについて
Health Innovation Challenge Fundは、ウェルカム・トラストと英国保健省のパラレルファンドパートナーシップでした。同パートナーシップの主な目的は、国民健康保健に加入している患者さんだけでなく、それ以外の人々のためにも、革新的な医療用製品、技術、介入の創出を促し、その開発を進めることでした。

オックスフォード・バイオメディカについて
オックスフォード・バイオメディカ(LSE:OXB)は、深刻な病気にかかっている患者さんの生活を変える治療薬の開発にフォーカスした、完全に統合された遺伝子・細胞療法を研究するトップクラスの企業です。オックスフォード・バイオメディカと子会社(以下、「当グループ」)は、組織内およびパートナーのin vivoおよびex vivo製品を開発することにより、業界内でトップクラスのレンチウイルスベクター送達プラットフォーム(LentiVector(R))を構築しています。当グループは、オンコロジー、中枢神経系疾患、肝疾患の分野における遺伝子および細胞療法の製品候補の貴重な独自ポートフォリオを生み出しました。また、ノバルティス社、ブリストル マイヤーズ スクイブ社、Sio Gene Therapies社、Orchard Therapeutics社、Santen社、Beam Therapeutics社、ベーリンガーインゲルハイム社を含め、多くの企業とパートナーシップを締結し、これを通じて、他の有望な遺伝子・細胞治療製品において長期的な経済的利益を得ています。さらに、アデノウイルスを使用した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン候補の大規模製造に関し、アストラゼネカ社と3年間のマスター供給・開発契約を締結しました。オックスフォード・バイオメディカは、英国オックスフォードシャーの各地に拠点を展開し、740人以上の従業員を雇用しています。詳細は、www.oxb.comをご覧ください。

嚢胞性線維症について


嚢胞性線維症は、欠陥遺伝子によって引き起こされる遺伝性疾患です。この遺伝子は、細胞内を出入りする塩分や水分の動きをコントロールするため、肺と消化管が粘液で詰まり、呼吸や食べ物の消化が困難になります。
嚢胞性線維症は、世界の約7万人が罹患しています。嚢胞性線維症の発生率は、平均してヨーロッパ人系統の3,000分の1から6,000分の1と推定されます。有病率、発生率、利用できる治療薬、臨床アウトカムは、国や地域間で大きく異なります。現在、英国、その他の西欧諸国、カナダおよび米国を含む北米では、早期診断とケアや治療薬の開発が進んだことで、嚢胞性線維症患者さんの半数が40歳代まで生きられるようになりました。
2019年に嚢胞性線維症で亡くなった人の年齢中央値は31歳でした。
嚢胞性線維症の患者さんは、一見、健康に問題がないように見えます。ただし、これは生涯にわたる病気であり、患者さんは毎日多くの治療薬を服用し、理学療法に多くの時間を費やし、この病気を持つ他の患者さんから隔離する必要があります。周囲の人にも大きな負担がかかり、いつ症状が悪化してもおかしくない可能性があります。
今日では、早期診断とケアや治療薬の開発が進んだため、嚢胞性線維症患者さんの半数が40歳代まで生きられるようになっています。


詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が10 月19日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

プレスリリース提供:PR TIMES

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